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コンプライアンスを守る目的とは?主な違反のケースと重要性を解説

コンプライアンスを守ることは、企業の業績向上などと並んで社会に求められる事柄です。

今回は、コンプライアンスを守る目的をはじめ、コンプライアンス違反の主なケース、コンプライアンスの重要性について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.コンプライアンスが重要視されている背景
    1. 1.1.企業が持つ役割の増加
    2. 1.2.企業不祥事の発生
    3. 1.3.法改正によるコンプライアンス体制の確立
    4. 1.4.SNSによる影響
  2. 2.コンプライアンスを守る重要性とは
    1. 2.1.企業ブランド、企業価値を守る
    2. 2.2.ステークホルダーとの関係性構築
    3. 2.3.刑事訴訟や行政処分といった法的リスクの回避
    4. 2.4.社会的信頼を獲得し、ビジネスの持続可能性を高める
  3. 3.主なコンプライアンス違反のケース
    1. 3.1.情報漏洩
    2. 3.2.過重労働や労務問題
    3. 3.3.不正会計、粉飾決算
    4. 3.4.その他食品・製品回りの法律違反
  4. 4.コンプライアンスを守るために実施すべき取り組み
    1. 4.1.リスクの洗い出し
    2. 4.2.社内規定・規則の制定
    3. 4.3.内部通報制度の構築
    4. 4.4.コンプライアンス研修の実施
  5. 5.まとめ
  6. 6.関連情報


コンプライアンスが重要視されている背景

コンプライアンスは日本語で「法令順守」とも訳され、国や各省庁の法令、企業の就業規則、社会的倫理などをコンプライアンスと呼ぶことが多いです。コンプライアンスが重要視されている背景は以下の通りです。


企業が持つ役割の増加

グローバル化により発展を遂げた企業は、今や私たちの暮らしに大きな影響を及ぼす存在です。そうした企業の影響力が強まる中で、より大きな社会的責任を求めるべきという意見が増え、コンプライアンスへの意識が高まりました。


企業不祥事の発生

日本では1990年代から2000年代にかけて企業の不祥事発覚が増え、企業の倒産が多発したと記憶する方も少なくないでしょう。これらの不祥事は内部告発による発覚も少なからず存在し、社会規範の変化とともにコンプライアンスを重視する流れが形成されました。


法改正によるコンプライアンス体制の確立

コンプライアンスを守る体制を確立するよう促す法改正が行われ、企業内部の不正を告発しやすい環境構築がなされたことも理由の一つです。これにより、コンプライアンスを重視した経営を求めるよう、行政から企業への働きかけがしやすくなりました。


SNSによる影響

近年ではSNSの普及により、従来とは異なる形式でコンプライアンス違反が拡散されるようになりました。社会規範を守らないコンプライアンス違反はSNSで批判されることが多く、炎上によって企業イメージ、ブランドイメージが傷つくことも多くあります。


コンプライアンスを守る重要性とは

企業イメージやブランドイメージを落とさないことはもちろん、リスク回避などの観点から見てもコンプライアンスを守ることは重要です。コンプライアンスを守ることで企業経営を健全に継続でき、企業価値の向上も目指せます。


企業ブランド、企業価値を守る

コンプライアンス遵守の体制構築を怠った企業は「リスクが高い企業」だと見なされ、投資家や取引先から敬遠されてしまうことも。コンプライアンス違反による社会的信頼の棄損・炎上等は株価などにもダメージを与え、多大な影響を及ぼすおそれがあります。


ステークホルダーとの関係性構築

ステークホルダーとは顧客や取引先、従業員のみならず、株主や地域の人々も含まれます。コンプライアンスを徹底することにより、すべてのステークホルダーとの信頼関係の構築が可能となります。


刑事訴訟や行政処分といった法的リスクの回避

脱税や粉飾決算など、企業内部で起こる違法行為には重い刑事罰が科せられるケースがあります。また、コンプライアンス違反の内容によっては、労働基準監督署から行政処分や改善指導が行なわれることもあります。

行政処分は広く報道されイメージダウンにも繋がるため、特に避けるべきリスクと言えます。


社会的信頼を獲得し、ビジネスの持続可能性を高める

企業のコンプライアンス違反は「社会的責任を守らない企業」というイメージがついてしまうため、コンプライアンスを守ることは社会的信頼の維持・向上という意味で非常に重要です。

