
ステマ事例を具体的に解説!知っておきたい違反に該当する行為や対策方法とは?
ステマ(ステルスマーケティング)とは、広告や宣伝であることを消費者に隠して行う広告・宣伝のことです。今回はステマの具体的な事例をはじめ、知っておきたい違反に該当する行為、対策方法について解説します。
目次[非表示]
- 1.ステマ(ステルスマーケティング)とは?
- 2.ステマの具体的事例
- 2.1.化粧品・美容関連のステマ事例
- 2.2.グルメ関連のステマ事例
- 2.3.映画関連のステマ事例
- 2.4.ECサイトのステマ事例
- 2.5.アフィリエイトのステマ事例
- 3.ステマ規制の違反を防ぐ対策法は?
- 3.1.1.広告であることを明示する
- 3.2.2.事実と異なる内容は発信しない
- 3.3.3.投稿内容を事前にチェックする
- 4.デジタルリスクに備えるならエルテス
- 5.まとめ
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ステマ(ステルスマーケティング)とは?
ステルスという言葉には「ひそかに行う」などの意味があります。ステルスマーケティングとは「隠れてマーケティング(宣伝活動)する」ことを指し、「ステマ」と略して呼ばれることが多いです。
通常の場合、インフルエンサーや芸能人などに広告主企業が対価を支払い、商品に関する投稿を依頼します。依頼を受けた人は、SNSに商品についてのポジティブな感想や、紹介画像・動画などを投稿します。
ステマでは、この際に「広告」や「PR」とは明記せず、広告であることを隠し、実際に使用した感想のように投稿することが問題とされています。消費者は広告とわかっていれば多少誇張された表現であることを認識します。しかし、ステマの場合、影響力を持つ人の言葉を広告であることを知らず信頼してしまい、合理的な商品選択を阻害させてしまいます。
2023年10月1日には、消費者庁によりステマが景品表示法の不当表示にあたるとされ、景品表示法違反となりました。今後は、ステマを依頼した企業の公表や、罰則の適用などが予定されているといいます。規制対象は、SNSなどのインターネット媒体、雑誌、新聞、テレビなど幅広く含まれます。
関連コラム:ステルスマーケティング(ステマ)の問題点とは?企業のリスクを解説
ステマの具体的事例
報酬が発生する広告の場合は、原則として「広告」や「PR」など宣伝であることを明示しなければ違法となります。ただし、個人のインフルエンサーが自主的に商品を紹介する場合や、広告主などから依頼を受けず報酬も受け取っていなければ、宣伝である旨を記載する必要はありません。
ここでは、実際に発覚したステマの具体的な事例について紹介します。
化粧品・美容関連のステマ事例
某化粧品会社で広報を担当していた社員が、素性を隠したままSNSで美容系インフルエンサーとして活動し、自社やグループ会社の商品を高評価する投稿を繰り返していたケースです。
このインフルエンサーは化粧品やファッションアイテムをメインに紹介していました。しかし、ある時期から特定の化粧品会社の商品を頻繁に紹介していることに対し、ユーザーから疑問の声が挙がり、そのインフルエンサーが実は化粧品会社の広報担当の社員だと判明しました。
その後、化粧品会社は自社の従業員による投稿であったことを認め、公式SNSアカウントにて「入社した際の社内教育が十分でなく、社内ルールを徹底させられていなかった」と謝罪しました。
グルメ関連のステマ事例
グルメレビューサイトで「やらせレビュー」が投稿されていると話題になったケースです。
このケースは、レビューサイトの運営会社に「グルメサイトのレビュー代行を不正な業者に営業された」と飲食店から通報が寄せられていたことから発覚しました。
その後、レビューサイトの運営会社は、不正行為の防止策として「レビューが多い順→評価が高い順」にランキングの表示基準を変更し、携帯電話のSMS認証を導入するなどの対策を実施しました。
映画関連のステマ事例
世界的にヒットしたアニメーション映画の続編に関するケースです。
