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ネット炎上レポート 2022年2月版


2022年2月の炎上事例を調査・分析し、ネット炎上の傾向をまとめたレポートとしてご報告いたします。


目次[非表示]

  1. 1.ネット炎上レポートとは
  2. 2.2022年2月のネット炎上トレンド
  3. 3.企画のターゲットと主旨を見誤ってしまうことで炎上
  4. 4.起用タレントの炎上によって企業に飛び火してしまう炎上が増加
  5. 5.まとめ


ネット炎上レポートとは

株式会社エルテスでは、公開されているSNSデータを独自に収集・分析を行い、2019年8月より月次でのネット炎上レポートを公開しております。企業の広報やリスク管理を行う方々に炎上トレンドをお伝えすることで、自社のレピュテーション保護を行っていただきたいという想いを持ち、作成しております。

また、これら炎上事例は、下記の“エルテスの定義するネット炎上”を満たす事例を抽出し、分析を行っております。


エルテスの定義するネット炎上

▼前提条件
以下の二つの条件を満たしている必要がある
1.批判や非難が発生している(ポジティブな共感の拡散等ではない)
2.対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較しても有意に多い状態。

▼定義
ネット炎上とは、オフライン・オンラインでの行動や発言に対して、ネット上で批判が殺到し、拡散している状態を指します。対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較して有意に多いことが条件となります。

▼炎上事例の収集方法
SNSやメディアの中で、批判が殺到しやすい媒体を複数選定し、常時ウォッチング。その中で、上記の条件を満たす事象を確認した場合、炎上事例と認定しています。


2022年2月のネット炎上トレンド

2022年2月に最も多かった炎上対象は前月より5ポイント低下したものの「企業・団体」が52%を占めました。次いで前月より7ポイント増加した「個人・著名人」が26%、「マスメディア」が6ポイント低下し7%となりました。

「企業・団体」の炎上区分の内訳は、前月よりも15ポイント増加した「メーカー」が全体の22%を占め、次いで6ポイント低下した「サービス」が15%を占めています。「自治体・団体」が前月より2ポイント低下し11%となりました。「IT」は4ポイント低下し4%という結果になりました。(図1)


図1:炎上対象区分_202202
収集データを元にエルテスが作成


「企業・団体」を対象とする炎上内容では、8ポイント増加した「不適切発言・行為、失言」が全体の43%を占めています。前月より5ポイント増加した「顧客クレーム・批判」が同じく43%となっています。「不祥事/事件ニュース」は前月より3ポイント低下し14%という結果となりました。(図2)


図2:企業・団体が対象となった炎上内容区分_202202
収集データを元にエルテスが作成


企画のターゲットと主旨を見誤ってしまうことで炎上

乳がんの早期検診を推進する活動を行う某協会が主催した、検診の受診を呼びかけるポスターのデザイン大賞の受賞作に対して、内容が不適切であるとして批判が殺到しました。

女性の乳房を想起させる抽選機を模したビジュアルとともに「『まさか、私が』と毎年9万人が言う」という言葉が添えられており、受診の大切さを訴えるデザインとなっています。これに対し、「病気になることを当たりはずれのように表現するのは不適切だ」といった批判の声が多く見られました。

また、過去の受賞作についても不適切なポスターが散見されるとして、再度、批判意見が寄せられました。
協会は、批判を受け「お気持ちを傷つけてしまった患者さんやご家族のみなさまにお詫びを申し上げます」と公式サイトにて謝罪を行いました。


起用タレントの炎上によって企業に飛び火してしまう炎上が増加

2月には、著名人の不適切言動による炎上が起用している企業まで批判の声が寄せられるケースが複数見られました。


a) 人気アーティストにもイラストを提供している某イラストレーターに対して、トレパク(他の写真やイラストをトレースして模倣する)を行っているという告発がネット上で行われ、ユーザー間で検証が行われるなど大きな話題となりました。複数企業でイラストの起用や、コラボ商品が発売されており、各社の対応が注目されました。

b) プロeスポーツチームに所属する選手が動画配信中に差別的な発言をしたとして炎上しました。チームは選手との契約を解除するという対応を行いました。

a) の事例では、告発をきっかけに複数の作品に対する疑惑の声が寄せられ、企業とタイアップして発売している商品に使われているイラストも対象となっていました。各社で対応が異なっており、販売を停止、返金対応をする企業がいる一方で、静観する企業も見られており、ネット上の反応も賛否両論見られております。

b) の事例では、「身長170センチ以下の男性は人権がない」といった発言が差別的であると批判意見が多く見られました。批判を受け、本人は動画を削除して公式アカウントにて身内のノリでの発言であったと釈明しましたが、謝罪に対しても誠実でないとして再度批判が殺到しました。


まとめ

2月度には、企画の内容とクリエイティブにギャップがあったため炎上した事例や、起用タレントの炎上に企業が巻き込まれてしまう事例など、企業の事前チェックが重要となるケースが多く見られました。企画とのギャップについては、事前に企画内容に対して、クリエイティブに大きなギャップがないかを確認することが重要といえます。

また、起用タレントの炎上によって企業が対応を求められるケースでは、事前に、起用したいタレントやインフルエンサーの過去の言動に炎上要素がないかをチェックすることが重要となります。


過去起きた炎上事例のポイントや対策を見ていただくだけでなく、現在の世間の状況を鑑みながら、どのようなトピックスが炎上しやすいのかを把握していただくことで、ご自身の所属する企業のリスク対策にお役立ていただければと思います。


ネット炎上の対策・相談は、エルテスへ ​​​​​​​​​​​



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著者・監修|株式会社エルテス編集部
著者・監修|株式会社エルテス編集部
株式会社エルテスは、これまで多種多様な企業のデジタルリスク対策に尽力してきたノウハウを生かし、企業のリスク課題・デジタル課題に役立つコンテンツを提供しています。 編集部ではネット炎上やSNS運用トラブル、ネット上の風評被害・誹謗中傷、情報セキュリティ対策など様々なビジネスのリスク課題に関するコラムを発信しています。
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