
ネット炎上レポート 2026年4月版
2026年4月の炎上事例を調査・分析し、ネット炎上の傾向をまとめたレポートとしてご報告いたします。
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ネット炎上レポートとは
株式会社エルテスでは、公開されているSNSデータを独自に収集・分析を行い、2019年8月より月次でのネット炎上レポートを公開しております。企業の広報やリスク管理を行う方々に炎上トレンドをお伝えすることで、自社のレピュテーション保護を行っていただきたいという想いを持ち、作成しております。
また、これら炎上事例は、下記の“エルテスの定義するネット炎上”を満たす事例を抽出し、分析を行っております。
エルテスの定義するネット炎上
▼前提条件
以下の二つの条件を満たしている必要がある
1.批判や非難が発生している(ポジティブな共感の拡散等ではない)
2.対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較しても有意に多い状態。
▼定義
ネット炎上とは、オフライン・オンラインでの行動や発言に対して、ネット上で批判が殺到し、拡散している状態を指します。対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較して有意に多いことが条件となります。
▼炎上事例の収集方法
SNSやメディアの中で、批判が殺到しやすい媒体を複数選定し、常時ウォッチング。その中で、上記の条件を満たす事象を確認した場合、炎上事例と認定しています。
2026年4月のネット炎上トレンド
2026年4月に発生した炎上で最も多かった炎上対象は、「企業・団体」が89%(前月比7ポイント増)と全体の約9割を占める結果となりました。そのほか、「マスメディア」が5%(1ポイント増)、「個人・著名人」が4%(7ポイント減)と続いています。
また、どのような業態が炎上したのかを示す「企業・団体」の炎上区分の内訳では、「サービス」が56%(4ポイント増)と前月に引き続き全体の半数以上を占める結果となりました。次いで「メーカー」が18%(前月同数)、「自治体・団体」は11%(前月同数)、「教育機関」(2ポイント増)と「IT」(2ポイント増)がそれぞれ2%となりました。(図1)

収集データを元にエルテスが作成
「企業・団体」を対象とする炎上内容における分析では、「顧客クレーム・批判」が46%(13ポイント減)と最も多い結果に変わりはなかったものの、「不適切発言・行為、失言」が40%(13ポイント増)と大きなポイント増加を見せており、従業員のSNS不適切投稿による炎上が相次いだことが背景にあります。
「不祥事/事件ニュース」(8ポイント減)と「情報漏えい/内部告発」(6ポイント増)がそれぞれ6%、「異物混入」が2%(2ポイント増)と続きました。(図2)

収集データを元にエルテスが作成
従業員のSNSでの不適切投稿の炎上事案が相次いで発生
4月には、従業員が私的に利用するSNSでの不適切投稿により情報の漏洩が多発しました。事象は業界や業種は問わず様々な企業で発生しており、社会問題化しています。
今回の炎上レポートでは、3つの事例を取り上げ、分析していきます。
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① 入館証やシフト表を投稿したケース
とある制作会社の事例では、新入社員が自身のテレビ局入館証や番組のシフト表を投稿したことが問題視されました。投稿された写真には自身の名前も明記されていたため、スクリーンショットが拡散されたX上では個人の特定も進み、個人情報が晒される事態となりました。
テレビ局側は事態を受け、代表から謝罪のコメントとともに、情報漏洩に関する研修は入社後に実施済みであったが、事象が発生してしまったと公表しています。
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② 教員がPC画面を撮影し投稿したケース
とある教育機関の教員が校務で使用するシステムの画面をBeReal.で投稿し、スクリーンショットが拡散される事態となりました。
自治体は、謝罪文をHP上に公開し、再発防止について言及しました。投稿者は聞き取りに対し、「投稿を促す通知が来たので、深く考えずに目の前の画面を撮影してしまった。」と話していることが分かっています。
【関連記事】「若者の流行」と経営層が軽視できないリスクへ―BeReal.発の情報漏洩はなぜ起きるのか。事例・要因・対策を徹底解説
③ 社内研修資料を撮影し投稿したケース
とある企業の新入社員が会社ロゴの入った名札とともに社内研修資料が映り込んだ写真をSNSに投稿し、スクリーンショットが拡散・炎上しました。
映り込んだ資料には所属や個人名が記載されていたことから、SNS上では個人情報の特定が進む事態となりました。
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まとめ
ここまで見てきた通り、4月には様々な業界で、従業員によるSNSの不適切投稿での炎上が多発しました。
複数の事例においてみられた、新興SNSであるBeReal.での投稿が第三者によってスクリーンショットで撮影され、Xを中心に拡散・炎上してしまうという流れが特徴的でした。BeReal.以外にもInstagramのストーリーズ機能で公開範囲を限定した投稿のスクリーンショットが拡散・炎上するというケースも見られていました。
両者に共通する特徴としては、公開範囲が限定されたフォロワーのみであるにもかかわらず、第三者によってスクリーンショットを撮られ、拡散・炎上してしまったことです。「友人しか見ていないから大丈夫」と過信せず、企業の一員としてコンプライアンス遵守を意識したSNSの利用ルールの徹底を従業員に対して啓発していくことが企業に求められる対策と言えます。
今回の流れは、一つの事案が大きく炎上することで「これは不適切な行為である」という認識が社会的に広まり、同様の振る舞いに対しても厳しい目が向けられるという、SNS上での連鎖的な反応が働いたと考えられます。一つの炎上事例が引き金となり、同様の事象が相次いで批判を浴びて社会問題化する流れが顕著となりました。
【実態調査】BeReal.等で相次ぐSNSでの情報漏洩はなぜ起きるのか⁈
企業としては利用されている新たなSNSメディアの台頭や活用方法を含めたSNSのトレンドと、炎上のトレンドの双方をアップデートしたSNSのリスク研修を定期的に開催し、従業員に対して炎上のリスクを啓発することを推奨します。
研修内では、SNS炎上が発生することでの企業に対する影響だけでなく、自分自身も名前や顔写真といった情報が特定されるリスクがあり、特定された情報はデジタルタトゥーとして自身がコントロールできない状態で残り続けてしまう可能性があることを認識させることが重要です。
さらに、研修を実施してもなお、完全に事象の発生を抑止できない可能性を想定し、平時より自社への投稿をモニタリングする仕組みを整え、リスクを早期に検知した上で、事実確認や具体的な対応策を即座に検討できる体制を構築しておくことが極めて重要です。
本レポートでは、実際の炎上事例をもとになぜ炎上が起きたのか、自身が当事者だった場合にどのような対応を取ったのかを想像しながら、ご自身の所属する企業のリスク対策にお役立ていただければと思います。






