ログ監視ツールで後悔しない選び方と導入前に知っておきたいポイントとは?
近年では、仕事でパソコンやタブレット、スマートフォンなどのデジタルデバイスを使うのが当たり前になりました。その一方で、不正アクセスなどの見えないリスクによる損失が発生しています。
それらを防ぐためには、PCなどのアクセス記録である「ログ」を監視し、チェックする必要があります。
今回は、ログ監視の基本から、ツールの選び方や注意点までをわかりやすく解説します。
目次[非表示]
- 1.ログ監視とは
- 2.ログ監視ツールとは
- 3.ログ監視ツールの選び方
- 3.1.エージェント監視かエージェントレス監視か
- 3.2.監視の種類を確認する
- 3.3.ツールの使いやすさ
- 3.4.サポート体制は充実しているか
- 3.5.自社の予算に合っているか
- 4.ログ監視ツールを選ぶときの注意点
- 5.ログ監視をアウトソーシングする
- 6.企業内部で起こる不正や情報漏えいをログ監視から見つけるサービスとは
- 7.まとめ
- 8.関連情報
ログ監視とは
ログには、システムの利用状況やエラーメッセージなど、さまざまな詳細情報が記録されています。これらの情報を分析することで、システムのセキュリティを強化できます。
ログ監視とは、システムやアプリケーションが生成するログデータを監視し、不正アクセスや情報漏洩、システム障害などを早期に察知するためのプロセスです。
ログ監視ツールとは
ログ監視ツールとは、ネットワークやサーバー、アプリケーションなどのITシステムを自動で監視し、システムの稼働状況を把握するためのツールやソフトウェアを指します。
基本的には、ログイン日時や端末の操作など、「いつ」「どこで」「誰が」「何を」したのかが詳細に記録されています。
ログ監視ツールのメリットは、ITシステムの状況を自動で定期的に収集できるため、人が毎回手動で操作する必要がない点です。24時間365日、休まずにITシステムを監視し、業務時間外で起きるログの異常なども検知してくれるためセキュリティ対策として効果的です。
ログ監視ツールの選び方
ログ監視ツールは多数存在しています。ツールの選択を誤ると余計なコストが掛かったり、本来必要な監視ができない場合があります。ITシステムの監視を最適化するためには、最適なツールを選択することが大切です。
エージェント監視かエージェントレス監視か
ログ監視ツールには、大きく分けてエージェント監視とエージェントレス監視の2種類があります。
エージェント監視は、サーバーやデータベースに専用のソフトをインストールして、内部から監視する方法です。これにより、細かい部分までしっかり監視できます。ただし、システムの動作が重くなる可能性もあります。
エージェントレス監視は、ソフトをインストールせず、外部のサーバーから遠隔で監視する方法です。サーバーへの負担は軽いですが、監視の精度はエージェント監視に比べると劣る特徴があります。
監視の種類を確認する
ログ監視といっても、その運用方法や監視の手法には、複数のパターンがあるのが特徴です。具体的には、以下の種類が挙げられます。
・イベントログ監視
イベントログ監視は、Windowsの動きや操作に関する記録を監視する方法です。
アプリケーションの稼働状況、ユーザーのログインやログアウト、アプリケーションの起動など、システムで発生したさまざまなイベントが詳細に記録します。トラブルが起きたときに原因を探ったり、誰が行ったかを特定したりするのに役立ちます。
・ログファイル監視
ログファイル監視は、監視対象となる特定のシステム内に保存されているログファイルを監視する方法です。
ログファイルには、システム内で発生したさまざまなイベントが履歴として記録され、特定の形式で保存されます。これにより、システム内での具体的な動作履歴や異常を把握し、問題の予防や早期発見が可能になります。
ツールの使いやすさ
使いにくいツールでは、導入後の管理や運用の手間が増えてしまいます。そのため、導入前に管理画面の使いやすさやレポートの見やすさを確認することが重要です。無料トライアルなどがあれば、利用して比較検討してみることをおすすめします。
また、アラートに気づかないと迅速な対応ができないため、SMS、メール、チャットツールなど通知方法も事前に確認しましょう。
