公式アカウント運用ガイドラインの作り方
目次[非表示]
- 1.企業で活用の進むSNS公式アカウント
- 2.公式アカウント運用ガイドラインとは
- 2.1.公式アカウント運用ガイドライン
- 3.公式アカウント運用ガイドライン策定のポイント
- 3.1.目的の整理
- 3.2.公式アカウント運用ガイドライン策定の内容
- 3.3.アップデートと浸透
- 4.まとめ
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企業で活用の進むSNS公式アカウント
SNSの普及によって、企業も公式SNSアカウントを立ち上げて、キャンペーン情報や新商品情報を発信するのが当たり前の時代となりました。その中には、多数のフォロワーを獲得し、有効なマーケティングメディアとして活用している企業も存在します。
例えば、X(旧Twitter)で570万フォロワーを獲得するローソンさん(フォロワー数は、執筆時の2021年6月時点)や500万フォロワーを獲得するスターバックスコーヒージャパンさん(フォロワー数は、執筆時の2021年6月時点)などが挙げられます。
同様に、Instagramで670万フォロワーを獲得しているTasty Japanさん(フォロワー数は執筆時の2021年6月時点)や580万フォロワーを獲得しているNISSANさん (フォロワー数は執筆時の2021年6月時点)などの事例も挙げられます。
こうした企業の公式SNSアカウントは、フォロワーのタイムラインに直接情報を届けられる魅力を持つ一方で、プロモーション企画が炎上してしまったり、中の人(運営スタッフ)が不適切な内容を投稿してしまうといったリスクもはらんでいます。
こうしたアクシデントによるダメージを軽減し、リスクをコントロールするため、事前にSNSアカウントを運用するためのルールを策定することが必要です。それが公式SNS運用ガイドラインです。
公式アカウント運用ガイドラインとは
公式アカウント運用ガイドラインとは、企業のSNSアカウント運用担当者、管理者に向けたガイドラインです。炎上などのリスク対策も大きな目的ですが、大手企業などでは頻繁に発生するジョブローテーションなどに備えて、中の人が変わっても、同じような運用を行うために必要なものとなります。
公式アカウント運用ガイドライン
役割:投稿手順や適切なSNSアカウント利用のための運用者に対する注意喚起
対象者:企業のSNSアカウントの運用担当者
主な使用目的:各SNSアカウントの運用目的などの策定を行い、不適切な運用の取締、1人の中の
人に依存しない運用体制の構築
公開先:SNS運用担当部署(関係者のみ共有)
公式アカウント運用ガイドラインの他に、企業としてソーシャルメディアに対する認識を明示する“ソーシャルメディアポリシー”や、従業員のSNS利用について定めた“ソーシャルメディアガイドライン”など、SNSに関するルールを策定しているケースがあります。各々役割が異なっていますが、今回は公式アカウント運用ガイドラインに焦点を当てたいと思います。
▼従業員にルールを浸透させたい場合はこちらもご覧ください
→SNSリスク研修成功のための3つのポイント
公式アカウント運用ガイドライン策定のポイント
公式アカウント運用ガイドライン策定のポイントを確認していきたいと思います。
目的の整理
まずは、自社の公式SNSアカウントがどのような目的で運用されているか整理します。そこから考えうる活動を導き出し、その結果、起きうるリスクについて検討することができるからです。
また、すでにアカウントの運用実績があるのであれば、担当者へヒヤリハット事項をヒヤリングするのも効果的です。
公式アカウント運用ガイドライン策定の内容
目的の整理が終われば、次は内容を策定します。下記の項目に沿って、リスクを低減させるためのルールや方針を策定していきます。
- 目的:マニュアル制定の目的
- 遵守事項:発信しては行けない内容事項等
- トラブルの対応:トラブル時の対処方針や意思決定者等
- 削除方針:投稿削除を行うケースやその対応方法等
- 公式アカウントの一覧:公式アカウントと管理者(部門)の一覧
- アカウント開設・閉鎖ルール:アカウント開設時のフロー等
- その他:マニュアルの見直しフロー、パスワード管理方法等
公式アカウント運用ガイドライン策定において、炎上などの批判を受けるリスク対策という観点では、「遵守事項」、 「トラブル時の対応」、「削除方針」がポイントとなります。
「遵守事項」では、投稿を禁止する内容、公式アカウント運用対応者として求められる姿勢などが記載されます。運用時のベースとなるルールになります。
「トラブル時の対応」では、クレームなどの問題が発生した際の対処方針を記載します。ここでは社内でのエスカレーションフローなども含め、具体的に定める必要があります。緊急時に、迷うことなく手引きに従って行動できる程度の詳細さが求められます。
「削除方針」については、自社が発信した投稿だけでなく、ユーザーから寄せられた投稿に対する方針も定めておきましょう。公序良俗に反するなど、不適切なコメント投稿は削除する必要があります。その場合の基準を予め定めておくことで実際の対応を行う基準になるとともに、「なぜ投稿を削除したのか」と、外部から質問された際にも説明することが可能です。
そうした方針なく、場当たり的な対応でユーザーの投稿を削除すると、その姿勢そのものを批判されることもあります。また、企業では複数のアカウントを運営する可能性があるため「アカウント開設・閉鎖ルール」などが重要になってきます。
管理者不明なまま、過去に作成されたアカウントが残り続けるといった問題が発生している企業も存在しますので、ルールを定めておく必要があります。特にブランドごとにアカウントを作成する場合や、フランチャイズで展開、店舗ごとでのアカウントが作成されているケースでは、注意が必要です。
アップデートと浸透
SNSに関するリスクは常に変化しており、定期的なガイドラインのアップデートが求められます。どのようなリスクが新たに生じるようになったのか、企業の組織体制にあった記述になっているのかという2つのポイントから考えるとアップデートすべき項目が自ずと洗い出すことが出来ます。
また、ジョブローテーションなどで新たなメンバーがアカウントの管理者となることも想定されます。ガイドラインに則り、適切に運用できているのかというチェックを定期的に行うことが求められます。運用担当者向けのSNSリスクを学ぶ研修を定期的に実施することも有効な方法です。
まとめ
デジタル時代において、SNSアカウントの運営は企業にとって重要な情報発信手段です。その活用に際してはリスクが存在することを忘れないようにしてください。
その際、原点となる公式アカウント運用ガイドラインの存在が重要になります。あらゆる炎上コンサルティング、検知を行ってきた実績を元に、公式アカウント運用ガイドラインの策定支援も行っております。お気軽にご相談ください。
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