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ネット炎上レポート 2024年2月版

2024年2月の炎上事例を調査・分析し、ネット炎上の傾向をまとめたレポートとしてご報告いたします。

目次[非表示]

  1. 1.ネット炎上レポートとは
  2. 2.2024年2月のネット炎上トレンド
  3. 3.従業員の不適切行為がSNSから特定され、炎上
  4. 4.過去に不適切な対応をされたことを作家が告発し、企業へ批判殺到
  5. 5.まとめ


ネット炎上レポートとは

株式会社エルテスでは、公開されているSNSデータを独自に収集・分析を行い、2019年8月より月次でのネット炎上レポートを公開しております。企業の広報やリスク管理を行う方々に炎上トレンドをお伝えすることで、自社のレピュテーション保護を行っていただきたいという想いを持ち、作成しております。

また、これら炎上事例は、下記の“エルテスの定義するネット炎上”を満たす事例を抽出し、分析を行っております。


エルテスの定義するネット炎上

▼前提条件
以下の二つの条件を満たしている必要がある
1.批判や非難が発生している(ポジティブな共感の拡散等ではない)
2.対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較しても有意に多い状態

▼定義
ネット炎上とは、オフライン・オンラインでの行動や発言に対して、ネット上で批判が殺到し、拡散している状態を指します。対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較して有意に多いことが条件となります。

▼炎上事例の収集方法
SNSやメディアの中で、批判が殺到しやすい媒体を複数選定し、常時ウォッチング。その中で、上記の条件を満たす事象を確認した場合、炎上事例と認定しています。


2024年2月のネット炎上トレンド

2024年2月に発生した炎上で最も多かった炎上対象は、「企業・団体」が97%(前月比23ポイント増)と全体の9割以上を占めました。前月に番組の内容や対応へのクレームがSNS上で多く見られた「マスメディア」のポイントが大幅に減少したことが大きな影響を与えています。次いで「個人・著名人」が3%(4ポイント減)となりました。

また、どのような業態が炎上したのかを示す「企業・団体」の炎上区分の内訳は「サービス」が全体の52%(4ポイント増)となりました。「メーカー」が15%(5ポイント増)、「自治体・団体」が12%(2ポイント増)と続きました。「教育機関」(6ポイント増)、「IT」(6ポイント増)、「インフラ」(前月と同数)がそれぞれ6%という結果になりました。(図1)


2024年2月のネット炎上対象区分の円グラフ

収集データを元にエルテスが作成


「企業・団体」を対象とする炎上内容における分析では、「顧客クレーム・批判」が50%(2ポイント減)と全体の半数を占めています。次いで複数のバイトテロ事象が発生した影響で「不適切発言・行為、失言」が31%(12ポイント増)と大幅にポイントが増加しました。「不祥事/事件ニュース」は13%(3ポイント増)、「情報漏えい/内部告発」が6%(8ポイント減)と続く結果になりました。(図2)


2024年2月の企業・団体が対象となった炎上内容区分の円グラフ

収集データを元にエルテスが作成


従業員の不適切行為がSNSから特定され、炎上

とあるSNSアカウントから発信された、不適切行為を行うアカウントを問題視する投稿が話題となりました。職場での行動と思われる不適切行為は、過去から連続して投稿されており、SNS上では通報や企業への問合せを促す声が多く見られる事態となりました。

その後、ユーザーによる投稿者の身元特定作業が進められ、過去の投稿内容や画像から居住地域や職場が判明し、企業に対して問合せをするユーザーも現れました。企業は火種となった投稿から24時間以内に声明をリリースしており、迅速な企業対応に評価する意見が散見されました。

従業員の不適切行為は想定できない炎上ですが、迅速かつ適切な企業対応が求められるため、事前に緊急時の対応フローを策定しておくことを推奨いたします。


過去に不適切な対応をされたことを作家が告発し、企業へ批判殺到

数年前に出版社とトラブルがあったことを告発した作家の投稿が話題となりました。投稿内容は、企画の際に作家への事前確認がなかったことや、作家に収入が発生していない企画にも関わらずイラストの修正が次々と依頼されたといったもので、当時、告発の投稿をした際には、企業側から削除を求められたことも明かされました。

2024年に入り、作家やクリエイターと企業のトラブルや契約不履行についてSNSで告発する事象が多く発生しており、社会問題化する事象も見られています。SNS上では作家をないがしろにしているとして、企業に対する批判が相次いでいます。

過去の事象であっても、SNSのトレンドトピックとなり掘り返されることで話題となるケースもあります。企業はリスクトレンドを把握しながらSNS上で自社に対する批判が話題となっていた場合に早期検知、対応を検討することが求められます。


まとめ

2月には、企業側でコントロール不可能な、関係者によるSNSでの炎上事象が複数見られました。

予期せぬタイミングで批判が殺到する場面においても、ユーザーは企業の迅速な対応を求めています。対応に不満がある場合には、再度批判の声が見られるため、緊急時に適切な対応ができるよう、企業には事前にエスカレーションフローを策定しておくことを推奨いたします。

また、トレンドトピックとなることで過去の事象が話題になることも想定されます。今、SNSでどのような事象が話題となっているのかトレンドを把握しておくこと、他社での対応・論調から学びとなることを認識しておくことで、自社に置き換えてシミュレーションすることもできます。

本レポートでは、実際の炎上事例をもとになぜ炎上が起きたのか、自身が当事者だった場合にどのような対応を取ったのかを想像しながら、ご自身の所属する企業のリスク対策にお役立ていただければと思います。



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著者・監修|株式会社エルテス編集部
著者・監修|株式会社エルテス編集部
株式会社エルテスは、これまで多種多様な企業のデジタルリスク対策に尽力してきたノウハウを生かし、企業のリスク課題・デジタル課題に役立つコンテンツを提供しています。 編集部ではネット炎上やSNS運用トラブル、ネット上の風評被害・誹謗中傷、情報セキュリティ対策など様々なビジネスのリスク課題に関するコラムを発信しています。
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