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人事・採用担当のSNS炎上が起こるのはなぜ?事例や原因を解説

企業の人材戦略を司る人事部門。この人事業務に従事する従業員からの炎上は度々発生しています。企業の顔とも言える、人事・採用担当者が陥りやすいSNS炎上とはどのようなものなのか。なぜ人事、採用担当者が炎上してしまうのか、解説していきます。


目次[非表示]

  1. 1.相次ぐ人事や採用担当者の炎上
  2. 2.オープンSNSでの内定者とのやりとりで炎上
    1. 2.1.炎上の経緯
  3. 3.電話口での対応がSNSで拡散
    1. 3.1.炎上の経緯
  4. 4.なぜ人事・採用担当者は炎上するのか
    1. 4.1.人事・採用担当のパーセプション
    2. 4.2.SNSという公開された場での発信
  5. 5.炎上の予防ででできること
  6. 6.関連情報


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相次ぐ人事や採用担当者の炎上

「採用は“採ってはいけない人”を見極める仕事」
「待遇にこだわる人とは働きたくない」

これらは、企業名を公開しながら運用していた採用担当者のSNSアカウントが、相次いで炎上したときの発言内容です。

前者の事例では、「上から目線である」「このような発言を行う人事がいる会社では働きたくない」などの批判が続出し、炎上した投稿は削除されました。しかし、翌日には謝罪の言葉がないまま 「(前日の投稿が)意図してない伝わり方をしてしまった」という主旨の文章を投稿したことで、批判されている理由を理解していないと投稿を見た人から指摘され、 さらなる炎上に繋がりました。これらの事象はまとめサイトでもまとめ上げられ、本人の本名や出身大学なども特定されています。企業としても、この事象後に株価が下落トレンドとなる影響が見られました。

後者の事例は、「ブラック企業だ」などの批判が相次ぎ、この投稿後には、該当企業の求人情報に記載された条件がかなり低かったことも指摘される形で炎上がさらに広がりました。こちらも本人の本名などがまとめサイトにまとめられるだけでなく、企業名を検索した際に、サジェストで炎上に関連するキーワードが表示されるなど、炎上の影響がデジタルタトゥーとして、残っています。


オープンSNSでの内定者とのやりとりで炎上

早期化する新卒採用とその後の入社までのコミュニケーションも、人事の重要な業務です。そのコミュニケーションの方法として、人事担当者個人がX(旧Twitter)アカウントなどオープンなSNSで繋がり、内定者とコミュニケーションを図るケースもあるようです。

オープンなSNS上で互いの関係性を共有することは、仲間意識を高めるエンゲージメント効果を生み、内定者のフォロワーにも企業風土をアピールする効果が考えられます。一方で、そうした試みが裏目に出てしまい、就活生はおろかSNSを利用する様々なユーザー層から反感を買ってしまうこともあります。


炎上の経緯

とある人事担当者は、X(旧Twitter)で下記の主旨の投稿を行いました。


<投稿の主旨>

  • 内定者が黒色のマスクをつけていたことを紹介
  • 人事担当者は、以前から黒色のマスクに対する先入観を持っていた
  • 内定者の影響から、黒色のマスクを実際に使ってみると快適であった
  • 文末に黒色のマスクをつけていた内定者のアカウントのID添えた


この投稿を見た他のユーザーは、「内定者を馬鹿にしている」「内定者のアカウントがタグ付けされており、個人情報がわかる投稿を人事担当者がしてもよいのか」などの批判が集まり、結果的に人事担当者は自身のSNSアカウントを非公開にしました。(ただし、引き合いに出された内定者は「人事と距離の近い会社の良さ」「曲解した受け取りをされた」と人事担当者を擁護しています)

オープンなSNSの場合、1対1のコミュニケーションではなく、他の多くのユーザーに見られている可能性を忘れてはいけません。別のユーザーから投稿内容を意図せぬ形で解釈され、批判や炎上してしまうことも企業のSNS炎上でよく見られる現象です。


