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「若者の流行」と経営層が軽視できないリスクへ―BeReal.発の情報漏洩はなぜ起きるのか。事例・要因・対策を徹底解説

若年層を中心に爆発的な人気を集めるSNSアプリ「BeReal.」。しかし、その独自の仕様から企業機密が意図せず流出する事案が急増しています。

このコラムでは、BeReal.特有の情報漏洩メカニズムと背景を紐解き、経営層が「若年層のSNS行動様式」を理解し、企業として講じるべき適切な危機管理対策について解説します。

目次[非表示]

  1. 1.BeReal.発の深刻な情報漏洩事案
    1. 1.1.事例① 従業員による業務画面の写り込みと顧客情報の漏洩
    2. 1.2.事例② 病院職員による受付画面の写り込みと個人情報の漏洩
  2. 2.BeReal.で情報漏洩が引き起こされる「物理的・心理的メカニズム」
    1. 2.1.① 前後カメラの同時撮影:自撮りの裏で起きる意識の盲点
    2. 2.2.②「2分以内」という時間制限のプレッシャー
    3. 2.3.③ 位置情報の共有設定が招くセキュリティリスク
  3. 3.BeReal.の爆発的人気の背景と、企業に影響を及ぼす潜在的なリスク
    1. 3.1.新興SNSを過小評価する潜在的リスク
  4. 4.SNS炎上・風評被害対策ならエルテス
  5. 5.まとめ

ルール策定 エルテス

BeReal.発の深刻な情報漏洩事案

まずは、実際に報告されている深刻な事例を紹介します。

事例① 従業員による業務画面の写り込みと顧客情報の漏洩

ある商社の従業員が、業務中の様子をBeReal.に投稿しました。
アウトカメラには操作中のPCモニターが鮮明に写り込んでおり、取引先の社名などの重要な顧客情報が読み取れる状態でした。投稿画像はスクリーンショットで保存され、X(旧Twitter)などのSNSで瞬く間に拡散しました。

その結果、「コンプライアンス意識が低すぎる」「取引先の情報が漏れている」といった批判が殺到し、炎上状態となりました。企業は公式Webサイトでの謝罪に加え、事実関係や影響範囲の特定に向けた調査、当該従業員の処分、再発防止策の発表を余儀なくされる事態へと発展しました。

事例② 病院職員による受付画面の写り込みと個人情報の漏洩

ある市立病院の職員が、当日受診した患者20人分の氏名、患者番号、性別、年齢、主治医の氏名などが表示された受付画面をBeReal.に投稿しました。
外部から「職員がSNSに病院の画像を投稿している」との電話が入り、問題が発覚しました。病院は、当該職員を事案発生直後より業務から外し、対象となった患者全員への謝罪を行う事態となりました。

昨今、SNSにおける炎上事例は、悪意のある「バイトテロ」のような不適切投稿が主流でしたが、BeReal.による情報漏洩は性質が少し異なります。不適切投稿を行った当事者は「悪気はなかった」「通知が来たので、とっさにやってしまった」と釈明するケースもあり、無自覚に機密情報を漏洩してしまうケースが相次いでいます。

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BeReal.で情報漏洩が引き起こされる「物理的・心理的メカニズム」

BeReal.がこれほど情報漏洩の舞台になりやすい直接的な理由は、以下の3つの独創的なシステム構造にあります。

① 前後カメラの同時撮影:自撮りの裏で起きる意識の盲点

BeReal.で投稿する際、ユーザーがシャッターを切ると、アウトカメラとインカメラがほぼ同時に作動し、1枚の画像に生成されます。自撮り側の映りに気を取られ、同時に撮影されているアウトカメラ側には、本人が意識していない背景が写り込んでしまうケースも少なくないでしょう。

例えば、職場のデスクで撮影した場合、PCモニターに表示された顧客名簿、机に置かれた重要書類、背後のホワイトボードに書かれた新プロジェクトの構想などが、文字が判読できるレベルで鮮明に記録されてしまいます。

②「2分以内」という時間制限のプレッシャー

BeReal.には、通知が来てから2分以内に投稿すると「Bonus BeReal.(追加投稿権)」が得られるといったゲーム性があり、ユーザーを焦らせます。通常のSNSであれば、投稿前に写真をじっくり確認し、不適切なものが写っていればスタンプで隠したり、撮り直したりする余裕があります。

