
ネット炎上レポート 2026年7月版
2026年7月の炎上事例を調査・分析し、ネット炎上の傾向をまとめたレポートとしてご報告いたします。
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ネット炎上レポートとは
株式会社エルテスでは、公開されているSNSデータを独自に収集・分析を行い、2019年8月より月次でのネット炎上レポートを公開しております。企業の広報やリスク管理を行う方々に炎上トレンドをお伝えすることで、自社のレピュテーション保護を行っていただきたいという想いを持ち、作成しております。
また、これら炎上事例は、下記の“エルテスの定義するネット炎上”を満たす事例を抽出し、分析を行っております。
エルテスの定義するネット炎上
▼前提条件
以下の二つの条件を満たしている必要がある
1.批判や非難が発生している(ポジティブな共感の拡散等ではない)
2.対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較しても有意に多い状態。
▼定義
ネット炎上とは、オフライン・オンラインでの行動や発言に対して、ネット上で批判が殺到し、拡散している状態を指します。対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較して有意に多いことが条件となります。
▼炎上事例の収集方法
SNSやメディアの中で、批判が殺到しやすい媒体を複数選定し、常時ウォッチング。その中で、上記の条件を満たす事象を確認した場合、炎上事例と認定しています。
2026年7月のネット炎上トレンド
2026年7月に発生した炎上の対象で最も多かったのは、「企業・団体」が81%(前月比16ポイント減)となりました。一方で、配信クリエイターによる地震発生後の不適切投稿が話題となった事例などを背景に、「個人・著名人」は13%で前月から10ポイント増加と大きく数値を伸ばしています。そのほか、「マスメディア」が3%(3ポイント増)という結果になりました。
また、どのような業態が炎上したのかを示す「企業・団体」の炎上区分の内訳では、「サービス」が36%(14ポイント減)、「メーカー」が32%(10ポイント増)と2つの区分で全体の6割以上を占めました。次いで「自治体・団体」が10%(2ポイント増)、「教育機関」が3%(前月同数)という結果となりました。(図1)

収集データを元にエルテスが作成
「企業・団体」を対象とする炎上内容における分析では「顧客クレーム・批判」が68%(14ポイント増)と全体の7割近くを占める結果となりました。そのほか「不適切発言・行為、失言」が16%(10ポイント減)、「異物混入」が8%(2ポイント増)、「不祥事/事件ニュース」(4ポイント減)と「情報漏えい/内部告発」(2ポイント減)がそれぞれ4%と続きました。(図2)

収集データを元にエルテスが作成
一般ユーザーに「自社商標の使用停止」を要求、公式アカウントに批判殺到
一般ユーザーの投稿に対するメーカーの公式SNSアカウントの反応に注目が集まりました。一般ユーザーの投稿に製品名が含まれていたため、公式SNSアカウントが「○○(製品名)は自社の商標であるため、一般名称を使ってほしい」といったコメントを引用して投稿しました。
SNS上では、「一般ユーザーの投稿に対して逐一反応するのはやりすぎ」といった声が目立ちました。企業は配慮不足だったことを認め、謝罪のコメントを投稿しました。
公式SNSアカウントの運用では、その特性上、ユーザーからの反応が目に見えやすいため距離感が近いように感じてしまいがちです。しかし一般ユーザーの認識としては、企業の公式アカウントは看板を背負い、企業を代表して意見を発信しているという点を意識することが必要です。
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危険運転が相次ぐ電動キックボード企業とのコラボ、菓子メーカーに批判
シェアサイクル事業を展開する企業と菓子メーカーのコラボレーション企画が話題となりました。シェアサイクル企業は利用者の交通違反や運営側の対応を巡りSNS上で問題視されることが多かったため、菓子メーカーに対して「コラボ先は選んでほしい」「ブランドイメージが下がった」といったネガティブな意見が散見される事態となりました。
企業同士のコラボレーションではターゲット層の親和性が重視されますが、自社と相手企業のパーセプション(世間からの認知・印象)に大きな乖離がないかを事前に確認することも、炎上リスクを低減する観点から重要となります。
こうした企業のブランドイメージやパーセプションを正確に把握するには、平時におけるSNS上の論調などを分析・参照することが有効な取り組みです。
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まとめ
7月に発生した事例をもとに、ユーザーの注目を集めた2つの炎上事案を解説しました。
1つ目の事例では、公式SNSアカウントの運営における課題が浮き彫りとなりました。リアルタイムでユーザーの反応を把握でき、気軽にコミュニケーションを取れる点はSNS運用のメリットです。しかし、アカウント同士が直接やり取りできることで距離感を誤り、過度な親密さや運用担当者の個人的見解で接してしまうことが炎上リスクにつながるというデメリットも存在します。
企業の公式アカウントは、「あくまで企業として情報を発信している」という前提に立ち、一般ユーザー同士の距離感とは根本的に異なることを自覚しなければなりません。炎上リスクを低減するためには、公式アカウントとしての運用ルールを策定・遵守することに加え、運用担当部署に対して「どのような言動がリスクになり得るか」というナレッジを定期的に周知・啓発していくことが重要です。
2つ目の事例からは、自社のブランドイメージを守るため、コラボレーション先の選定段階からリスクを念頭に置く重要性が浮き彫りとなりました。企業間や著名人とのコラボレーションは検討から実施までに長い準備期間を要するため、万が一炎上した際の損失は計り知れません。
プラスの効果を狙った施策でブランドイメージを毀損させないためにも、検討段階において「自社やブランドのパーセプション(世間からの認識・印象)から逸脱していないか」という視点でチェックを実行することを推奨します。自社の現在のパーセプションを正しく把握し、そこから乖離した動きがないかを確認するには、平時からのSNSモニタリングが有効な取り組みとなります。
本レポートでは、実際の炎上事例をもとになぜ炎上が起きたのか、自身が当事者だった場合にどのような対応を取ったのかを想像しながら、ご自身の所属する企業のリスク対策にお役立ていただければと思います。






