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ネット炎上レポート 2026年5月版

2026年5月の炎上事例を調査・分析し、ネット炎上の傾向をまとめたレポートとしてご報告いたします。

目次[非表示]

  1. 1.ネット炎上レポートとは
  2. 2.2026年5月のネット炎上トレンド
  3. 3.画像生成AIを活用した人気作品に類似するクリエイティブをPRに採用した企業に批判殺到
  4. 4.過去発生した民主化運動の日に事件を連想させる広告を展開した企業に批判殺到
  5. 5.まとめ

ネット炎上レポートとは

株式会社エルテスでは、公開されているSNSデータを独自に収集・分析を行い、20198月より月次でのネット炎上レポートを公開しております。企業の広報やリスク管理を行う方々に炎上トレンドをお伝えすることで、自社のレピュテーション保護を行っていただきたいという想いを持ち、作成しております。

また、これら炎上事例は、下記の“エルテスの定義するネット炎上”を満たす事例を抽出し、分析を行っております。

エルテスの定義するネット炎上

▼前提条件
以下の二つの条件を満たしている必要がある
1.批判や非難が発生している(ポジティブな共感の拡散等ではない)
2.対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較しても有意に多い状態。

▼定義
ネット炎上とは、オフライン・オンラインでの行動や発言に対して、ネット上で批判が殺到し、拡散している状態を指します。対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較して有意に多いことが条件となります。

▼炎上事例の収集方法

SNSやメディアの中で、批判が殺到しやすい媒体を複数選定し、常時ウォッチング。その中で、上記の条件を満たす事象を確認した場合、炎上事例と認定しています。

2026年5月のネット炎上トレンド

2026年5月に発生した炎上で最も多かった炎上対象は、「企業・団体」が71%(前月比18ポイント減)と前月よりも20ポイント近く減少する結果となりましたが、タレントの炎上で企業のCM出演を見合わせる事象などが見られたことで相対的に数字が変動しています。そのほか、「個人・著名人」が18%(14ポイント増)、「マスメディア」が11%(6ポイント増)と続いています。

また、どのような業態が炎上したのかを示す「企業・団体」の炎上区分の内訳では、「サービス」が43%(13ポイント減)と最多を占めました。次いで「メーカー」が14%(4ポイント減)、「自治体・団体」は7%(4ポイント減)、「教育機関」が4%(2ポイント増)「IT」が3%(1ポイント増)という結果となりました。(図1)


収集データを元にエルテスが作成

「企業・団体」を対象とする炎上内容における分析では、「不適切発言・行為、失言」が30%(10ポイント減)、「顧客クレーム・批判」(21ポイント減)と「情報漏えい/内部告発」(19ポイント増)がそれぞれ25%と3つの区分で全体の8割を占める結果となりました。「情報漏えい/内部告発」の大きなポイント増加の要因は、4月から多発している従業員によるSNSへの不適切投稿が5月にも発生していることが挙げられます。
そのほか「不祥事/事件ニュース」が15%(9ポイント増)、「異物混入」が5%(3ポイント増)と続きました。(図2)


収集データを元にエルテスが作成

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画像生成AIを活用した人気作品に類似するクリエイティブをPRに採用した企業に批判殺到

あるスキンケアブランドの広告クリエイティブを問題視する声が相次いで見られました。クリエイティブは特定の作品と類似する画風だったことから、多くの指摘が寄せられました。企業からは、外部専門家を交えて法的な確認を経て公開に至った経緯と謝罪、および広告の取り下げを行っていく旨の声明が公開されました。

SNS上では、「タイアップ企画だと期待していたので残念」といった声が見られたほか、AIで特定の作品と類似したクリエイティブを生成することに対する批判が相次いで見られました。
特定の作品との類似性については、企業声明の中でも「法規制などの問題点を確認する」と言及されており、今後は法的なルールに留まらず、配慮を含めた表現に対するチェック体制を見直すとしています。

AIの活用自体は効率化やコストなどの面で多くのメリットをもたらし、活用が推進されていますが、画像や動画、音声をAIで生成したクリエイティブをPRへ採用することは炎上のリスクも伴っているのが現状です。

リスク低減のためには、「企業が発信するクリエイティブでは必ずアウトプットを複数の視点からレビューする」などのリスク管理を含めた、企業としての活用方針を策定しておくことを推奨します。

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過去発生した民主化運動の日に事件を連想させる広告を展開した企業に批判殺到

海外のカフェチェーンが展開したタンブラーの販促広告に批判が殺到し、運営企業の代表が解任される事態に発展しました。
問題視されたのは、広告の公開日が、「過去に軍が民主化運動を弾圧し、多数の死傷者を出した事件の発生日」であった点です。また、広告内にも「5・18タンクデー」という事件を連想させるキーワードや描写が含まれていました。

これによりユーザーから批判が殺到し、大統領がX(旧Twitter)で言及・批判する事態に発展、SNS上では大規模な不買運動が繰り広げられました。批判を受け、企業側は謝罪と再発防止策を発表し、社長は責任を取って解任される結果となりました。

PRの実施日や内容については、歴史的な事件・事故や災害などの発生日を避けるのが炎上リスクを低減させるという観点では安全と言えます。企画立案の際には、実施予定日が過去の重大な事件や災害が起きた「注意日」に該当しないか、事前に確認することを推奨いたします。

▶ SNS投稿注意日カレンダーを【無料】ダウンロード

まとめ

5月には企業が展開する広告に関する炎上が複数発生しました。

1つ目の事例では、画像生成AIのPR活用の炎上リスクを分析しました。
今回は、特定の作品との類似性が主な問題点となりましたが、「学習データの著作権等のリスクへの配慮」や「不自然なクオリティのまま公開してしまうチェック体制の甘さ」といった企業のAIに対するガバナンスやリスク管理の姿勢そのものが批判の論点となる可能性があります。
企業として生成AIの活用方針や利用ルールを明確に定めておくことは、炎上リスクを低減するための鉄則となります。

2つ目の事例では、国外の事例ではあるものの、国内のPR担当者にとっても見過ごせない「PRの実施日と、歴史的な事件・事故、災害などの発生日の重複」が問題視されたケースを分析しました。
事件を連想させる表現自体も批判を浴びる結果となりましたが、企画段階で「実施予定日に不適切な歴史的背景がないか」を事前に確認し、多角的な視点で表現をチェックしておくことが重要です。
また、今回事件を連想させるとして批判された表現の中にはAIで生成した表現が含まれることが分かっており、AIで生成したアウトプットに対する「人の目による検閲(レビュー)」の重要性が改めて浮き彫りになりました。

いずれの事例においても、批判が発生した初期段階の企業対応が、炎上沈静化のスピードやその後のブランドイメージを大きく左右します。
PRを実施する前後でのSNSを中心とした論調の変化をモニタリングし、ネガティブな兆候が見られた場合に早期検知、対応を検討するための体制を構築しておくことを推奨いたします。

本レポートでは、実際の炎上事例をもとになぜ炎上が起きたのか、自身が当事者だった場合にどのような対応を取ったのかを想像しながら、ご自身の所属する企業のリスク対策にお役立ていただければと思います。

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著者|株式会社エルテス 釜石萌
著者|株式会社エルテス 釜石萌
マーケティング部 プロモーショングループ マネジャー|2017年にエルテスに入社後、コンサルタントとして飲食業、小売業など幅広い業界の企業に対し、リスクマネジメントや危機管理を支援。現在はプロモーションGrに所属し、専門性を活かしたセミナー企画・登壇や情報発信を担当。これまでに累計20回以上の講演実績を有し、業界内での啓発活動に取り組む。
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