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ネット炎上レポート 2024年3月版

2024年3月の炎上事例を調査・分析し、ネット炎上の傾向をまとめたレポートとしてご報告いたします。


目次[非表示]

  1. 1.ネット炎上レポートとは
  2. 2.2024年3月のネット炎上トレンド
  3. 3.車椅子ユーザーに対する店舗対応に賛否両論
  4. 4.過去に問題発言をしていた著名人を起用したPRに対して批判殺到
  5. 5.まとめ




ネット炎上レポートとは

株式会社エルテスでは、公開されているSNSデータを独自に収集・分析を行い、2019年8月より月次でのネット炎上レポートを公開しております。企業の広報やリスク管理を行う方々に炎上トレンドをお伝えすることで、自社のレピュテーション保護を行っていただきたいという想いを持ち、作成しております。

また、これら炎上事例は、下記の“エルテスの定義するネット炎上”を満たす事例を抽出し、分析を行っております。


エルテスの定義するネット炎上

▼前提条件
以下の二つの条件を満たしている必要がある
1.批判や非難が発生している(ポジティブな共感の拡散等ではない)
2.対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較しても有意に多い状態

▼定義
ネット炎上とは、オフライン・オンラインでの行動や発言に対して、ネット上で批判が殺到し、拡散している状態を指します。対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較して有意に多いことが条件となります。

▼炎上事例の収集方法
SNSやメディアの中で、批判が殺到しやすい媒体を複数選定し、常時ウォッチング。その中で、上記の条件を満たす事象を確認した場合、炎上事例と認定しています。


2024年3月のネット炎上トレンド

2024年3月に発生した炎上で最も多かった炎上対象は、「企業・団体」が79%(前月比18ポイント減)と前月よりポイントの減少が顕著となりましたが、前月に大きくポイントが増加していたものが平均的な数値に戻っています。次いで、「マスメディア」は14%(14ポイント増)、「個人・著名人」が5%(2ポイント増)となりました。

また、どのような業態が炎上したのかを示す「企業・団体」の炎上区分の内訳は「サービス」が全体の36%(16ポイント減)を占めました。「メーカー」が19%(4ポイント増)、「インフラ」が10%(4ポイント増)、「自治体・団体」が7%(5ポイント減)となりました。さらに「IT」が5%(1ポイント減)、「教育機関」2%(4ポイント減)という結果になりました。(図1)


図1:炎上対象区分_2024年3月

収集データを元にエルテスが作成


「企業・団体」を対象とする炎上内容における分析では、「顧客クレーム・批判」が44%(6ポイント減)と全体の半数近くを占めています。次いで「不適切発言・行為、失言」が34%(3ポイント増)、「不祥事/事件ニュース」は13%(前月と同数)、「情報漏えい/内部告発」が9%(3ポイント増)となりました。(図2)


図2:企業・団体が対象となった炎上内容区分_2024年3月

収集データを元にエルテスが作成


車椅子ユーザーに対する店舗対応に賛否両論

映画館での車椅子ユーザーの介助に関する投稿が話題となりました。投稿では、リクライニングシートを利用するための介助を施設側に要望したが、次回以降の利用を避けるよう従業員から言われたという内容でした。

SNS上では、従業員側の発言が不適切だという声も見られましたが、安全面や従業員の負担を考えると施設側の対応は適切と擁護する声も多く見られました。施設側は不適切な言動があったとして謝罪文を公式SNSアカウントでリリースしました。

施設でのトラブル事象は店舗側から本部に伝わることよりも、SNS上で話題となる方が早く、本部の把握が遅れるというケースも考えられます。有事の適切な対応にはスピード感や批判されている点などの論調の把握が重要となり、上記のケースでは、いち早く話題となっていることをキャッチアップすることが求められます。


過去に問題発言をしていた著名人を起用したPRに対して批判殺到

とあるメーカーが公開したPR動画に出演した著名人が過去に問題発言をしていたとして批判が殺到しました。また、批判殺到後にその事象に対して著名人が批判的な意見を投稿したことで、再度批判の声が見られる事態となりました。

SNS上では、メーカーが該当の著名人を起用したことに対して、管理体制を指摘する声やメーカーの商品不買を訴えるハッシュタグが作成され、不買運動を行うユーザーも現れました。
企業側は批判を受けて動画を取り下げる判断をしたと発表しています。

広告へのタレント起用時には現在の言動だけでなく、過去の言動も含めたタレントの属性、SNS上の評判も含めた判断が必要と言える事象でした。


まとめ

3月にはSNS上の論調が企業対応を分けた事例が複数見られました。

1つ目の事例では、SNS上で話題となっている自社に対する事象を迅速に把握することが大切であると分かりました。早く見つけるだけでなく、自社がどのような点で批判を受けているのか、といった問題点を見極めたうえで対応を判断することが重要であると言えます。

2つ目の事例では、PRにタレントを起用する際のリスクを軽視できないことが分かる事象となりました。問題視される言動が過去のものであっても、SNS上では企業の危機管理体制に対する指摘が寄せられるため、過去の言動を含めてチェックし、起用しても問題ないかを検討することを推奨いたします。

本レポートでは、実際の炎上事例をもとになぜ炎上が起きたのか、自身が当事者だった場合にどのような対応を取ったのかを想像しながら、ご自身の所属する企業のリスク対策にお役立ていただければと思います。



SNS・ネット上のリスクを監視するサービス「Webリスクモニタリング」でできること

株式会社エルテス マーケティンググループ
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