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2024年の炎上トレンドと2025年の炎上予測|ネット炎上レポート総集編

今回は、2024年の炎上事例を振り返りながら、企業の広報担当者が炎上を回避するために、今後気をつけるべきトピックスを紹介していきます。


目次[非表示]

  1. 1.2024年の振り返り
  2. 2.2024年の炎上トレンド
    1. 2.1.生成AIの活用が炎上に発展するケースが散見される
    2. 2.2.起用タレントの炎上が企業に波及する事象が発生
  3. 3.2025年の炎上はどうなるのか


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2024年の振り返り

2024年も残りわずかとなりました。2024年には、年始に発生した能登半島地震等の災害、パリオリンピックをはじめとする国際行事等、国内外で様々な出来事が発生しました。

“炎上“や”SNS“という視点で2024年を振り返ってみると、「BeReal」など新しいメディアの台頭や「X」のビジネスモデルの変更により現れた「インプレゾンビ」の存在など、活用方法の変化とメディアの多様化が生じました。また、ステルスマーケティングの規制による措置命令が初めて出されるなど、企業にとっては様々なルール・論調の変化に順応に苦慮した1年だったのではないでしょうか。

2024年の炎上トレンド解説の前に、“炎上“の定義についても触れさせてください。エルテスでは、2019年8月より下記を満たすものを炎上と定義し、日々の事例分析等を行っています。


エルテスの定義するネット炎上

▼前提条件
以下の二つの条件を満たしている必要がある
1.批判や非難が発生している(ポジティブな共感の拡散等ではない)
2.対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較しても有意に多い状態。

▼定義
ネット炎上とは、オフライン・オンラインでの行動や発言に対して、ネット上で批判が殺到し、拡散している状態を指します。対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較して有意に多いことが条件となります。

▼炎上事例の収集方法
SNSやメディアの中で、批判が殺到しやすい媒体を複数選定し、常時ウォッチング。その中で、上記の条件を満たす事象を確認した場合、炎上事例と認定しています。


2024年の炎上トレンド

“炎上“という一括りの表現であっても、要因や影響は多様です。日々発生する数多の炎上事例の分析を行う中でトレンドとして、2つの要素が見えてきました。


生成AIの活用が炎上に発展するケースが散見される

生成AIの活用は今や一般的となっており、ビジネスの現場でも活用されている組織も多いのではないでしょうか。特にPRのクリエイティブにも画像生成AIを活用する企画が見られますが、多くのケースで賛否両論となっています。

議論となる背景としては教師データの取得や権利など法的なルールが整備されていないこと、企業がそのようなリスクを軽視して生成AIを活用するという危機管理体制への指摘がみられることが挙げられます。今後も企業が発信するクリエイティブに画像や音声、動画の生成AIを活用する場合には、現状の論調やトレンドを踏まえて施策を検討することを推奨します。

PRのクリエイティブ以外にも、ユーザー参加型で行われるイラストコンテストやキャンペーンにおいて、生成AIで出力したとみられる作品が受賞したことが炎上に繋がっているケースも見られます。こちらは、審査する企業への批判となっており、審査イベントなどを含めた、幅広い観点で企業の生成AIに対する指針を検討しておく必要があるといえるでしょう。


起用タレントの炎上が企業に波及する事象が発生

SNSでの個人の発信力の高まりを受けて、従来の事務所に所属するタレントとのタイアップだけでなく、インフルエンサーとのコラボレーション企画などタレント起用は広がりを見せています。

タレントやインフルエンサーはSNS上において発信力やユーザーへの影響力があり、企業のPRにとってメリットである一方、炎上に繋がる発信があった場合には瞬く間にネガティブな論調に変化します。同時に、起用していた企業に対しても炎上リスクのあるタレントを起用したことへの批判に繋がるケースも少なくありません。

問題視された言動が企業とのタイアップ企画とは直接関係がない場合においても、企業への批判は避けられないことが想定されます。そのため、企業側ができる備えは、起用前にタレントに炎上リスクがないかをチェックする、ブランドや製品のターゲット層や社会的に持たれているイメージ・期待を把握し、そこから大きく逸脱するキャスティングは避けることが挙げられます。

批判に繋がりうる言動は、将来の発生リスクだけでなく、数年前のSNS投稿などが掘り起こされるケースもあるため、企業はタレントの過去の言動もチェックする必要があるといえるでしょう。


2025年の炎上はどうなるのか

この傾向や、社会トレンドから2025年に起こり得る炎上について、3つの可能性が考えられます


1つ目は、昨年の予測でも挙げていた2025年開催の大阪万博に関連した炎上のリスクです。特に、2021年に開催された東京オリンピックでも話題となった「キャンセルカルチャー」が改めて注目される可能性があります。起用タレントの炎上リスクとも関連しますが、企業のパーセプションやブランドイメージ、企画内容と大きく乖離する起用はリスクとなり得るため、起用前に炎上リスクのチェックを過去投稿も含めて実施することを推奨します。


2つ目は新たに施行が予定されている、法的な規制の強化によるリスクトレンドの変化です。2024年も「こども性暴力防止法(日本版DBS)」の成立を代表に様々な法整備が注目を集めましたが、2025年4月には東京都でカスハラ防止の条例が成立する見込みであることから、カスタマーハラスメントへの対応方針を検討する企業の増加が想定されます。法的な規制の強化によって、各社がどのように対策するのかユーザーからの注目度が高まります。他社の動向も含めて論調を把握し、自社の対応を検討することはもちろん、現場まで運用を浸透させる施策を検討しましょう。


3つ目は、「デマ投稿」など偽情報・誤情報に関する炎上のリスクです。こちらは、生成AIのリスクにも関連しており、ディープフェイク技術を活用した情報の拡散や、その際の対応には注意が必要となります。アメリカ大統領選挙でも話題になったように、世界的にも注意すべきリスクの一つであることは明確です。外務省や総務省がこれらのリスク対策の概算予算を求めていることが話題にもなりました。

ユーザー間でも正しい情報を見極めるリテラシーが必要といった論調もありますが、巧妙化するデマに対して企業として自社に関連するものが表出したときに、誤った情報が拡散してしまう前の早期検知と適切な対応の検討が重要です。

デマ投稿による炎上リスクとしては、例えば金融業界ではデマ投稿を発端にした取り付け騒ぎがすでに国内外で発生しています。自社発信ではない、いつ発生するか分からないこの炎上リスクに対して、企業として事前にリスクマネジメントを検討することが、万が一の状況においてブランドイメージの棄損リスクを最小化する一助となります。  


エルテスでは、炎上への理解を深めていただくことを目的として、毎月の炎上傾向のレポート発信やウェビナーでの解説セミナーを行っておりますので、チェック頂き、業務にお役立ちできればと考えております。これらの情報をメールマガジンにて発信しておりますので、ぜひご登録ください。


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著者・監修|株式会社エルテス編集部
著者・監修|株式会社エルテス編集部
株式会社エルテスは、これまで多種多様な企業のデジタルリスク対策に尽力してきたノウハウを生かし、企業のリスク課題・デジタル課題に役立つコンテンツを提供しています。 編集部ではネット炎上やSNS運用トラブル、ネット上の風評被害・誹謗中傷、情報セキュリティ対策など様々なビジネスのリスク課題に関するコラムを発信しています。
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