コンプライアンス教育の目的と重要性とは?社員へ浸透させるポイントを解説
年々、企業にとってコンプライアンスの重要性は増してきていますが、コンプライアンスに関する社員教育に迷っている担当者も多いのではないでしょうか。
今回は、コンプライアンスの目的や重要性をはじめ、社員へ浸透させるためのポイントについても解説します。
目次[非表示]
- 1.コンプライアンス教育の目的とは
- 2.企業がコンプライアンス教育を実施するメリットとは
- 3.コンプライアンス教育の主なステップとは
- 3.1.①コンプライアンス教育のゴールを設定する
- 3.2.②コンプライアンス教育のスケジュールを決定する
- 3.3.③役職やレイヤーごとに具体的な教育内容を決定する
- 3.4.④教育内容に応じて受講者を選定する
- 3.5.⑤定期的にコンプライアンス教育を実施し、浸透を促す
- 4.コンプライアンス教育を成功させるために意識したいポイント
- 4.1.全社員に対して教育を実施する
- 4.2.社内のコンプライアンスルールを構築し解説する
- 4.3.アウトプットできる環境を用意する
- 4.4.外部研修も活用しながら、事例ベースで浸透させる
- 5.まとめ
- 6.関連情報
コンプライアンス教育の目的とは
コンプライアンスとは、もともと「法令順守」という意味を持ちますが、近年では法令や社内規則の順守だけでなく、情報漏洩やハラスメントの防止といった広い意味で使われるようになりました。
昨今、コンプライアンスがますます重要視されているのは、コンプライアンスの範囲が年々拡大していることや、グローバル化によりコンプライアンスを強化せざるを得なくなったことなどが理由として挙げられます。
コンプライアンス教育が行き届いていないと企業存続の危機に追い込まれることもありますが、コンプライアンスをしっかり守れば企業価値を上げることも期待できます。
倫理観や道徳観の醸成
社員がコンプライアンスを継続して守るには、倫理観や道徳観を醸成する必要があります。
ルール化されていない物事は、人としての良識も重要になってきます。自社のコンプライアンスの基本方針を共有し、倫理観・道徳観の重要度を教育することが大切です。
コンプライアンス違反によるリスクや影響を知る
コンプライアンス違反は、些細なことでも企業に大きなダメージを与えます。社会的信用をなくしてしまったり、最悪の場合は倒産もあり得ます。
社員に責任感を持って働いてもらうためにも、企業や当事者が受ける影響の深刻さを伝えるなどのコンプライアンス教育が大切になります。
コンプライアンス違反時の対応フローの浸透
コンプライアンス教育を行っても、違反のリスクをゼロにすることはできません。
そのため、コンプライアンス違反を起きてしまった時に、スピーディーかつ適切に対応できるように共有することも重要です。あらかじめ実践的な演習を行っておくなど、対応フローを社内に浸透させましょう。
コンプライアンスに対して必要な知識や姿勢を身につける
会社での立場が上になるほど、コンプライアンスの知識や姿勢をしっかりと身につける必要があります。役職者や何かの責任者となっている社員がコンプライアンス違反を起こしてしまうと、その分企業へのダメージも大きくなります。
コンプライアンス教育によって知識・姿勢が身についていれば、部下の意識向上にもつながるでしょう。
企業がコンプライアンス教育を実施するメリットとは
企業がコンプライアンス教育を行うことで得られるメリットをご紹介します。
コンプライアンス遵守の意識を持った働き方を促進できる
コンプライアンス教育は、コンプライアンスを意識した日々の業務や働き方を社員に浸透できます。
そうすることで、企業全体のリスクを下げ、業務品質・効率を向上させることにつながります。さらには、社員のモチベーションやモラルを高まると、生産性の向上なども見込めます。
コンプライアンス違反による企業ブランド毀損を防ぐ
コンプライアンス違反が起こると、企業の評判やブランド価値に大きく影響する場合があります。
コンプライアンス教育を実施することで、世間から“コンプライアンスに注力している企業”というイメージがつき、企業のブランド毀損を防止できます。
コンプライアンス教育が企業の成長につながる
コンプライアンス教育を受けた社員が正しく行動すれば、法的なトラブルや制裁のリスクをできる限り抑えられます。
そして、適切なコンプライアンス文化を築くことで、企業の信頼性を高め持続できるため、企業の成長にもつながっていきます。
