ソーシャルメディアガイドライン策定のポイント
目次[非表示]
- 1.従業員のSNS活用に潜む企業リスク
- 2.ソーシャルメディアガイドラインとは
- 2.1.ソーシャルメディアガイドライン
- 2.2.ソーシャルメディアポリシー
- 2.3.公式アカウント運用ガイドライン
- 3.ソーシャルメディアガイドライン策定のポイント
- 3.1.ソーシャルメディアガイドラインの目的整理
- 3.2.ソーシャルメディアポリシー策定の内容
- 3.3.ソーシャルメディアガイドラインの浸透
- 4.まとめ
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従業員のSNS活用に潜む企業リスク
LINE、X(旧Twitter)、Facebook、InstagramなどSNSは、私達にとって欠かせないコミュニケーションツール、情報収集ツールとなりました。皆さんはSNS上で、時には仕事に関する情報を投稿することもあるのではないでしょうか。
今、従業員のプライベートSNSでの投稿やSNS上での振る舞いをきっかけに所属企業がSNSを始めとした世間から批判を浴び、炎上するケースが見られます。
具体的には、下記のような事例があります。
◆デマの発信者が特定され、所属企業へ飛び火
日本国内で新型コロナウイルスの感染が広がった時期に、トイレットペーパーの多くは中国製のため品薄になるとSNS上で拡散されました。しかし、トイレットペーパーの生産の多くは国産で、それらの情報はデマであるとSNS上で話題になりました。
その後、デマの情報源として特定され、批判が殺到。デマ投稿を行ったSNSアカウントの過去の投稿などから投稿者の所属企業と思われる企業が特定され、炎上が飛び火しました。
◆バイトテロで企業のブランドイメージが低下
2013年頃からコンビニチェーンや外食チェーンを中心に、アルバイト・従業員の職場での不適切な行動をSNS上で発信したことによる炎上が多発しています。近年では、動画の普及で不適切行為を動画で撮影し、投稿するというケースも散見されます。
それらは、食に関わる企業としての衛生面の信頼が失墜し、それらを起因として売上が低下し、閉店するような事例も出ています。
◆従業員のステルスマーケティングが発覚し、企業への批判
従業員がプライベートSNSアカウントでステルスマーケティングを行っていたとして、所属先の企業が批判を受けるという事象が発生しています。このようなケースは、1社だけの話ではなく、メディアやメーカーなど複数の企業で発生しています。
上記の事例以外にも、過去に従業員が誤って顧客情報をSNSで投稿してしまったケースなどが挙げられます。このように、従業員のSNS上での振る舞いが企業活動にも影響を与える可能性があります。こうした事態をさけるため、多くの企業が従業員に対してソーシャルメディアガイドラインを定めています。
ソーシャルメディアガイドラインとは
はじめに、SNSに関する主だったルールについて、ご説明致します。
ソーシャルメディアガイドライン
役割:従業員のプライベートを含むSNS利用について、企業のリスクを低減させる
対象者:従業員
主な使用目的:SNS利用に関する注意の呼びかけ
公開先:社内(社外に公開しているケースも有り)
ソーシャルメディアポリシー
役割:企業としてのソーシャルメディアや公式アカウントへの認識・立場を明示する
対象者:顧客(世の中全般)
主な使用目的:SNSに関する問題発生時における免責
公開先:社内外
公式アカウント運用ガイドライン
役割:投稿手順や適切なSNSアカウント利用のための運用者に対する注意喚起
対象者:企業のSNSアカウントの運用担当者
主な使用目的:各SNSアカウントの運用目的などの策定を行い、不適切な運用の取締、1人の中の人に依存しない運用体制の構築
公開先:SNS運用担当部署(関係者のみ共有)
ソーシャルメディアガイドライン策定のポイント
ソーシャルメディアガイドライン策定のポイントを、確認していきたいと思います。
ソーシャルメディアガイドラインの目的整理
まず、そもそもなぜソーシャルメディアガイドラインを策定する必要があるのか明確にします。業種や業界によって、SNSとの関わり方は様々です。それらを勘案して、自社の従業員とSNSの関わり方を整理することが必要になります。また、この段階で、従業員がSNSでどのような振る舞いをすることがリスクとなりうるかを明らかにします。
そのためには、同一業界や同じようなビジネスモデルの企業での過去の炎上事例を調べること。また、直近の炎上トレンドを押さえることが求められます。
ソーシャルメディアポリシー策定の内容
目的の整理が終われば、次は具体的な内容の策定に移ります。具体的には、下記のような項目を検討していくことになります。
- 目的:ガイドライン策定の目的
- 定義:ソーシャルメディアポリシーの定義と範囲の指定
- 遵守事項:従業員に求める遵守事項
- 対処方針:クレームなどの問題発生時の対処方針
- 相談先:相談部署の記載
重要なポイントは、「遵守事項」、「対処方針」、「相談先」となります。
「遵守事項」では、目的の整理段階で洗い出した、自社としてリスクの高そうな行動を禁じます。
「対処方針」では、クレームなどの問題が発生した際の対処方針を記載します。ここでは、社内でのエスカレーションフローなどを含め、具体的に定める必要があります。緊急時に、迷うことなく手引に従って行動できる程度の詳細さが求められます。
「相談先」については、本件を管轄する部署、連絡先を具体的に記載します。問題が起きた際に、連絡を確認することで時間の浪費がないようにします。
ソーシャルメディアガイドラインの浸透
一度ソーシャルメディアガイドラインを作成したものの、どこに掲載されているのか、誰も知らない状態に陥っている企業も散見されます。
そのような場合には、定期的なSNSリスク研修の実施をおすすめしています。あるいは、社会人になりたての新卒社員や、新たに部下をマネジメントする立場になった新管理職などを対象として、定期的にルールの浸透を促すことも必要です。
まとめ
従業員のSNSやネットに対するリテラシーはバラバラで、単に「注意してください」と呼びかけるだけではリスク回避になりません。具体的なリスクや避けるべき行動について明示することが重要です。
また、いざ問題が生じた際の対象方法を事前に明記しておくことも非常に重要です。非常事態に際して困難が起きると判断力が低下することもあります。事前に具体的な手引きを準備しておくことが、いざという時の備えになります。
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