
Telegram(テレグラム)の危険性とは?特徴や企業・従業員が安全に使用する方法を紹介
Telegram(テレグラム)は世界中で広く使われているメッセージングアプリです。高度な機密性や匿名性を備えている一方、その特徴が犯罪に悪用されるケースもあります。
日本では、闇バイトや詐欺の手口に使われたことで「危険なアプリ」と認識されることもありますが、適切に利用すれば、情報収集やビジネスにも役立つツールです。
この記事では、Telegramの特徴やリスク、企業が安全に利用するための方法などを解説します。
目次[非表示]
- 1.Telegram(テレグラム)の特徴
- 1.1.①メッセージングアプリとして世界中で広く利用されている
- 1.2.②機密性や匿名性の高度なコントロールが可能
- 1.3.③内容が記録されないシークレットチャットがある
- 1.4.④NFTや仮想通貨に関する情報を集めるうえで役に立つ
- 1.5.⑤機密性や匿名性をコントロールできるからこその危険が多い
- 2.Telegramが危険と言われる原因
- 3.Telegram(テレグラム)で起こり得る危険性
- 3.1.アプリの脆弱性をついた攻撃
- 3.2.デバイスへの物理的なアクセスに起因する情報の漏洩
- 3.3.フィッシング詐欺による乗っ取りや個人情報の盗難
- 3.4.マルウェアの感染
- 3.5.闇バイトなど犯罪行為への利用
- 4.従業員・企業がTelegramを安全に使うには?
- 4.1.二段階認証を設定する
- 4.2.パスコードの設定を行う
- 4.3.怪しいファイルやリンクを開かないようにする
- 4.4.こまめにアプリのアップデートを確認し、更新を行う
- 4.5.プロフィールの情報を見ることのできる人を限定する
- 4.6.個人情報や機密性の高い情報をチャットで書き込まない
- 4.7.Telegramへの他のSNSからの誘導に気をつける
- 4.8.不審なユーザーによる連絡をブロックする
- 5.デジタル時代のリスク対策ならエルテス
- 6.まとめ
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Telegram(テレグラム)の特徴
Telegramには以下の特徴があります。
それぞれの特徴について詳しく解説します。
①メッセージングアプリとして世界中で広く利用されている
Telegramは世界で最も多くダウンロードされているアプリの一つです。Android、iOS、Windows、MacOSなど幅広いプラットフォームに対応し、無料で利用できます。
個人間のやり取りだけでなく、グループやチャンネルを活用することで、多人数での情報共有も可能です。多言語に対応しており、WhatsAppと並ぶ主要なメッセージングアプリとして広く利用されています。
②機密性や匿名性の高度なコントロールが可能
Telegramの最大の特徴は、細かく設定できるプライバシー管理機能です。 二段階認証やパスコードを設定することで、不正アクセスを防ぐことができます。
さらに、複数デバイスからのセッション管理機能を活用すれば、不要な端末からのログインを無効化できます。プロフィールの公開範囲も細かく設定できるため、必要以上の個人情報を公開せずに利用することが可能です。
中でも、次に説明するシークレットチャットは、Telegramの中で最も強力なセキュリティ機能です。
③内容が記録されないシークレットチャットがある
シークレットチャットは、メッセージがサーバーに保存されず、完全に暗号化される仕組みです。送信した画像やメッセージを自動で消去する設定も可能で、履歴を残さずやり取りできます。
また、スクリーンショットの撮影制限機能も搭載されています。Androidでは撮影自体をブロックでき、iPhoneでは撮影すると相手に通知が届く仕組みになっています。
企業で複数のデバイスからTelegramを利用する場合は、これらの違いを理解しておくとよいでしょう。
④NFTや仮想通貨に関する情報を集めるうえで役に立つ
Telegramには、NFTプロジェクトや仮想通貨取引所のオフィシャルチャンネル、市場分析を行うグループなどが多数存在しています。
海外の情報が多く、主に英語で発信されていますが、最新の動向をいち早く入手できる点が大きなメリットです。
