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ネット炎上レポート 2022年4月版

2022年4月の炎上事例を調査・分析し、ネット炎上の傾向をまとめたレポートとしてご報告いたします。


目次[非表示]

  1. 1.ネット炎上レポートとは
  2. 2.2022年4月のネット炎上トレンド
  3. 3.クリエイティブに関する炎上とその対応
  4. 4.役員の不適切発言が炎上
  5. 5.まとめ


ネット炎上レポートとは

株式会社エルテスでは、公開されているSNSデータを独自に収集・分析を行い、2019年8月より月次でのネット炎上レポートを公開しております。企業の広報やリスク管理を行う方々に炎上トレンドをお伝えすることで、自社のレピュテーション保護を行っていただきたいという想いを持ち、作成しております。

また、これら炎上事例は、下記の“エルテスの定義するネット炎上”を満たす事例を抽出し、分析を行っております。


エルテスの定義するネット炎上

▼前提条件
以下の二つの条件を満たしている必要がある
1.批判や非難が発生している(ポジティブな共感の拡散等ではない)
2.対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較しても有意に多い状態。

▼定義
ネット炎上とは、オフライン・オンラインでの行動や発言に対して、ネット上で批判が殺到し、拡散している状態を指します。対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較して有意に多いことが条件となります。

▼炎上事例の収集方法
SNSやメディアの中で、批判が殺到しやすい媒体を複数選定し、常時ウォッチング。その中で、上記の条件を満たす事象を確認した場合、炎上事例と認定しています。


2022年4月のネット炎上トレンド

2022年4月に最も多かった炎上対象は、前月より9ポイント増加した「企業・団体」が77%を占めました。次いで前月より10ポイント増加した「個人・著名人」が20%、「マスメディア」が10ポイント低下し3%となりました。

「企業・団体」の炎上区分の内訳は、前月よりも5ポイント増加した「サービス」が全体の33%を占め、次いで11ポイント低下した「メーカー」が20%を占めています。「自治体・団体」が前月より7ポイント増加し13%となり、「IT」は前月より5ポイント増加し5%、「インフラ」は3ポイント増加、「教育機関」は前月と変わらず3%という結果になりました。(図1)

図1:炎上対象区分_202204
収集データを元にエルテスが作成


「企業・団体」を対象とする炎上内容では、前月より10ポイント低下した「不適切発言・行為、失言」が全体の40%を占めています。次いで3ポイント増加した「顧客クレーム・批判」が30%となっています。8ポイント増加した「情報漏えい/内部告発」が13%、「不祥事/事件ニュース」は4ポイント低下し10%、「異物混入」が3ポイント増加し7%という結果となりました。(図2)


図2:企業・団体が対象となった炎上内容区分_202204
収集データを元にエルテスが作成



クリエイティブに関する炎上とその対応

4月の印象的な炎上として、広告クリエイティブに関する炎上が発生しています。
某新聞の広告枠に掲載された漫画のクリエイティブが不適切であるとして、ネット上で議論を呼びました。胸の大きな女子高校生の制服姿とともに「今週も、素敵な一週間になりますように。」というメッセージが掲載されているクリエイティブでした。

広告主である漫画は、憂鬱な月曜の不安を吹き飛ばし、元気になってもらいたいというコンセプトで連載されているものでした。今回の広告掲載も、漫画のコンセプトに沿った「憂鬱な月曜日の不安を吹き飛ばす」メッセージでした。これに対して、女性を性的に消費することで元気を出すことを推奨しており、女性蔑視だといった意見やそのような作品を広告に掲載する新聞社に対する掲載基準の疑問を呈する投稿が見られました。一方で、問題視する必要がないという意見や擁護する意見もネット上で見られました。

結果的に、漫画の出版社側、掲載媒体である新聞社側は批判を受けて取り下げや声明のリリースは行っておらず、静観の対応を取っています。


役員の不適切発言が炎上

某大学の社会人向け講座で講師を務めたファストフードチェーン企業の役員が、若い女性をターゲットとした自社のマーケティング施策について「生娘シャブ漬け戦略」と発言したことに対して、表現が不適切であるとして批判が殺到しました。批判を受け、所属企業と講義主催の大学からの謝罪文が掲載され、ファストフードチェーン企業は、役員を解任したとのリリースを出しました。

また、企業側の謝罪文については、ファイルの作成者が当該の役員の名前だったことを指摘するユーザーの出現やグループ企業が過去に実施した広告のクリエイティブの炎上を掘り返され、企業体質に問題があるのではないかと批判する意見も見られるなど、謝罪後も長期的な炎上となりました。

この問題では、企業経営者のコンプライアンス欠如とインシデント発生時の対応方法に関する課題が浮き彫りになったといえます。


まとめ

4月に紹介した2つの事例のキーワードは、「コンプライアンス」と「インシデント発生時の対応」です。

役員の不適切発言に対しては、「コンプライアンスが欠如している」という批判が多く、改めて企業に属する役員や従業員に求められるコンプライアンス水準はどのようなものなのかの見直しが企業に求められていることが見て取れます。また、クリエイティブに関する炎上についても、媒体側のコンプライアンスを問う批判もありました。媒体側として、本クリエイティブはコンプライアンスの逸脱ではないと判断し、静観という姿勢を取っていることが想像されます。改めて、自社の立場を理解し、どのような水準、観点のコンプライアンスが求められているのかを考えることの重要性が読み取れます。


また、インシデント発生時の対応についても、論調を把握しながら、何に対して批判が生じているのか、その批判に対して企業は、どのような対応を取るべきかという意思決定が求められるということです。静観という対応も、批判の総数、批判の比率、批判内容などを鑑みて、静観という対応を決断したと推測されます。要素を分解しながら、正しく状況を把握し、闇雲な対応とならないような備えとトレーニングが広報に求められていることが読み取れました。

本レポートでは、実際の炎上事例をもとになぜ炎上が起きたのか、自身が当事者だった場合にどのような対応を取ったのかを想像しながら、ご自身の所属する企業のリスク対策にお役立ていただければと思います。



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