
X(旧Twitter)・Facebook・Instagram・TikTokのなりすましの報告方法
近年多発するSNSアカウントのなりすましは、企業の頭を悩ませている大きな問題のひとつです。なりすましアカウントは、一見公式アカウントと見分けがつかず、あたかもその人・企業であるかのような投稿がなされます。適切になりすましアカウントを対処しなければ企業の信頼や評判を下げる事態につながりかねません。
この記事では、SNSにおけるなりすましの実態と具体的な被害事例、企業として講じるべき対策、SNSごとの通報手順まで詳しく解説します。
なりすましの手口や防止策全体について知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
目次[非表示]
▶アカウントがなりすましに遭ったら?SNS別なりすましアカウントの報告方法を確認
無くならないSNSのなりすまし
現代の私たちの生活に身近になったSNS(ソーシャルメディア)は、その情報拡散性の高さから、多くの企業で自社のPRのために活用されています。しかしその反面、アカウントの知名度が上がるにつれて、その知名度の高さにあやかった「なりすまし」の標的になり、企業の評判やブランドへの信頼を損なうリスクが生まれてしまいます。
X(旧Twitter)社の透明性レポートによれば、2024年下半期(7月~12月)になりすまし行為を含む規約違反により、約72万2,557件のアカウントが停止されました。なりすましアカウントの被害は X(旧Twitter)のみならず、InstagramやFacebook、TikTokでも報告されています。
SNSなりすましの目的
エルテスが独自になりすましアカウントの動向を調査したところ、なりすましアカウントは以下の目的で作成されていることが分かりました。
- なりすましアカウントを通じたフィッシング詐欺や偽商品の販売
- なりすましアカウントを通じて取得した個人情報の売買
- なりすましでフォロワーを獲得し、アカウントを売買
SNSアカウントのなりすましは高い知名度を持つアカウントが狙われやすいことから、企業だけではなく著名人も標的にされる可能性が高いです。そのため、その企業の顧客や著名人のファンなどからは本物のアカウントだと勘違いされ、混乱を招いてしまう恐れもあるでしょう。
SNSアカウントで企業に起こるトラブル
SNS上でなりすましアカウントが活動することで、企業はさまざまなトラブルに巻き込まれる可能性があります。ここでは、主なリスクを2つの観点から整理します。
顧客の個人情報の漏洩や不正利用のリスク
一つ目に、なりすましアカウントがフィッシング詐欺を働いたり、ユーザーを偽ページへ案内し個人情報の登録を促したりすることで、ユーザーの個人情報を不正に取得し、企業の顧客が被害を受けるリスクがあります。
そもそも、企業のSNSをフォローしているユーザーは、情報をキャッチアップしたい既存顧客や潜在顧客である可能性が高いです。なりすましアカウントは、そのようなユーザーに対して「抽選に当選した」などのダイレクトメッセージ(DM)を送付し、フィッシングサイトに誘導する事例が報告されています。最終的には、クレジットカード番号の登録などが求められるため、顧客の個人情報の漏洩や不正利用のリスクにつながります。
この場合、企業に責任はないのですが、知らぬところで顧客は企業への不信感や不満を抱いてしまう可能性も否定できません。さらに、顧客からなりすまされた企業に直接相談されるケースもあるようで、対応のために業務負担が増えることも考えられます。
企業の虚偽情報の流布
二つ目に、なりすましアカウントに虚偽情報を流され、企業の名誉が棄損されるリスクがあります。なりすましアカウントの存在を把握していないユーザーは、なりすましアカウントから発信される情報が企業のものと誤解してしまう恐れがあります。知らぬ間に企業のイメージが悪化してしまうこともあるので、早期の注意喚起が必要です。
企業のSNSアカウントがなりすまし被害に遭う手口
近年、SNS上で企業のなりすまし被害が増加しています。企業の名前を騙ってユーザーに接触する手口が多く見られます。よくある手口としては、企業のアカウントのIDに似せたアカウントや、IDに「official」と入れたアカウントを用いる手法が報告されています。
企業の本物のアカウントとなりすましアカウントは、フォロワー数の多さや、認証マークの有無で判断できる場合が多いです。しかし、なりすましに気づかずにフォローした相手にはDMで嘘の「当選メッセージ」や「期間限定」の内容のメッセージを送ることで、フィッシングサイトに誘導し、被害に発展するケースがあります。