サポート体制は充実しているか
サポート体制の充実度は、ログ監視ツールを選ぶ上で非常に重要なポイントです。特に初めてツールを導入する際は、手厚いサポートが受けられるベンダーを選びましょう。
メール、チャット、電話など、複数の連絡手段があるベンダーなら、困ったときにすぐに対応してもらえるので安心です。オンラインヘルプやFAQが充実していると、必要な情報をすぐに見つけられて便利です。
また、特別な理由がない限りは、国内のベンダーが提供するログ監視ツールを選ぶのがおすすめします。海外ベンダーだと、日本との時差があるため、リアルタイムでのやり取りが難しくなることがあります。その結果、トラブルの解決に時間がかかることもあります。
自社の予算に合っているか
ログ監視ツールには、クラウド型とオンプレミス型の2つの選択肢があります。
コストを抑えたいなら、クラウド型のログ監視ツールがおすすめです。クラウド型なら、サーバーやネットワーク機器を新たに買う必要がありません。メンテナンスやアップデートもベンダーが対応してくれるので、コストを抑えることができます。ただし、クラウド型はすぐに使えるようになっていますが、カスタマイズはあまりできない傾向があります。
一方で、オンプレミス型は自社でインフラ環境を整えてシステムを作り上げるので、自由度が高くユーザビリティも追及できるものが多くあります。ただし、クラウド型と比べて初期費用が高くなります。
ログ監視ツールを選ぶときの注意点
ログ監視ツールは、ただ広い範囲をカバーすればいいわけではありません。監視対象が増えると、エラーの件数も増え、その確認に時間がかかったり、重大なエラーを見落としたりすることにつながります。監視するログの量が増えると、システムにも負荷がかかります。
また、「監視ツールの導入」という言葉の印象から、従業員が過度のプレッシャーを感じてしまい、業務に悪影響を及ぼす可能性もあります。監視の目的や対象を伝えた上で、通常どおり業務を行えば問題ないということを理解してもらうことも必要です。
ログ監視をアウトソーシングする
ログ監視ツールではなくサービスを利用することで、ログ監視に関するさまざまな課題を解決できます。例えば、「ログ分析を効率化したいけれど、運用のノウハウが足りない」といった場合には、ツールを導入するよりも、ログ監視までサポートしてくれるアウトソーシングサービスを検討するのが効果的です。
そのようなときには、MSS(Managed Security Service)と呼ばれるサービスを利用するのが一般的です。MSSは、企業のセキュリティ管理を代行するサービスで、ログ監視やログ分析だけでなく、セキュリティ対策の計画やネットワークの構築など、総合的なセキュリティ管理を行います。多くのサービスは24時間365日体制で監視しており、自社でセキュリティ管理をするよりも高い安全性を確保できます。
企業内部で起こる不正や情報漏えいをログ監視から見つけるサービスとは
エルテスでは、企業のPCアクセスログや印刷ログ、サイトの閲覧ログなど、さまざまなログデータを横断的に分析し、内部不正や情報持ち出しの予兆を検知する「内部脅威検知サービス(Internal Risk Intelligence)」を提供しています。
資産管理ツール等による蓄積されたログデータとの連携や、アナリストによるログ監視・リスク評価が可能なため、「ログ監視のやり方がわからない」「すでに自社にあるシステムを活用したい」などのお客様でも導入しやすいサービスになっています。
詳しくは以下のリンクからサービス資料をご覧ください。
まとめ
システムを安定して稼働させ、セキュリティを確保するために、ログ監視は非常に重要な役割を果たします。適切にログ監視を行うためには、目的と要件に合ったログ監視ツールを選ぶことが重要です。
関連情報
〇関連資料
・内部脅威検知サービス紹介資料
・内部脅威検知サービス Webポータルで分かること
・内部脅威検知事例集 ~IRIサービス~
〇エルテスのサービス
・内部リスク診断
・Internal Risk Intelligence(内部脅威検知)
・ログデータ活用支援
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