しかし、BeReal.では「早く撮らなきゃ」という心理的プレッシャーから注意力が著しく低下して「反射的」に撮影し、すぐに投稿するというスピード感が特徴です。このメディア特性が、結果的に正常な判断を下す時間を失わせてしまいます。

③ 位置情報の共有設定が招くセキュリティリスク

BeReal.は、投稿時に撮影場所を地図上にピンポイントで表示する機能が、デフォルトでオンになっているケースが多いです。自宅で投稿すれば住所が特定され、職場で投稿すればその企業の正確な所在地が紐付けられます。

これにより、投稿内容に位置情報が容易に付随するようになり、リスク情報へと発展しやすい環境が作られてしまいます。

BeReal.の爆発的人気の背景と、企業に影響を及ぼす潜在的なリスク

そもそも、BeReal.はなぜ若者の心をつかんでいるのでしょうか。
その理由の一つとして、Instagramなどの他のSNSで見られるフィルターで加工された「完璧な世界」への疲れから、飾らないありのままの日常を、背伸びせずに共有できることを謳っている点が挙げられます。

昨今の若年層の行動様式を俯瞰して見てみると、例えばファッション雑誌では、いわゆる「読モ(読者モデル)」が市民権を得て久しく、歌手やアイドルに関しても「会えるアイドル」や、歌詞や生き方が自分たちの日常に溶け込むような「等身大で身近な存在」であることが重要視される時代になっています。昭和や平成の時代にもてはやされた、手の届かない「絶対的なスター」の概念とは、まさに隔世の感があります。

こうした「リアルで身近なものを求める」時代の潮流と、先述したInstagramなどの「完璧さ」に対する疲れが相まって、BeReal.に強い支持が集まっているのだとすれば、おのずとその背景にも合点がいきます。

新興SNSを過小評価する潜在的リスク

これほど情報漏洩が急増している要因は、単なるアプリの仕様だけではありません。

企業や経営層として、新興SNSに対するリスクを十分に把握しきれておらず、従来のSNSとは異なるリスク特性への理解や対策が追いついていない点も大きな要因です。経営層の目の届かない場所で、企業の内部統制を揺るがす事態が進行しています。

SNS炎上・風評被害対策ならエルテス

BeReal.に象徴されるように、若者の行動様式を理解し、企業の潜在リスクを適切に把握した上で、必要なリスク対策を講じることは大変重要です。「SNSへの不適切な投稿」を防ぐ従来の危機管理体制を、今の時代に合わせてアップデートする必要があります。

エルテスは、この流れを受けて昨今のSNSトレンドに特化したSNS炎上リスク研修のパッケージを提供開始しました。事例を交えつつ、最新のリスク傾向を踏まえた実践的な研修を実施し、従業員のSNSリスクのリテラシー向上を支援します。

また、インターネット上の論調を継続的に監視し、BeReal.をはじめとする新興SNS経由での機密情報漏洩や炎上の火種を早期に発見する「Webリスクモニタリングサービス」を提供しています。

万が一の情報漏洩を見逃さない網羅的なモニタリング体制を併せ持つことで、企業の強固な危機管理体制の構築を一気通貫でサポートします。

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まとめ

新興SNSの独自仕様や若年層の行動様式から生じる予期せぬ情報漏洩は、企業にとって見過ごすことのできない重大なリスクです。

被害を最小限に抑えるためには、実態に即したルールの再構築や従業員教育といった予防策と、予兆の早期検知や継続的なモニタリング体制の整備が欠かせません。

SNS炎上対策や従業員教育を強化したい方は、ぜひお気軽にエルテスへご相談ください。

ルール策定 エルテス

SNSの炎上対策はエルテスへ

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著者|株式会社エルテス 野村省吾
著者|株式会社エルテス 野村省吾
SR事業本部 SR CS部 第1CSグループ|専門商社、危機管理コンサルティングファームを経て株式会社エルテスに入社。前職では多数の企業の内部統制構築や有事のクライシス対応を最前線で支援。エルテスではその経験を活かし、SNS炎上をはじめとするデジタルリスク全般のコンサルティング業務に従事している。現場のリアルな知見と、経営戦略視点でのリスク分析を掛け合わせたコンサルティングに定評があり、平時の体制構築から有事のリカバリーまで一気通貫した支援に強みを持つ。
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