実際になりすまし被害に遭った企業の中には、なりすましアカウントを公表し、ユーザーに注意喚起を行っている企業も増えています。例えば、ある化粧品会社では、なりすましアカウントのIDと本物のアカウントのIDを記載した情報をWebサイトに掲載し、顧客に注意を促しています。
主要SNS別: なりすましアカウントの報告方法
なりすましアカウントを発見した場合、最初に行うべき対応はSNSプラットフォームへの通報です。各SNSには、なりすましアカウントの報告機能が用意されており、手順に沿って通報することで、アカウントの凍結・削除が行われる場合があります。
ここでは、主要SNSであるX(旧Twitter)・Instagram・Facebook・TikTokの通報方法を、それぞれご紹介します。
※手順は2025年5月時点の仕様に基づいたPCで操作する場合の手順イメージ図です。
X(旧Twitter)でなりすましが発生した場合
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Instagram・Facebook・TikTokでなりすましが発生した場合
Instagram・Facebook・TikTokにおけるなりすましアカウントの報告方法については、以下の資料にて詳しく解説しています。
SNSなりすましアカウント通報後にやるべき企業としての初動対応
SNS上でなりすましアカウントを発見し、通報を行った後も、企業としては迅速かつ適切な初動対応が求められます。被害の拡大を防ぎ、顧客との信頼関係を維持するために、以下の対応を検討しましょう。
顧客・フォロワーへの注意喚起
なりすましアカウントが存在することを、公式SNSやウェブサイトを通じて速やかに告知し、ユーザーに注意を促すことが重要です。具体的には、以下の情報を明示すると効果的です。
- 正規アカウントのIDやURL
- 偽アカウントの特徴やID(可能であれば)
- なりすましアカウントからのDMやリンクに注意する旨の警告
問い合わせ窓口との連携
なりすまし被害が発生すると、顧客からの問い合わせが増加する可能性があります。カスタマーサポート部門と連携し、以下の対応を検討しましょう。
- なりすまし被害に関するFAQの作成
- 問い合わせ対応マニュアルの整備
- 必要に応じて、専用の問い合わせ窓口の設置
なりすまし被害の再発を防ぐための企業対策
SNS上でユーザーが受けるなりすまし被害は、通報や削除だけでは完全に防ぐことが難しく、再発のリスクも高いのが現状です。企業としては、被害の再発を防ぐために、以下のような対策を講じることが重要です。
社内体制の整備と教育
なりすまし被害に迅速に対応するためには、社内での対応フローの整備が不可欠です。具体的には、被害発生時の連絡体制や対応手順を明確にし、関係部署との連携を強化することが求められます。また、従業員へのセキュリティ教育を定期的に実施し、なりすましの手口や対策についての理解を深めることも重要です。
エルテスでは、なりすましアカウントの発見や外部から報告を受けた際に、社内展開から外部への注意喚起までの体制整備について支援いたします。エスカレーションフローや注意喚起などのひな形作成についてもご相談ください。
SNSアカウントの定期的な監視とモニタリング
なりすましアカウントを早期に発見するためには、SNS上での自社名やブランド名の定期的な監視が有効です。また、SNSモニタリングサービスを活用することで、24時間体制での監視が可能となり、迅速な対応が期待できます。
エルテスでは主力サービスのSNS監視のノウハウをなりすまし対策に活用し、なりすましアカウントの早期発見とアカウント監視を目的としたSNSモニタリングサービスを提供しています。SNS上の投稿からなりすましと疑われる投稿やフィッシング詐欺被害に関連した投稿を検知することはもちろん、アカウント自体の早期発見も支援することが可能です。また、発見後の注意喚起に関するリリースの添削や、なりすましアカウントの動向監視など幅広く対応可能です。
▶SNS・ネット上のリスクの監視のために!Webリスクモニタリングでできることをチェック
まとめ
なりすましアカウント問題の対処法として、顕在化するアカウントについては「発見した場合は直ちにプラットフォームに報告すること」、現在~未来に発生しうるなりすましアカウントについては「定期的になりすましアカウントの有無をチェックし早期に発見すること」が重要です。
企業のブランドと顧客を守るため、最新情報を常にキャッチし、平時から対策できるようにしましょう。
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