このケースは、映画の公開後に7名の漫画家・イラストレーターが映画を高く評価する漫画・イラストを一斉にSNSへ投稿しました。しかし、投稿には「広告」や「PR」などの表記がなく、ほぼ全員が同じ時間帯に投稿され、使用するハッシュタグも同じだったため、「ステマではないか」との疑念が強くなり、炎上しました。翌日には投稿者が謝罪コメントを発表し、「投稿した漫画は映画制作会社に依頼された広告だった」と明かしました。
ただ、7名の謝罪文がどれも似通った内容であったことや、近い時間帯で投稿されたことなどから「この謝罪文も制作会社から指示されて投稿したのでは」との疑念が高まりました。その結果、さらに批判が集まり、再び炎上してしまいました。
その後も炎上は収束せず、映画制作会社が「本来はPR表記を付ける予定だったが、コミュニケーションの行き違いによって抜け落ちてしまった」と公式サイトで謝罪しました。
ECサイトのステマ事例
ECサイトの出店者が、商品購入者に依頼してレビューを書かせたケースです。
このようなケースでは、たとえ購入者の実体験に基づいたレビューであっても、事業者が依頼して書かせた時点で「事業者の表示」と見なされます。そのため、「PR」などを記載しなければステマになり得ます。
一方で、「レビューを書けば5%OFFクーポンをプレゼント」などのキャンペーンでは、購入者が自主的にレビューを投稿し、事業者との直接のやりとりがないため、ステマ規制には該当しません。ポイントは、事業者・購入者間に「直接のやりとり」があるかどうかと言われています。
アフィリエイトのステマ事例
アフィリエイトに関するステマも存在します。広告することで報酬が発生する場合、「広告」「PR」などの表記が無ければ違法です。
先ほどECサイトのレビューで触れましたが、アフィリエイターは事業者に該当するため、事業者の表示が必要です。つまり、商品を使用した感想などをブログに書き、アフィリエイト収入を得ている場合は「広告」「PR」などを記載する必要がありますので注意してください。
ステマ規制の対象となるのは事業者のみであり、インフルエンサーなどが依頼されて投稿した場合の罰則はありません。ただし、イメージ低下や社会的制裁を受けるなどのリスクがありますので覚えておきましょう。
ステマ規制の違反を防ぐ対策法は?
ステマ行為は違法ですが、インフルエンサー等を活用したマーケティング手法は情報拡散による認度の向上が期待できる優れたマーケティング方法の一つではあります。ここではステマ規制への違反を防ぐ効果的な対策法について紹介します。
1.広告であることを明示する
ステマだと誤解されないためには、広告であることを必ず明記しましょう。「これはPRです」「広告です」と明らかにしましょう。
2.事実と異なる内容は発信しない
口コミサイトやSNSで投稿されたユーザーの声をWebサイト等で利用する場合、内容を改変する・良い部分だけ表示するなど、事実と異なる内容を発信しないようにしましょう。ステマに該当する可能性があるうえ、判明した場合に炎上する恐れもあります。
3.投稿内容を事前にチェックする
インフルエンサーに依頼する場合、投稿内容を事前にチェックすることも重要です。ステマだけではなく、炎上リスクが懸念される部分も修正することで、問題の発生も未然に防ぐことができます。
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デジタルリスクに備えるならエルテス
エルテスは、企業が発信する情報を24時間365日監視し、リスクを未然に防ぐ「Webリスクモニタリングサービス」を提供しています。ステマ規制を含む法令違反や、不適切な表現を検知し、即時対応が可能です。
さらに、公開済みコンテンツのリスクチェックや、SNS・Webサイト掲載前の「コンテンツリスクチェックサービス」も提供しています。
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まとめ
ステマは消費者を騙す行為です。ステマ行為が明らかとなった場合はネットで炎上する可能性も高く、各方面から信頼を失うような事態に陥ってしまうこともあります。インフルエンサーとタイアップしたマーケティングを行う場合などは、事前に十分な話し合いを行い、問題を起こさないよう慎重に取り組むことが重要です。