中でも、投資市場では「持続的な経営」に取り組む企業が高評価を得る傾向があり、これにはコンプライアンスへの対策も含まれています。


主なコンプライアンス違反のケース

コンプライアンス違反にはさまざまなケースが存在します。以下の項目をチェックし、コンプライアンスの遵守に役立ててください。


情報漏洩

顧客情報や個人情報関連の情報漏洩はコンプライアンス違反が起こりやすいポイントです。情報漏洩の要因は、外部からの攻撃、内部流出など様々です。

近頃は情報管理のデータベース化によって情報漏洩の件数が数万件以上の膨大な数になることもあり、加えてECサイトや金融関連ではクレジットカード情報の漏洩も懸念されます。


過重労働や労務問題

過去に話題となった「ブラック企業」のように、違法な残業やサービス残業といった過重労働の問題が挙げられます。これらは法令違反のみならず、社会的倫理の面からも問われ続けています。

また、セクハラやパワハラなどのハラスメントも同様で、コンプライアンスの遵守体制が整っていないことでハラスメントが横行するケースが後を絶ちません。


不正会計、粉飾決算

不正会計のコンプライアンス違反は、費用・資産の数値改ざんや粉飾決算、脱税・損失隠し、売上・在庫・取引を不正に計上するなどがあります。これらは明確な法律違反であり、刑事罰が科せられ、社会的信用が失われてしまいます。


その他食品・製品回りの法律違反

製品・商品の偽装

産地の表記を偽装する食品偽装、作成の権限を持たない業務書類の偽装などが代表的です。製造業の製品偽造や品質管理などは企業価値に大きなダメージを与え、書類の偽造は公文書偽造・私文書偽造の罪に問われる可能性があります。

衛生管理

利益率・回転率に偏重した結果、衛生管理のコンプライアンス違反が起こるケースや、食品管理の不徹底による食中毒が発生するケースなどが多いです。食品などを取り扱う場合は注意が必要です。

景品表示法違反

不正な表現での商品・サービスの記載や宣伝が行われている場合、景品表示法違反となります。たとえば情報の誇張表現などは消費者を迷わせるとして規制されています。景品表示法をはじめ、自社の業界関連の広告規制には日頃から注意を払いましょう。

著作権侵害

人の創作物は、著名かどうかにかかわらず、原則すべてが著作権の対象です。コンプライアンスを徹底しておらず、個人の投稿品を企業が無断使用した場合、大きなトラブルとなる可能性も否めません。


コンプライアンスを守るために実施すべき取り組み

コンプライアンスを守るための取り組みとしては、リスクの洗い出し、社内規定の制定などが挙げられます。社内でコンプライアンス違反が発生している場合は、その解決こそが喫緊の課題です。まずは現状を正しく把握し、悪習を打破しましょう。


リスクの洗い出し

食品メーカーの場合は衛生管理や品質管理関連のコンプライアンスが重要であり、EC事業を展開する企業は景品表示法や情報セキュリティ関連のコンプライアンスが重要であるように、企業によってリスクの種類は異なります。

また、組織の部門ごとに発生しやすいコンプライアンス違反があり、対策もそれぞれ違います。自社の事業を踏まえて、コンプライアンス違反が起きやすいジャンルを把握し、対策を講じることが重要です。


社内規定・規則の制定

リスクを踏まえた社内規定・マニュアル作成を実施しましょう。さらに、メンバー全員に周知を徹底させ、コンプライアンスに関する法令に詳しい専門家に確認してもらうことも、コンプライアンスを守るためには重要です。


内部通報制度の構築

経営陣が気づけないようなコンプライアンス違反が発生した場合にも対応できるよう内部通報制度(ホットライン)を設けましょう。ここでは迅速かつ公平公正な態度を心がけ、報告者の匿名性を守ることが何よりも重要です。

リスクの洗い出し、社内規則の見直しも必要です。コンプライアンス違反やリスクのチェックを行い、チェックでは定期的に内部監査を入れましょう。


コンプライアンス研修の実施

コンプライアンスを遵守する体制の構築方法としては、社内コンプライアンス研修の実施も手段の一つです。

コンプライアンス遵守の文化を社内浸透させるため、一度だけでなく定期的な研修を行いましょう。研修講師は社内から選出するのも良いですし、外部講師や弁護士などに依頼するのも手段の一つです。


まとめ

コンプライアンス違反が発生すると、社会的制裁を受けるほか、ときには刑事罰を科せられることもあります。企業としてのイメージダウンや経済的損失はもちろん、人材の流出などの悪影響が起こることもあるため、コンプライアンスを守る姿勢は非常に重要です。

そもそも違反が起こらない社風や倫理観の形成、仕組みの構築に着手することもおすすめします。


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著者・監修|株式会社エルテス編集部
著者・監修|株式会社エルテス編集部
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