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2023年の炎上トレンドと2024年の炎上予測|ネット炎上レポート総集編

今回は、2023年の炎上事例を振り返りながら、企業の広報担当者が炎上を回避するために、今後気をつけるべきトピックスを紹介していきます。

目次[非表示]

  1. 1.2023年の振り返り
  2. 2.2023年の炎上トレンド
    1. 2.1.従業員の内部告発から炎上に発展する事例
    2. 2.2.内部関係者が情報を持ち出す事例
  3. 3.2024年の炎上はどうなるのか




2023年の振り返り

2023年も残りわずかとなりました。2023年は、2020年から国内外に大きな影響を与えていた新型コロナウイルスの終息宣言をWHOが発表し、国内においても「5類感染症」に引き下げられたことで、数年ぶりに開催したイベントも散見されました。

“炎上“や”SNS“という観点で2023年を振り返ってみると、X(旧Twitter)という名称をはじめとした多くの仕様変更が実施されたり、10月にはステルスマーケティングの法規制が強化されたりと、デジタル空間における企業のプロモーション等の情報発信の在り方が変化した1年となりました。

2023年の炎上トレンド解説の前に、“炎上“の定義についても触れさせてください。エルテスでは、2019年8月より下記を満たすものを炎上と定義し、日々の事例分析等を行っています。

エルテスの定義するネット炎上

▼前提条件
以下の二つの条件を満たしている必要がある
1.批判や非難が発生している(ポジティブな共感の拡散等ではない)
2.対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較しても有意に多い状態。

▼定義
ネット炎上とは、オフライン・オンラインでの行動や発言に対して、ネット上で批判が殺到し、拡散している状態を指します。対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較して有意に多いことが条件となります。

▼炎上事例の収集方法
SNSやメディアの中で、批判が殺到しやすい媒体を複数選定し、常時ウォッチング。その中で、上記の条件を満たす事象を確認した場合、炎上事例と認定しています。


2023年の炎上トレンド

数多の炎上事例の分析を行う中でトレンドとして、2つの要素が見えてきました。

従業員の内部告発から炎上に発展する事例

SNSは誰もが容易に情報発信者となることを可能にし、拡散力のないアカウントからの投稿であってもインフルエンサーなどの拡散力の高いアカウントが引用すること等により、事象次第で社会問題にまで発展するケースも見られています。

2023年には、飲食店の衛生環境について関係者からの内部告発が発端となり、炎上した事例が発生しました。2022年6月に改正公益通報者保護法が施行され、組織内部での通報の制度を整えたという企業が多いと思いますが、SNS上への告発は数年前から変わらず散見されています。背景として、炎上事象を中心に扱う「炎上系インフルエンサー」「暴露系インフルエンサー」という存在の認知拡大があると考えられます。告発内容をインフルエンサーに拡散してもらうことで、拡散スピードが加速し、ネットニュースにまで取り上げられるという一連の流れが一般的に認知されるようになったことが原因と考えられます。

そのほかにも、某ペットショップの労働環境や管理体制についての告発が複数事例あり大きな話題となりました。多くの批判が殺到した企業と同業界の企業の従業員が、「自社でも同じことが起きている」といった告発を行うケースが散見されています。企業は、同業界でどのようなことが話題となっているかを、把握しておくことが必要であると分かりました。


内部関係者が情報を持ち出す事例

コロナ禍を経て、企業活動のデジタル化が加速したという企業は少なくないでしょう。顧客情報などの機密情報を守ることは企業にとって急務となりましたが、セキュリティをかいくぐり、内部関係者が機密情報を外部に漏えいさせた事例が複数見られました。

情報の漏えいが発生した場合、その事象に関する損害賠償というダメージだけでなく、企業の管理体制に関する指摘等、企業イメージの棄損にも繋がります。

社会問題化した事例では、グループ会社で発生した情報持ち出しだったが、報道では親会社の名前も取り上げられたことで、グループ会社全体への批判やレピュテーションの棄損に繋がっていました。親会社は自社のガバナンス強化だけでなく、グループ全体での対策が必要だと分かる事例でした。

事例の中には、金銭目的で情報を持ち出したとの報道もみられており、対岸の火事とは言えなくなっていることが現状です。企業のレピュテーションを守る意味でも、セキュリティ対策の重要性を認識した事例と言えます。


2024年の炎上はどうなるのか

2024年の炎上を3つのポイントから解説します。


これからのSNS炎上を考える上で、重要なキーワードの一つが「生成AI」ではないでしょうか。2023年にもChatGPTや画像生成AI等を企業活動に利活用することが話題に上がった一方で、生成AIがきっかけで炎上してしまう事例もいくつか見られています。生成AIに関する論調やトレンドは日々変化しており、G7を中心に議論も進んでいますが、教師データに関する著作権の問題などルールが整っていないのが現状です。実際に自社が活用する場合には、その時のトレンドや論調などを汲み取った上で企画をしていくことが求められます。


2つ目は物流・運送業界が直面する「2024年問題」による炎上リスクです。物流・運送業界における働き方改革法案施行により、ドライバーの労働時間の上限が課されることで生じる問題を2024年問題とされています。2023年のトレンドで解説した通り、労務環境が改善しないことに対する従業員の不満増大やSNSでの内部告発の表出、顧客による対応不満のSNS投稿などが見られる可能性があり、複数の炎上リスクがあると考えられます。影響は物流・運送業界に留まらず、物流サービスと密接に関連するEC事業を展開する企業なども注視しておくべきリスクと言えます。


3つ目には、国際的イベントでもある2025年の「大阪万博」に関連した炎上リスクです。国際的なイベントは、国内外からの関心度も高く、2021年開催の東京オリンピックでは、関係者の炎上など数多の炎上が発生しました。それらの炎上によって、当事者の辞任や、CM放映中止などのイベント運営、企業活動に多大な影響を与えました。大阪万博においても、関心度が高いという点では同様に注意が必要であると言えるでしょう。

万博で考えられる大きなポイントとしては、建設現場での労務問題、PR等の起用タレントや著名人の炎上リスクが挙げられます。起用するタレントの炎上は、タレントだけでなく起用した企業にも批判の声が及ぶことも多くあり、無視できないリスクとなっています。当該の人物は直近の言動だけでなく、数年前の事象まで掘り返されるケースが多くあり、起用を検討する段階から過去に遡って炎上リスクをチェックすることが求められます。


エルテスでは、炎上への理解を深めていただくことを目的として、毎月の炎上傾向のレポート発信やウェビナーでの解説セミナーを行っておりますので、チェック頂き、業務にお役立ちできればと考えております。これらの情報をメールマガジンにて発信しておりますので、ぜひご登録ください。




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著者・監修|株式会社エルテス編集部
著者・監修|株式会社エルテス編集部
株式会社エルテスは、これまで多種多様な企業のデジタルリスク対策に尽力してきたノウハウを生かし、企業のリスク課題・デジタル課題に役立つコンテンツを提供しています。 編集部ではネット炎上やSNS運用トラブル、ネット上の風評被害・誹謗中傷、情報セキュリティ対策など様々なビジネスのリスク課題に関するコラムを発信しています。
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