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IPO準備企業が取り組むべき内部不正対策とは

IPOを目指す企業にとって、上場審査は企業の事業活動や経営体制に大きな影響を与えます。特に近年は、上場審査が全体として厳格化する傾向にあり、そのような状況の中で、企業内部で発生する不正行為への対応は、単なるリスク管理の一部にとどまるものではなく、上場審査における重要な判断要素の一つとして位置付けられています。

このコラムでは、内部不正対策がなぜIPO準備において不可欠なのか、どのように対策を講じるべきかを詳しく解説します。

目次[非表示]

  1. 1.IPOとは
    1. 1.1.2025年のIPO数減少と上場審査をめぐる環境変化
  2. 2.IPO準備企業が特に注意すべき内部不正問題
    1. 2.1.労務リスクの顕在化とIPO審査への影響
    2. 2.2.企業イメージの毀損とレピュテーションリスク
    3. 2.3.上場準備コストの増大とIPOスケジュールへの影響
  3. 3.エルテスの内部脅威検知サービスで実現する「説明可能なガバナンス体制」
    1. 3.1.① 高精度と運用効率の両立
    2. 3.2.② 情報漏洩・転職リスクや不就労等のリスク検知実績
    3. 3.3.③ 東証グロース市場上場企業が提供するサービスである高い信頼性
  4. 4.内部脅威検知サービスを導入しIPO審査評価につながった事例|GRCS株式会社様
  5. 5.まとめ

内部脅威検知サービス

IPOとは

IPOとは「Initial Public Offering」の略語であり、日本語では「新規公開株式」や「新規上場株式」と訳されます。具体的には、自社の株を投資家に売り出し、証券取引所に上場させて、誰でも株取引ができるようにすることを意味します。

ただし、IPOを実施するためには開示資料を準備するだけでなく、社内の組織体制や内部管理体制を市場が求める高い水準まで引き上げる、徹底した準備が不可欠です。適切に進めることで、企業は資金調達を実現できるだけでなく、上場後のガバナンスや投資家との信頼構築にもつながります。

2025年のIPO数減少と上場審査をめぐる環境変化

東京証券取引所は2025年12月、2025年に国内の証券取引所で新規株式公開(IPO)を行う企業数が、前年から減少し110社程度になる見通しであると発表しました。このうち、プロ投資家向け市場などを除いた一般市場への上場企業数は66社とされ、2013年以来の低水準になると報じられています。

出典:東証調べ 2025年1~12月のIPOは66社と大幅減 : Webマール : M&A情報データサイト
| レコフデータ運営のマールオンライン


IPO件数の減少背景の一つとして指摘されているのが、東京証券取引所による市場再編以降、上場審査および上場維持基準の厳格化が進んでいる点です。この流れを象徴する動きとして、上場直後に重大な会計不正が発覚した事案を受け、東京証券取引所および日本取引所自主規制法人は「新規上場時の会計不正事例を踏まえた取引所の対応について」を公表しました。

この資料では、以下の5つが、IPO審査における重要な確認事項として示されており、IPO準備における不正リスク対応の重要性について強調されています。

  1. 不正リスクに応じた上場審査
  2. 内部通報体制の適切な整備に向けた審査及び不正情報の収集・連携強化
  3. 経営者に向けた啓発活動等
  4. IPO関係者との連携・協力
  5. 自主規制法人における不正リスクに関する上場審査能力の向上に向けた取組み

つまり近年のIPO審査では「単なる形式的な上場基準を満たしているか」だけでなく、「不正リスクを前提に、どこまで実効性ある管理体制を構築できていて、企業として本当に投資に値する存在か」についても、厳しく問われるようになっていると言えます。

IPO準備企業が特に注意すべき内部不正問題

IPO準備における内部不正リスクは、横領や粉飾決算といった明確な違法行為のみを指すものではありません。実際のIPO審査では、より広い意味での企業の統制が十分に機能しているかどうかが総合的に評価されます。

例えば、

  • 勤怠管理が形骸化していないか
  • 労務トラブルを未然に防ぐ仕組みがあるか
  • 情報資産の取り扱いが属人的になっていないか
  • 不正や問題行動が発生した際に、検知し対策できる体制があるか

といった点は、日常業務の延長線上にあるため見過ごされがちですが、IPO審査においてはガバナンスの評価指標となります。ここでは、IPO準備企業が特に注意すべき内部不正リスクを、IPO審査への影響という観点から整理していきます。

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労務リスクの顕在化とIPO審査への影響

内部不正リスクの中でも、IPO準備企業が最も注意すべき領域の一つが「労務リスク」です。

未払い残業代やサービス残業、勤怠データの改ざん、ハラスメントの隠蔽といった問題が一見すると「社内で解決すればよい問題」と捉えられがちですが、IPO審査においては重大な指摘事項となります。なぜなら、労務問題は単なる個別トラブルではなく、経営層による管理が十分に行われていないと判断される可能性が高いためです。

さらに、訴訟や労働紛争が表面化した場合は、上場承認の遅延や見送りといった重大な影響を及ぼす可能性があります。

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企業イメージの毀損とレピュテーションリスク

IPO準備期間中、あるいは上場直後に内部不正が発覚した場合、その影響は社内にとどまりません。投資家、顧客、取引先、さらには社会全体からの信頼が失われる「レピュテーションリスク」として顕在化します。

