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ネット炎上レポート 2023年9月版

2023年9月の炎上事例を調査・分析し、ネット炎上の傾向をまとめたレポートとしてご報告いたします。

目次[非表示]

  1. 1.ネット炎上レポートとは
  2. 2.2023年9月のネット炎上トレンド
  3. 3.企業のクリエイティブにイラストの無断使用だと指摘が入り、炎上
  4. 4.公式SNSアカウントを従業員と思われる人物が無断で開設し、批判殺到
  5. 5.まとめ


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ネット炎上レポートとは

株式会社エルテスでは、公開されているSNSデータを独自に収集・分析を行い、2019年8月より月次でのネット炎上レポートを公開しております。企業の広報やリスク管理を行う方々に炎上トレンドをお伝えすることで、自社のレピュテーション保護を行っていただきたいという想いを持ち、作成しております。

また、これら炎上事例は、下記の“エルテスの定義するネット炎上”を満たす事例を抽出し、分析を行っております。

エルテスの定義するネット炎上

▼前提条件
以下の二つの条件を満たしている必要がある
1.批判や非難が発生している(ポジティブな共感の拡散等ではない)
2.対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較しても有意に多い状態

▼定義
ネット炎上とは、オフライン・オンラインでの行動や発言に対して、ネット上で批判が殺到し、拡散している状態を指します。対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較して有意に多いことが条件となります。

▼炎上事例の収集方法
SNSやメディアの中で、批判が殺到しやすい媒体を複数選定し、常時ウォッチング。その中で、上記の条件を満たす事象を確認した場合、炎上事例と認定しています。


2023年9月のネット炎上トレンド

2023年9月に発生した炎上で最も多かった炎上対象は、「企業・団体」が81%(前月比5ポイント減)と前月に引き続き大きく占める形になりました。「個人・著名人」は16%(4ポイント増)、「マスメディア」は3%(1ポイント増)という結果になりました。
 
また、どのような業態が炎上したのかを示す「企業・団体」の炎上区分の内訳は「サービス」が全体の48%(1ポイント減)と約半数を占めています。次いで、「自治体・団体」が23% (9ポイント増)と大きく増加する結果となりました。要因としては自治体の公式SNSの不適切投稿や企画が不適切であると批判された事例などが散見されたことが挙げられます。さらに「メーカー」が7%(7ポイント減)、「IT」が3%(1ポイント増)と続きました。(図1)


収集データを元にエルテスが作成


「企業・団体」を対象とする炎上内容における分析では、「顧客クレーム・批判」が60%(14ポイント増)と全体の半数以上を占めています。従業員の不適切行動をSNSで動画とともに投稿し批判が殺到した事例などが目立ちました。次いで「不適切発言・行為、失言」が20%(12ポイント減)、「不祥事/事件ニュース」(6ポイント減)と「情報漏えい/内部告発」(5ポイント増)がそれぞれ8%となり、「異物混入」が4%(1ポイント減)という結果になりました。(図2)


収集データを元にエルテスが作成

企業のクリエイティブにイラストの無断使用だと指摘が入り、炎上

企業の公式SNSアカウントから発信された広告のクリエイティブに対して批判が寄せられました。発端はイラストレーターからの「使われているイラストが自分の作品であり、許可していない」という指摘の投稿で、企業側に無断使用に関する批判が多く集まりました。その後、イラストレーターから企業側とやりとりしていることが言及され、公式SNSアカウントからも広告の配信停止と謝罪文が投稿されました。

さらに、メディアからの取材に対して企業側は、「イラストは広告代理店が海外の素材サイトからロイヤリティーフリーの素材として購入したものであった」と回答しております。第三者によってイラストが素材サイトに登録されていた可能性が高く、今回の事象が起きた背景も問題視されています。


公式SNSアカウントを従業員と思われる人物が無断で開設し、批判殺到

とある企業の公式SNSアカウントが開設され、一般ユーザーや他社公式SNSアカウントが反応していました。しかし、企業の公式HPにて公式を謳うSNSアカウントに関する注意喚起がリリースされたことで、アカウントは公式ではないことが発覚し、該当アカウントからも従業員が許可を得ずに開設したものであることが投稿されました。

ユーザーからは、「SNSを使ったバイトテロだ」といった声や、無断で公式を名乗るアカウントを開設した従業員に対する批判が相次ぎました。批判を受け、アカウントは削除され、企業の公式HPではアカウントの削除に関するアナウンスがリリースされています。


まとめ

9月には企業の公式SNSアカウントに関する事例が複数見られています。1つ目の事例では、クリエイティブ作成時の素材使用に細心の注意が必要であることが分かりました。今回、企業側がイラストレーターからの指摘に対し早期に反応し、対応も十分に実施したことから、イラストレーターも一連の投稿を削除するに至りました。企業の迅速で適切な対応が早期の事象沈静化に一役買っているといえるでしょう。

自社が発信したクリエイティブに対して、ネット上でどのような反応が見られているかチェックしておくことを推奨いたします。


2つ目の事例においては、公式SNSアカウントを勝手に名乗らせないため、作らせないための社内での対策が必要となります。SNSであっても企業の公式情報として発信することの重要性やリスクを従業員に理解してもらうため、ネットやメディアのリテラシー向上を図るルール作りや研修による啓蒙活動が求められます。

また、今回の事例では、公式SNSアカウントと認識してフォローするなどやりとりをした他社の公式SNSアカウントに対しても軽率であると指摘する声も見られており、公式SNSアカウントを運用する側もフォローや返信などの活動に一定のルールやリスクを低減させる運用が求められています。

SNSのメディアや活用方法が多様化している一方で、企業名を冠したアカウントによる発信はユーザーから公式情報と認識されやすいと言えます。リスク対策を行ったうえでのSNS運用と、自社の発信が外部からどのように見られているのかチェックすることを推奨します。


本レポートでは、実際の炎上事例をもとになぜ炎上が起きたのか、自身が当事者だった場合にどのような対応を取ったのかを想像しながら、ご自身の所属する企業のリスク対策にお役立ていただければと思います。


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