ソーシャルメディアポリシー策定のポイント
目次[非表示]
- 1.SNS時代の企業に求められる新たなルール
- 2.ソーシャルメディアポリシーの役割
- 2.1.ソーシャルメディアポリシー
- 2.2.ソーシャルメディアガイドライン
- 2.3.公式アカウント運用ガイドライン
- 3.ソーシャルメディアポリシー策定に必要な3つのステップ
- 3.1.目的の整理
- 3.2.ソーシャルメディアポリシー策定の内容
- 3.3.ソーシャルメディアポリシーの定期的メンテナンス
- 4.まとめ
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SNS時代の企業に求められる新たなルール
ICT総研の「2020年度 SNS利用動向に関する調査」によると、日本国内のSNSの利用者数は、年々増加しており、2020年度末に7,975万人に達すると見込まれています。また、元々20代の若年層での利用が多かったSNSですが、浸透が進むにつれ40代以上の利用も拡大しています。今やSNSは多くの人にとって必要不可欠なコミュニケーション手段となっています。
企業は、ブランドやサービスの認知や理解を促進、売上の向上を目的として、SNS上での情報発信やユーザーとのインタラクティブなコミュニケーションを実施しています。
その一方で、不適切な投稿などによってSNS上で炎上に見舞われるケースもあります。また、従業員やアルバイトのSNS上の振る舞いによって、企業のレピュテーションが低下し、売上や採用などに影響を与えるケースも少なくありません。以前、社会問題にもなったバイトテロや、アルバイトによる顧客情報のSNS上での漏洩などが挙げられます。
そこで多くの企業が、SNSに関するルールを策定しています。今回は、そうしたルールの中から、企業としてのソーシャルメディアへの考え方や公式アカウントの立場を説明するソーシャルメディアポリシーについて紹介します。
ソーシャルメディアポリシーの役割
まず、ソーシャルメディアに関する企業が持ちうるルールを確認していきたいと思います。多くの場合では、役割や対象者から3つのルール、ソーシャルメディアポリシー、ソーシャルメディアガイドラインと、運用担当者向けのガイドラインに分けて、管理されています。
それぞれ、どのような役割、対象者の違いがあるのでしょうか。
ソーシャルメディアポリシー
役割:企業としてのソーシャルメディアや公式アカウントへの認識・立場を明示する
対象者:顧客(世の中全般)
主な使用目的:SNSに関する問題発生時における免責
公開先:社内外
ソーシャルメディアガイドライン
役割:従業員のプライベートを含むSNS利用について、企業のリスクを低減させる
対象者:従業員
主な使用目的:SNS利用に関する注意の呼びかけ
公開先:社内(社外に公開しているケースも有り)
公式アカウント運用ガイドライン
役割:投稿手順や適切なSNSアカウント利用のための運用者に対する注意喚起
対象者:企業のSNSアカウントの運用担当者
主な使用目的:各SNSアカウントの運用目的などの策定を行い、不適切な運用の取締、1人の中の人に依存しない運用体制の構築
公開先:SNS運用担当部署(関係者のみ共有)
一部企業によっては、3つを1つのルールにまとめているケースや、SNS毎に公式アカウント運用ガイドラインを区分けしているケースもありますので、その点はご注意ください。
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ソーシャルメディアポリシー策定に必要な3つのステップ
企業としてのソーシャルメディアや公式アカウントへの認識・立場を明示するという目的を持ち、企業の公式サイトやSNSアカウントなどにも掲載されているケースの多いソーシャルメディアポリシーの策定に当たって、以下のステップを参考にしてください。
目的の整理
まず、そもそもなぜソーシャルメディアポリシーを策定する必要があるのか目的を明確にします。業種や業界によって、SNSとの関わり方は様々です。それらを勘案して、自社とSNSの関わり方を整理することが必要になります。
またこの段階で、自社にとってSNSのどういった事象がリスクとなりうるのかを明らかにします。例えば、銀行などコンプライアンス遵守が強く求められている企業は、そうした事情を加味して検討することになります。
ソーシャルメディアポリシー策定の内容
目的の整理が終われば、次は具体的な内容の策定に移ります。具体的には、下記のような項目を検討していくことになります。「注意事項」などは、目的の整理段階で明らかにしたリスクを念頭に置いて策定します。
- はじめに:ソーシャルメディアポリシー策定の背景、遵守の宣言
- 定義:ソーシャルメディアポリシーの定義と範囲の指定
- 目的:目的の明示
- 心構え: SNS活用時に気をつけるべきこと
- 相談先: 運用に関する免責事項
- 対象:運用公式アカウントの一覧(ブランド別、SNS別)
SNS炎上を含む問題発生時に重要な役割を果たすのが、「注意事項」、「対象」の箇所になります。
「注意事項」では、自社にとってのSNSの立場を明示し、あってはなりませんが、公式SNSアカウントでの不適切発言や誤爆が生じてしまった際の免責項目を明示することが重要になります。また、公式SNSアカウントにDMを受けた場合の対応方針やコメント、アカウントフォローの方針なども表明していくことが、万が一の備えとして大切です。
また、「対象」の部分では、自社で運用しているSNSアカウントの一覧を表示することが重要です。昨今、企業の公式アカウントを装ったSNSアカウントが作成され、フィッシング詐欺に活用されるような事例も出てきています。お客様が公式アカウントであることを確認できる場所を用意する、大切な役割です。
ソーシャルメディアポリシーの定期的メンテナンス
多くの企業ではポリシーを策定したものの、メンテナンスされずに掲載されたままという可能性もあります。ここでのメンテナンスには2つのニュアンスが含まれています。
1つ目は、ソーシャルメディアポリシーの内容のメンテナンスです。特に対象となる公式SNSアカウントの更新は忘れずに実施する必要があります。新たなSNSアカウントを開設する際に、ソーシャルメディアポリシーの更新を行うようなフローの構築が求められます。(冒頭で説明した公式アカウント運用ガイドラインにチェック項目を記載することをおすすめします)
また、ソーシャルメディアポリシーの理解が従業員や関係者から薄れてしまうという意味でのメンテナンスも求められます。ソーシャルメディアポリシーが策定されていること、そしてそれらは、企業としてのソーシャルメディアや公式アカウントへの認識・立場を明示するものであり、従業員はそれらを理解したうえでのSNS上での振る舞いが求められることを社内に十分浸透させる必要があります。
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まとめ
ここまでSNS上のリスクの増加、SNS上のリスクに備える企業のSNSルール策定、そしてソーシャルメディアポリシー策定のポイントの解説を行ってきました。これを期に自社のソーシャルメディアポリシーを確認してみてください。
また、エルテスではソーシャルメディアポリシー策定の支援も行っておりますので、お気軽にご相談くださいませ。
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