⑤機密性や匿名性をコントロールできるからこその危険が多い
Telegramは、機密性や匿名性を細かく制御できる一方で、それが必ずしも安全であるとは限りません。高度なプライバシー機能は、犯罪者にとっても都合の良い通信手段となる可能性があります。
実際に、闇バイトの勧誘、フィッシング詐欺、マルウェア感染、個人情報の漏洩・盗難などに悪用されるケースが報告されています。特に、初心者が安易に不特定多数のグループに参加すると、詐欺や違法行為に巻き込まれるリスクが高まるため、十分な注意が必要です。
Telegramが危険と言われる原因
Telegramは機密性や匿名性が高いため、犯罪行為の連絡手段として利用されることがあります。しかし、Telegramのセキュリティ機能は本来、ユーザーを脅威から守るためのものです。
リスクを理解し、適切に対策を講じることで、安全に情報収集の手段として活用できます。
Telegram(テレグラム)で起こり得る危険性
Telegramを安全に使うためには、どのようなリスクがあるのかを理解し、それぞれに適切な対策を講じることが重要です。
特に、匿名性の高さや暗号化機能がある一方で、これらの特徴を悪用した犯罪やトラブルに巻き込まれる可能性があります。
ここでは、主に考えられる危険性と、それを防ぐための具体的な対策について詳しく解説します。
アプリの脆弱性をついた攻撃
どのアプリやOSにも、プログラムの中には潜在的な脆弱性が存在します。リリース時には見つかっていなかった脆弱性も、時間が経つにつれて次々と発見され、マルウェアなどの攻撃対象になることがあります。
脆弱性が発見されると、多くの場合、修正バージョンがリリースされるため、定期的なアップデートが重要です。
デバイスへの物理的なアクセスに起因する情報の漏洩
PCを離席中に操作されたり、紛失したスマホを第三者に使われたりすると、Telegramのアカウントに不正アクセスされるリスクがあります。
このような状況では、アプリ内の個人情報や企業データ、チャット履歴が盗まれ、クレジットカードや銀行口座の情報が流出する恐れがあります。さらに、アカウントが乗っ取られると、知人になりすまして詐欺を行う被害につながる可能性もあります。
特に、スマホの紛失は誰にでも起こりうるトラブルです。端末のロックや二段階認証を設定し、不正アクセスを防ぐ対策を徹底しましょう。
フィッシング詐欺による乗っ取りや個人情報の盗難
Telegramでは、フィッシング詐欺の被害が多発しています。
特に、企業や金融機関になりすましたメッセージを送り、偽のログインページへ誘導する手口 がよく見られます。誤ってログイン情報を入力してしまうと、アカウントが乗っ取られたり、個人情報が盗まれたりする危険があります。
さらに、乗っ取られたアカウントが詐欺行為に利用され、知人にも被害が広がるケース も報告されています。被害を防ぐために、知らない送信元からのリンクは開かず、必ず公式サイトを直接確認する習慣をつけましょう。
マルウェアの感染
マルウェアとは、個人や企業のデータを盗み取ったり、破壊したりする悪意のあるプログラムです。
近年、Telegramを悪用したマルウェアも多数確認されており、アプリの機能を利用して情報を抜き取るものや、Telegram経由でPCに感染するものなど、さまざまな攻撃手法が報告されています。
特に、ブラックマーケットではマルウェアが容易に入手できることから、攻撃の増加が懸念されています。感染経路としては、USBメモリやメールの添付ファイルに加え、Telegramで送信されたファイルも危険です。
不審なファイルは開かず、身に覚えのない送信元からのメッセージには十分注意しましょう。
闇バイトなど犯罪行為への利用
近年、日本では闇バイトの募集にTelegramが利用されるケースが増えています。
犯罪グループは、高額報酬をうたった求人を他のSNSに投稿し、詳細な指示をTelegramでやり取りする手口 を使うことが一般的です。
特に、シークレットチャット機能を悪用し、履歴を残さず指示を出す手法が多く確認されています。Telegramの匿名性の高さが犯罪に利用される一因となっており、注意が必要です。
従業員・企業がTelegramを安全に使うには?