コンプライアンス教育の主なステップとは
コンプライアンス教育の主なステップは次の通りです。
①コンプライアンス教育のゴールを設定する
まずはコンプライアンス教育のゴールを定めましょう。コンプライアンスに関する研修の種類はたくさんあり、設定したゴールによって教育内容が変動するためです。
社員にもゴールを共有しておけば意欲も上がり、効率的に達成できます。
②コンプライアンス教育のスケジュールを決定する
コンプライアンス教育のスケジュールを決め、日数に合ったプログラムを組みましょう。
コンスタントな実施が大切なので、その後のスケジュールも一緒に決めておくことをおすすめします。
③役職やレイヤーごとに具体的な教育内容を決定する
社員・管理職・経営層など、レイヤーごとに具体的な教育内容を決めます。
社員への教育内容
コンプライアンスの基礎をはじめ、違反防止のための教育を行いましょう。具体的には、SNSを利用する上で注意することや、同僚や取引先の人を不快にさせない言動を学びます。
事例を挙げながら、様々な場面でリスクがあり、いつ違反が起こるかわからないことも伝えましょう。また、違反が起こってしまった場合の相談窓口をつくるなど、制度の整備も大切です。
管理職への教育内容
コンプライアンスの基礎だけでなく、部下への見本となる行動をとってもらう必要があります。
小さな問題でもスピーディーに対応することで、大きな違反を予防できます。裁量を持っている管理職は不正を起こすリスクもあるため、不正についての法令の知識を身につけましょう。
経営層への教育
経営者としての役割や責任について改めて認識するとともに、具体的な数値で示すなどして、コンプライアンス違反が経営にどう影響するのか把握することが大事です。
会社をまとめるため、自社のコンプライアンスの方針や規則をつくり、体制を構築・運用する知識を習得する必要があります。
④教育内容に応じて受講者を選定する
基本的なコンプライアンス教育はすべての社員に行うべきですが、目的によって受講対象は変わってきます。そのため、教育内容に合わせて受講者を選定しましょう。
⑤定期的にコンプライアンス教育を実施し、浸透を促す
コンプライアンス教育は定期的に実施することが大切です。また、実践の場で活用できるよう研修ごとに振り返りを行うと、知識の浸透を促すことができます。
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コンプライアンス教育を成功させるために意識したいポイント
コンプライアンス教育を成功させるためには、どのようなポイントを意識すればいいのでしょうか。
全社員に対して教育を実施する
経営層をはじめとする全従業員がコンプライアンス教育を受けるべきです。
教育を受けていない1人が違反を起こしたことをきっかけに、企業全体が悪い影響を受ける可能性もあります。すべての従業員がコンプライアンスの意識を持ち行動することで、企業の質を高めることができます。
社内のコンプライアンスルールを構築し解説する
コンプライアンス教育を実施するにあたり収集した情報を業務に落とし込み、社内のコンプライアンスルールを構築し、その内容を解説しましょう。
教育実施後は、すべての従業員がマニュアルを確認できるよう共有しておくといいでしょう。
アウトプットできる環境を用意する
コンプライアンス教育で学んだ内容を、参加者同士でアウトプットすることも大切です。学んだ内容を自分の言葉で伝えると理解度が高まるほか、他の人の意見を聞くことで新たな発見があるかもしれません。
外部研修も活用しながら、事例ベースで浸透させる
コンプライアンス教育を実施する際、外部研修を活用するという手段もあります。その際は、あらかじめどのような内容を学べるのかしっかり確認しておきましょう。
また、事例ベースで教育を行うと、具体的なイメージが浮かびやすく浸透しやすいというメリットがあります。違反を防止するための方法や違反が起きた背景について議論してもいいでしょう。
まとめ
昨今、コンプライアンスの意味合いが複雑になり、以前は許されていたことが今では通じないというものも多くあります。そのため、社員や企業を守るためにも、コンプライアンス教育に注力することが大切になります。
コンプライアンス教育は、事前準備の充実度により、その後の成果も変わってきます。すべての従業員が健全に働ける職場にするためにも、適切なコンプライアンス教育を行いましょう。
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