
ネット炎上レポート 2026年8月版
2026年8月の炎上事例を調査・分析し、ネット炎上の傾向をまとめたレポートとしてご報告いたします。
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ネット炎上レポートとは
株式会社エルテスでは、公開されているSNSデータを独自に収集・分析を行い、2019年8月より月次でのネット炎上レポートを公開しております。企業の広報やリスク管理を行う方々に炎上トレンドをお伝えすることで、自社のレピュテーション保護を行っていただきたいという想いを持ち、作成しております。
また、これら炎上事例は、下記の“エルテスの定義するネット炎上”を満たす事例を抽出し、分析を行っております。
エルテスの定義するネット炎上
▼前提条件
以下の二つの条件を満たしている必要がある
1.批判や非難が発生している(ポジティブな共感の拡散等ではない)
2.対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較しても有意に多い状態。
▼定義
ネット炎上とは、オフライン・オンラインでの行動や発言に対して、ネット上で批判が殺到し、拡散している状態を指します。対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較して有意に多いことが条件となります。
▼炎上事例の収集方法
SNSやメディアの中で、批判が殺到しやすい媒体を複数選定し、常時ウォッチング。その中で、上記の条件を満たす事象を確認した場合、炎上事例と認定しています。
2026年8月のネット炎上トレンド
2026年8月に発生した炎上の対象は、「企業・団体」が89%(前月比8ポイント増)と最も多く、全体の9割近くを占めました。一方、前月に配信クリエイターによる地震発生後の不適切投稿などで増加していた「個人・著名人」は8%(5ポイント減)となり、前月までの平均の数値に戻っています。そのほか、「マスメディア」が3%(前月同数)という結果になりました。
また、どのような業態が炎上したのかを示す「企業・団体」の炎上区分の内訳では、AIで生成した画像のPR活用で炎上する事例が複数発生したことも影響して「サービス」が64%(26ポイント増)と大幅に増加しました。次いで「自治体・団体」が14%(4ポイント増)、「インフラ」が6%(6ポイント増)、「メーカー」が5%(27ポイント減)と続いています。(図1)

収集データを元にエルテスが作成
「企業・団体」を対象とする炎上内容における分析では「顧客クレーム・批判」が50%(18ポイント減)と全体の半数を占めました。「不適切発言・行為、失言」が31%(15ポイント増)と数値を大幅に伸ばしましたが、背景には、生成AIで作成したPOPを使用した店舗の炎上など、類似事例が複数見られたことが挙げられます。そのほか、「不祥事/事件ニュース」が13%(9ポイント増)、「情報漏えい/内部告発」が6%(2ポイント増)と続きました。(図2)

収集データを元にエルテスが作成
省庁が番組や映画作品とのコラボ企画を相次いで中止し批判殺到
8月には、映画や番組とのタイアップ企画を発表していた省庁に批判が殺到し、企画が取りやめとなった事例が複数みられました。
A)省庁とのコラボレーション企画を展開していた配信番組内で、出演者が過去の犯罪 行為を告白し、SNS上で炎上する事態となっていました。すでにタイアップ企画を展開していた省庁に対して、「公的機関がこのような番組とコラボレーションするのは不適切」といった声がSNS上で相次いで見られました。批判を受け、当該省庁はタイアップ企画の中止を発表しました。
B)映画作品とのタイアップ企画を発表した省庁のPR投稿に批判の声が殺到しました。作品は実際に闘病生活の末に亡くなった人物の日記をもとにした内容で、病院内にポスターが掲示されることで同じ病気と闘う患者の心配を煽るといった意見が多く寄せられました。当該省庁は、そうした指摘を受けてタイアップ企画を中止することを発表しました。
2つの事例はそれぞれ異なる省庁で発生した事例ですが、共通してタイアップする作品と組織が期待される役割に差異があることが、批判が広がった背景と言えます。「この組織はこんな役割が求められるのに作品の特色と合わない」といったパーセプションの逸脱が、ユーザーからの批判に繋がる要因となります。
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無断で著名人の名前を利用して新店舗開店の祝い花を掲示した飲食店に批判殺到
ある飲食店の新店舗開店についての投稿が話題となりました。投稿内には有名人やアスリートの名前が入った祝い花の写真が掲載されていましたが、実際には当該の人物からは送られておらず、店舗側が無断で用意していたことが分かり、批判が殺到しました。批判を受け、本部企業はフランチャイズ加盟企業が本部の承認を得ずに実施した施策である旨を添えて謝罪文を掲載しました。
フランチャイズを展開する企業には、フランチャイズ先の企業での取り組みを十分に把握できる体制を構築するとともに、万が一の炎上に備えて平時から火種となる投稿がないかをチェックしておくことが求められます。
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まとめ
A・Bの炎上は省庁の事例ではありますが、民間企業であっても注意すべきリスクは変わりません。SNSユーザーは少なからず企業に対して「○○であるべき」「○○であるはず」といった期待を持っています。この期待から逸脱することは企業やブランドへの不信感へつながり、批判の声が大きくなることが想定されます。
この炎上リスクを回避するためには、企業やブランドに対してどのような期待を持たれているのかを平時の論調から把握しておくことが重要です。これにより、有事の際にどんな点が批判されているのかを見極め、誤った企業対応による再炎上を防ぐことが可能となります。
ブランドイメージを毀損させないために、タイアップ企画の検討段階において「自社やブランドのパーセプション(世間からの認識・印象)から逸脱していないか」という視点でチェックを実行することを推奨します。自社の現在のパーセプションを正しく把握し、そこから乖離した動きがないかを確認するには、平時からのSNSモニタリングが有効な取り組みとなります。
また、3つ目の事例ではフランチャイズ加盟企業の動きであっても、消費者からは同じ企業の看板を背負って運営していると認識されることを把握しておくことが必要だと分かりました。本部は、フランチャイズ加盟企業を含めた関連組織に対してブランドの規約などの順守を徹底させるとともに、火種となる事象が発生していないかを常時チェックしておくことを推奨します。
本レポートでは、実際の炎上事例をもとになぜ炎上が起きたのか、自身が当事者だった場合にどのような対応を取ったのかを想像しながら、ご自身の所属する企業のリスク対策にお役立ていただければと思います。