電話口での対応がSNSで拡散

企業の顔でもある人事担当者は、SNS上の振る舞いはもちろんリアルな場での振る舞いも就活生から見られています。面接時や説明会での発言や振る舞いが就活生によってSNSに投稿され、炎上に繋がることはしばしばあります。常に見られているという意識が求められます。

しかし、リアルな場で見られているのは、面接や説明会に限ったことではありません。電話口の対応がSNS上で拡散されてしまい、炎上に繋がったというものが実際にありました。


炎上の経緯

炎上に繋がった具体的な背景は以下のようなものです。


<炎上した背景>

  • インターンシップに合格した学生が、別日程への変更を電話で依頼
  • 人事は強い口調で一度日程を承諾したことに言及
  • その内容を学生がX(旧Twitter)に投稿


この事例は、学生のインターンシップ先が有名企業であり、それが開示されていたことから、投稿は多くの反応を集めました。コメントの中には、周囲の就活生と見られるSNSアカウントから、「あの企業の人事がそんなに怒りっぽいのは意外」「もともとそういう人が多い社風なのだろうか」といった内容の投稿も見られました。

電話越しの対応のため、本当に強い口調で対応していたのかは、不確かではあるものの、SNSに投稿されることで企業のレピュテーションに影響を与えることがこの事例から言えます。


なぜ人事・採用担当者は炎上するのか

人事・採用担当のパーセプション

パーセプションとは、「認知」や「認識」という意味で使われる言葉です。

人事のパーセプションを考えたとき、企業の採用面接を受ける求職者から見た人事・採用担当者は、採用の合否に強い権限を持っており、求職者よりも立場が上と思われてしまうことがあります。そのため、何気ない発言が「上から目線だ」「高圧的だ」などと批判されるきっかけになってしまいます。

そのような求職者や世間から人事がどのように見られているのかというパーセプションの欠如が、結果として人事・採用担当者と炎上を繋がりやすくしています。企業の中で人事業務を行っている方は、秘匿性の高い情報を扱う立場や、採用の判断を行う立場であることから、企業の中でも特殊な業務に従事しているという認識を持っておくことが大切です。


SNSという公開された場での発信

さらに、冒頭で紹介した「採用は“採ってはいけない人”を見極める仕事」と発言して炎上した事例は、面接で落とされた候補者がSNSで見かけるかもしれないという想像力が欠如していました。パーセプションの欠如に加えて、SNSは全世界のユーザーが見ることが出来るものという認識も必要です。

同じ社内、同じ人事業務に携わる人に対しての発信であれば、理解や共感を得られるかもしれません。しかし、SNSは多様な価値観を持ったユーザーが数多く存在する空間です。そのため、人事というパーセプションを理解して、自身の言動によって、不快になる人は居ないかという想像が求められます。


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炎上の予防ででできること

このような人事・採用担当者の炎上を防ぐ根本的な対策は、SNS上でリスクとなる発言をしないこと。あるいは、採用活動においてSNS上で批判されうるような言動をとらないことが重要になります。そのためには、関係者へのSNSのリスク教育の徹底が大切です。

どのような言動がSNS上で批判されやすいのか、過去にどのような炎上事例があったのかなどを理解することで、リスクに対するリテラシーや危機意識を高めることができます。

SNS研修や社内での利用ルールを策定する企業も近年では増えてきましたが、SNSで気を付けるポイントは年々変化しています。すでに、リスク教育を実施している会社でも、教育内容や研修コンテンツを何年も刷新していない場合は、アップデートすることもご検討ください。


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著者・監修|株式会社エルテス編集部
著者・監修|株式会社エルテス編集部
株式会社エルテスは、これまで多種多様な企業のデジタルリスク対策に尽力してきたノウハウを生かし、企業のリスク課題・デジタル課題に役立つコンテンツを提供しています。 編集部ではネット炎上やSNS運用トラブル、ネット上の風評被害・誹謗中傷、情報セキュリティ対策など様々なビジネスのリスク課題に関するコラムを発信しています。
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