これまで説明したように、Telegramはセキュリティ機能やプライバシー保護に優れたアプリです。しかし、その匿名性の高さが悪用され、犯罪に利用されるケースも報告されています。そのため、安全に利用するには適切な対策が不可欠です。
ここでは、リスクを回避しながら、安全にTelegramを活用するための8つの主な方法を紹介します。
二段階認証を設定する
設定メニューの「Privacy & Security」から二段階認証を有効にすると、アカウントの不正アクセスを防げます。
通常、ログイン時にはSMSで送信されるコードを使用します。しかし、電話番号が知られている場合、それだけでは不正アクセスのリスクが残ります。 二段階認証を設定すると、パスワードによる追加認証が必要になり、セキュリティが強化されます。
パスワードを設定する際は、推測されにくい強力なものを選び、他のサービスと使い回さないようにしましょう。
パスコードの設定を行う
Telegramには、アプリの使用にロックをかけるパスコード機能があります。設定すると、アプリを開くたびに認証が求められ、第三者による不正アクセスを防げます。
シンプルな対策ですが、スマホの紛失時や他人に端末を操作されるリスクを軽減する効果があります。
怪しいファイルやリンクを開かないようにする
Telegramのメッセージには、不審なファイルやリンクが含まれていることがあります。 これらは、個人情報を盗むフィッシングサイトや、マルウェア感染の手口として悪用されることが多いです。
たとえ知人のアカウントから送られたものであっても、乗っ取られている可能性があるため、安易に開かず慎重に判断することが重要です。
こまめにアプリのアップデートを確認し、更新を行う
アプリの脆弱性が見つかると、修正された最新版がリリースされます。 最新バージョンに更新することで、セキュリティリスクを防ぐことが可能です。
特に、複数のデバイスでTelegramを利用している場合は、すべての端末で更新が必要です。最新版のリリース状況は、週に1回程度確認し、できるだけ早めに更新しましょう。
プロフィールの情報を見ることのできる人を限定する
Telegramでは、プロフィール画像、電話番号、自己紹介、最終オンライン時間などの情報の公開範囲を設定できます。適切に管理しないと、不特定多数のユーザーに個人情報を見られるリスクがあります。
設定は、「Privacy & Security」メニューから変更可能です。アカウントを作成したら、すぐにプロフィールの公開範囲を確認し、必要に応じて制限をかけましょう。
個人情報や機密性の高い情報をチャットで書き込まない
Telegramのチャットには、クレジットカード情報や銀行口座などの機密情報を書き込まないようにしましょう。 知らない相手だけでなく、友人とのやり取りでも、相手のアカウントが乗っ取られている可能性があるため注意が必要です。
また、送信時は問題なくても、ログが残ることで後に悪用されるリスクがあります。第三者に閲覧される可能性を考え、慎重に利用しましょう。
Telegramへの他のSNSからの誘導に気をつける
犯罪者は、X(旧Twitter)などのSNSで「高収入」「裏バイト」などの言葉を使い、Telegramへ誘導する手口をよく使います。特に闇バイトの勧誘では、SNSで興味を示した人にTelegramを通じて具体的な指示を送るケースが多発しています。
他のSNSからTelegramに誘導された場合は、詐欺や犯罪に巻き込まれるリスクが高いため警戒が必要です。不審に感じたら、すぐに警察に相談しましょう。
不審なユーザーによる連絡をブロックする
Telegramでは、電話番号やユーザー名を知っていれば、誰でもメッセージを送信できます。 そのため、不審なメッセージを受け取ることもあります。
こうしたメッセージの中には、詐欺や犯罪行為につながるケースが多く、特にフィッシング詐欺や個人情報の窃取を目的としたものもあります。 知人を装って金銭を要求する手口も確認されているため、少しでも怪しいと感じたら、返信せずにブロックしましょう。
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まとめ
Telegramは機密性や匿名性を高度に制御できるアプリですが、その特性を悪用した詐欺や闇バイトの危険もあります。
しかし、NFTや仮想通貨のコミュニティなど、多くの有益な情報が集まる場でもあります。 個人・企業ともに、リスクを理解し、適切な対策を講じながら安全に活用しましょう。