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ネット炎上レポート 2022年10月版

2022年10月の炎上事例を調査・分析し、ネット炎上の傾向をまとめたレポートとしてご報告いたします。

目次[非表示]

  1. 1.ネット炎上レポートとは
  2. 2.2022年10月のネット炎上トレンド
  3. 3.販促グッズがヘルプマークに酷似し、誤解を与えるとして批判
  4. 4.従業員の不適切投稿での炎上
  5. 5.まとめ


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ネット炎上レポートとは

株式会社エルテスでは、公開されているSNSデータを独自に収集・分析を行い、2019年8月より月次でのネット炎上レポートを公開しております。企業の広報やリスク管理を行う方々に炎上トレンドをお伝えすることで、自社のレピュテーション保護を行っていただきたいという想いを持ち、作成しております。

また、これら炎上事例は、下記の“エルテスの定義するネット炎上”を満たす事例を抽出し、分析を行っております。

エルテスの定義するネット炎上

▼前提条件
以下の二つの条件を満たしている必要がある
1.批判や非難が発生している(ポジティブな共感の拡散等ではない)
2.対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較しても有意に多い状態。

▼定義
ネット炎上とは、オフライン・オンラインでの行動や発言に対して、ネット上で批判が殺到し、拡散している状態を指します。対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較して有意に多いことが条件となります。

▼炎上事例の収集方法
SNSやメディアの中で、批判が殺到しやすい媒体を複数選定し、常時ウォッチング。その中で、上記の条件を満たす事象を確認した場合、炎上事例と認定しています。


2022年10月のネット炎上トレンド

2022年10月に最も多かった炎上対象は、「企業・団体」が75%(前月比17ポイント増)でこの数値は前月大幅に減少した数値が平均的に戻っていることによる増加となりました。「個人・著名人」は14%(15ポイント減)、「マスメディア」は4%(1ポイント増)となりました。上位3区分は、前月と同様の結果となり、全体的には例月通りのトレンドとなっています。

また、「企業・団体」の炎上区分の内訳は、顧客対応での炎上事例が目立った「サービス」が全体の50%(24ポイント増)、次いで7%を占めた「自治体・団体」(4ポイント減)、「メーカー」(6ポイント減)、「IT」(7ポイント増)が続き、「教育機関」は4%(1ポイント増)となりました。(図1)


図1_炎上対象区分_202210

収集データを元にエルテスが作成


「企業・団体」を対象とする炎上内容では、経営陣や公式アカウントからの発信で炎上が相次いだ「不適切発言・行為、失言」が50%(23ポイント増)、次いで「顧客クレーム・批判」が40%(17ポイント増)を占め、前月大幅にポイントが増加した「不祥事/事件ニュース」が例月の平均値に戻り10%(40ポイント減)という結果になりました。(図2)


図2_企業・団体が対象となった炎上内容区分_202210

収集データを元にエルテスが作成


販促グッズがヘルプマークに酷似し、誤解を与えるとして批判

あるアーティストのアルバム販促グッズが、外見からは分かりづらい介助や配慮を必要とする方々が周囲の方に助けを表明するために用いるヘルプマークに酷似しており、ヘルプマークと誤認してしまうといった批判がSNS上で相次ぎました。一部からは、国際的な「ジュネーブ条約」や「赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律」(赤十字法)に抵触するのではないかという指摘も見られていました。

これに対し、アーティストの所属するレコード企業は10日後にグッズデザインの改訂とアルバムの発売延期を発表しました。しかし、ユーザーからの批判の声は止まず、ヘルプマークを作成した東京都からもヘルプマークが商標登録をしていること、該当企業へマークの趣旨について説明を行ったと声明が出されました。

その後11月に入って、企業より改めて謝罪と再発防止、アーティストはグッズの制作過程には関わっていない旨のリリース文が出されました。


従業員の不適切投稿での炎上

10月には経営者による不適切な投稿による炎上が複数発生しています。


a)    IT企業の代表が運用していたSNSアカウントで掲載された写真が不適切であると批判され、炎上
b)    サウナ施設を運営するオーナーがユーザーからの口コミに強い口調で反論している投稿が炎上


a)    の事例では、女性従業員に囲まれている写真が取り上げられ、セクハラではないかと批判が殺到しました。企業は外部専門家からの助言をもとに管理体制・教育体制の見直しと強化を図るとする再発防止を記載した謝罪文を掲載しました。
b)    の事例では、対応の不備や衛生面への指摘を行ったユーザーに対して、強い口調での反論のコメントを返信しており、ユーザーからは高圧的だとして批判の投稿が多くみられました。

これらの事例から、従業員の投稿はもちろん、経営層の不適切な投稿はリスクが大きいことが分かりました。プライベートで運用しているアカウントであったとしても、企業が紐づいている場合には企業への批判へと発展し、広報対応が求められるケースも増加しています。

まとめ

10月には、批判発生後の適切な広報対応の重要性が改めて認識される事例が多くみられました。企業から発信されるクリエイティブに対する炎上は、レピュテーションリスクに加えて、製品の回収など実害にも繋がります。このような場合、ユーザーからは迅速かつ適切な対応を求められ、ユーザー論調の指摘に回答できていない声明であった場合には、更なる批判が寄せられることが想定されます。

また、従業員の不適切投稿による炎上は、引き続き企業のレピュテーションにおいて、脅威でありつづけています。また、企業広報としては、予期せぬ炎上であり、過去の従業員や企業の振る舞いが掘り起こされてしまい、大きな炎上に繋がるケースも見られます。広報としては、このようなリスクを早期に検知し、状況把握から対応までを迅速かつ適切に行うことも求められます。



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著者・監修|株式会社エルテス編集部
著者・監修|株式会社エルテス編集部
株式会社エルテスは、これまで多種多様な企業のデジタルリスク対策に尽力してきたノウハウを生かし、企業のリスク課題・デジタル課題に役立つコンテンツを提供しています。 編集部ではネット炎上やSNS運用トラブル、ネット上の風評被害・誹謗中傷、情報セキュリティ対策など様々なビジネスのリスク課題に関するコラムを発信しています。
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