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ネット炎上レポート 2023年3月版

2023年3月の炎上事例を調査・分析し、ネット炎上の傾向をまとめたレポートとしてご報告いたします。

目次[非表示]

  1. 1.ネット炎上レポートとは
  2. 2.2023年3月のネット炎上トレンド
  3. 3.ベビー用品のPR動画が性役割の強制に見えるとして批判を受けるも賛否両論に
  4. 4.公式アカウントがユーザーに対して不適切な返答を行ったことで炎上
  5. 5.まとめ


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ネット炎上レポートとは

株式会社エルテスでは、公開されているSNSデータを独自に収集・分析を行い、2019年8月より月次でのネット炎上レポートを公開しております。企業の広報やリスク管理を行う方々に炎上トレンドをお伝えすることで、自社のレピュテーション保護を行っていただきたいという想いを持ち、作成しております。

また、これら炎上事例は、下記の“エルテスの定義するネット炎上”を満たす事例を抽出し、分析を行っております。

エルテスの定義するネット炎上

▼前提条件
以下の二つの条件を満たしている必要がある
1.批判や非難が発生している(ポジティブな共感の拡散等ではない)
2.対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較しても有意に多い状態。

▼定義
ネット炎上とは、オフライン・オンラインでの行動や発言に対して、ネット上で批判が殺到し、拡散している状態を指します。対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較して有意に多いことが条件となります。

▼炎上事例の収集方法
SNSやメディアの中で、批判が殺到しやすい媒体を複数選定し、常時ウォッチング。その中で、上記の条件を満たす事象を確認した場合、炎上事例と認定しています。


2023年3月のネット炎上トレンド

2023年3月に最も多かった炎上対象は、「企業・団体」が72%(前月比8ポイント減)を占めました。次いで、「個人・著名人」は18%(4ポイント増)、「マスメディア」は10%(7ポイント増)となりました。

また、「企業・団体」の炎上区分の内訳は、「サービス」が全体の34%(16ポイント減)となっています。次いで「メーカー」(3ポイント減)、「教育機関」(3ポイント増)、「自治体・団体」(10ポイント増)がそれぞれ10%と続きました。さらに「インフラ」が5%(2ポイント減)、「IT」が3%(前月同数)という結果になりました。(図1)


図1_炎上対象区分_202303

収集データを元にエルテスが作成


「企業・団体」を対象とする炎上内容では、「顧客クレーム・批判」が41%(22ポイント増)と大幅に増加しましたが、前月までの平均的な数値に戻っています。次いで「不適切発言・行為、失言」が33%(15ポイント減)を占めました。また、「不祥事/事件ニュース」が15%(1ポイント増)、「情報漏えい/内部告発」が11%(1ポイント増)という結果になりました。(図2)


図2_企業・団体が対象となった炎上内容区分_202303

収集データを元にエルテスが作成


ベビー用品のPR動画が性役割の強制に見えるとして批判を受けるも賛否両論に

ベビー用品を販売する企業が公式SNSアカウントに公開した、ベビーカーのPR動画に批判が発生しました。エレベーターなどがなく、階段の利用が求められる環境でも、持ち運び易いベビーカーを描いていましたが、飛び火する形で動画内容が母親に育児を押し付けているように見えるとの批判が生まれました。企業は、批判を受けて動画の削除と謝罪文の掲載を行いましたが、SNS上では「謝罪の必要はなかった」、「過敏に反応しすぎだ」といった意見が寄せられました。

また、育児経験があるユーザーからは「育児ではよくあるシーンであり、不快には感じていない」、「動画を見てお母さんにとって良い商品だと感じたので、一部のクレームで削除するのはどうなのか」といった擁護や対応への疑問の意見が多数見られ、賛否両論となりました。

この事例からは、批判が寄せられた際の企業対応として謝罪やコンテンツの取り下げが、新たな批判を生む可能性があることが見えてきました。また、企業対応の判断を行う際には、どのような属性のユーザーが批判し、何を批判しているのかを客観的に把握し、企業に非があるものなのかを精査する必要があるといえます。


公式アカウントがユーザーに対して不適切な返答を行ったことで炎上

小売業を営む企業が公式Twitterアカウントでキャンペーンに当選したユーザーの投稿に、「当選おめでとうございます」と引用リツイートを実施したところ、Twitterの通知の設定の問題で、自身が当選したと勘違いしてしまうユーザーが複数発生しました。

勘違いしたユーザーからの「ありがとうございます」等の当選を喜ぶ投稿に対して、公式アカウントは、「文章読めていますか?」といった主旨の返信を行い、ユーザーからは企業公式の発信として不適切であると批判の声が多く寄せられました。

批判を受け、企業は公式アカウントと公式HPで謝罪と再発防止策をリリースしています。この事例からは、企業ブランドイメージの棄損を最小化するために公式アカウントとしての発信時のルールを設けること、内容が企業の公式として問題ない内容なのかを複数人でチェックする体制の必要性が浮き彫りになりました。


まとめ

3月には、SNS炎上のリスクや傾向を正しく理解して、企業がSNSを活用する必要性が感じられる事例が複数見られました。

前者の事例では、批判後の対応が新たな批判要素となっており、企業対応の内容によって、二次炎上のリスクがあることを認識しました。後者の事例では、企業の公式アカウントはユーザーから誠実な対応を期待されており、それらから逸脱する発信に炎上リスクがあることが分かりました。

同様のテーマでの炎上であっても、企業属性、ユーザー属性や反応、事象が発生しているタイミングによっても企業対応の判断は異なる可能性があります。企業の炎上リスクを最小化する対応を検討するための事前準備として、最新の炎上トレンドや他社の対応を蓄積して有事に備えることや、火種となる投稿が見られたタイミングで定量・定性の両面での分析、どのような観点で批判をしているのかの論調調査を行うことがより適切な見極めには求められます。そのうえで日常からSNS上での論調を把握しておくことは、重要なリスクマネジメントとなります。


本レポートでは、実際の炎上事例をもとになぜ炎上が起きたのか、自身が当事者だった場合にどのような対応を取ったのかを想像しながら、ご自身の所属する企業のリスク対策にお役立ていただければと思います。


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