特に現代においては、SNSやメディアを通じて情報が瞬時に拡散されるため、「ガバナンスが不十分な企業」「内部統制に問題がある企業」というイメージが定着すると、企業経営全体に長期的な悪影響を及ぼします。

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上場準備コストの増大とIPOスケジュールへの影響

内部不正問題への対応が遅れ、訴訟や労働紛争に発展した場合、弁護士費用や和解金など、多額なコストが発生します。さらに、労務監査で問題点が指摘されれば、是正対応に追加の時間と費用を要することになり、IPOスケジュールの大幅な遅延、場合によっては上場断念という現実的なリスクも伴います。

情報漏洩

エルテスの内部脅威検知サービスで実現する「説明可能なガバナンス体制」


ここまで見てきたように、内部不正リスクは単なるトラブル対応の問題ではなく、IPO審査の成否を左右する経営課題です。重要なのは、「不正が起きていない」と主張することではありません。不正が起こり得る前提に立ち、どのようにリスクを把握し、管理しているのかを第三者に説明できる状態を整えることが求められます。

エルテスの内部脅威検知サービスは、業務端末の操作ログや各種システムログをもとに、内部脅威の兆候を可視化し、IPO準備企業のガバナンス体制構築を支援しています。内部脅威検知サービスが提供する価値として、主に以下の3点が挙げられます。

① 高精度と運用効率の両立

AIと専門アナリストの知見を組み合わせることで、一般的なツールで課題となる過検知・誤検知の発生頻度を低減し、アラートの精度を向上させます。不要な通知や複雑な設定作業から解放されるため、リソースが限られた企業でも、重要なリスク情報を的確に把握し、効果的な内部不正対策の運用を実現できます。

② 情報漏洩・転職リスクや不就労等のリスク検知実績

内部脅威検知サービスの統合的なログデータ分析は、情報漏洩検知リスクに留まらず、人事・労務リスクの予兆も検知できます。例えば、退職予定者による機密データの持ち出しの兆候、在職中の従業員による未申告の時間外就労、勤務時間中の不正なWebサイト閲覧など、多岐にわたる内部不正のリスクを早期に発見し、適切な対応を可能にします。

③ 東証グロース市場上場企業が提供するサービスである高い信頼性

エルテスは、東京証券取引所グロース市場に上場しているデジタルリスク対策のリーディングカンパニーです。多様な業界や組織への豊富な支援実績を有しています。

内部脅威検知サービス

内部脅威検知サービスを導入しIPO審査評価につながった事例|GRCS株式会社様

GRCS株式会社様は、上場準備を進める中で、従業員の行動に起因する内部不正リスクへの対策強化を目的として、内部脅威検知サービスを導入されました。導入前は、ログの取得や確認は行っていたものの、全従業員の操作ログを常時監視・分析する体制までは整っていない状況でした。そこで内部脅威検知サービスを導入した結果、業務端末や各種システムのログを継続的に分析できるようになり、従業員のふるまいを可視化するとともに、内部不正リスクにつながりやすい兆候を平時から監視する体制が構築されたとお声をいただきました。

IPO審査においては、「内部脅威検知サービスを導入し、従業員のリスクにつながりうるふるまいを検知・分析し、適切な対策を行っている」と具体的に説明できたことで、情報セキュリティに関する追加質問はほとんどなく、IPO準備において非常に有効だったと高く評価されています。加えて、内部脅威検知サービスはISMS認証の運用にも活用されています。維持審査や更新審査では、社内ルールが全従業員にどのように守られているかを確認する必要がありますが、内部脅威検知サービスのレポートを活用することで、その確認作業が大幅に効率化されたとの声も寄せられています。

このように、内部脅威検知サービスの導入は、IPO準備企業にとって実効性のある内部統制を客観的に示す手段となり、審査評価の向上につながっています。

▶ 株式会社GRCS様の導入事例はこちら

まとめ

IPO準備における内部不正対策は、単に上場審査を乗り切るための形式的な施策ではありません。上場後も企業として持続的に成長し、企業価値を向上させていくための強固な経営基盤を築く戦略的な投資と考えることが重要です。

審査の厳格化が進む東京証券取引所をはじめとする上場市場の近年、上場市場を問わず、審査が厳格化している中で、企業には客観的なデータに基づき、自社のガバナンス体制が有効に機能していることを説明できる実効性が求められています。この「説明責任」を果たすことは、IPOを成功させるだけでなく、投資家や市場からの信頼を獲得し、その後の成長を確実にする上で不可欠です。

IPO準備を見据えた内部不正対策に関心のある方は、ぜひお気軽にエルテスへお問い合わせください。

情報漏洩

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著者・監修|株式会社エルテス編集部
著者・監修|株式会社エルテス編集部
株式会社エルテスは、これまで多種多様な企業のデジタルリスク対策に尽力してきたノウハウを生かし、企業のリスク課題・デジタル課題に役立つコンテンツを提供しています。 編集部ではネット炎上やSNS運用トラブル、ネット上の風評被害・誹謗中傷、情報セキュリティ対策など様々なビジネスのリスク課題に関するコラムを発信しています。
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