catch-img

ネット炎上レポート 2024年8月版

2024年8月の炎上事例を調査・分析し、ネット炎上の傾向をまとめたレポートとしてご報告いたします。


目次[非表示]

  1. 1.​​​​​​​ネット炎上レポートとは
  2. 2.2024年8月のネット炎上トレンド
  3. 3.施設の売店で成人向けコンテンツを模倣した商品を販売し、炎上
  4. 4.企業の広告クリエイティブに生成AIを活用したことで批判殺到
  5. 5.まとめ


【無料WEB診断を公開中】
自社のSNSリスクの対策状況を今すぐ調べてみませんか?
>>
[SNSリスクマネジメント診断]を試してみる<<


​​​​​​​ネット炎上レポートとは

株式会社エルテスでは、公開されているSNSデータを独自に収集・分析を行い、2019年8月より月次でのネット炎上レポートを公開しております。企業の広報やリスク管理を行う方々に炎上トレンドをお伝えすることで、自社のレピュテーション保護を行っていただきたいという想いを持ち、作成しております。

また、これら炎上事例は、下記の“エルテスの定義するネット炎上”を満たす事例を抽出し、分析を行っております。


エルテスの定義するネット炎上

▼前提条件
以下の二つの条件を満たしている必要がある
1.批判や非難が発生している(ポジティブな共感の拡散等ではない)
2.対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較しても有意に多い状態

▼定義
ネット炎上とは、オフライン・オンラインでの行動や発言に対して、ネット上で批判が殺到し、拡散している状態を指します。対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較して有意に多いことが条件となります。

▼炎上事例の収集方法
SNSやメディアの中で、批判が殺到しやすい媒体を複数選定し、常時ウォッチング。その中で、上記の条件を満たす事象を確認した場合、炎上事例と認定しています。


2024年8月のネット炎上トレンド

2024年8月に発生した炎上で最も多かった炎上対象は、「企業・団体」が71%(前月比1ポイント減)となりました。次いで「個人・著名人」が15%(前月比6ポイント減)、「マスメディア」は11%(4ポイント増)と続きました。

また、どのような業態が炎上したのかを示す「企業・団体」の炎上区分の内訳は「サービス」が41%(7ポイント増)、「メーカー」が15%(6ポイント減)と2つの業態で全体の半数近くを占めました。さらに「インフラ」が7%(7ポイント増)、「自治体・団体」(10ポイント減)と「IT」(4ポイント増)がそれぞれ4%と続きました。(図1)



2024年8月のネット炎上対象区分の円グラフ

収集データを元にエルテスが作成


「企業・団体」を対象とする炎上内容における分析では、「顧客クレーム・批判」が47%(5ポイント減)となりました。次いで「不適切発言・行為、失言」が前月より大幅なポイント増加となり32%(13ポイント増)だったほか、「情報漏えい/内部告発」が11%(6ポイント増)、「不祥事/事件ニュース」が10%(9ポイント減)という結果になりました。(図2)


2024年8月の企業・団体が対象となった炎上内容区分の円グラフ

収集データを元にエルテスが作成


施設の売店で成人向けコンテンツを模倣した商品を販売し、炎上

とある水族館で数年前に販売されていた商品についての投稿が掘り起こされて批判が殺到しました。

商品は成人向けのコンテンツを模倣したデザインで、投稿でも連想させる表現を使用したPRを行っていました。これに対してSNS上では、子供も訪れる施設での企画として不適切であるという指摘が多く、過去の企画であったとしても問題である、という声が見られました。

今回は、企画のターゲットのミスマッチやゾーニングが求められうるクリエイティブという企画時の注意すべきポイントと、過去の企画であっても掘り起こされて炎上するリスクを鑑みる必要性がわかる事例となりました。


企業の広告クリエイティブに生成AIを活用したことで批判殺到

飲食チェーンの公式SNSアカウントに掲載されたPR画像が画像生成AIで出力されたものではないかと問題視する声が多くみられました。

画像生成AIのPR利用は教師データの権利などの法的な規制が整っておらず、企業が活用することに対して批判的な意見を持つユーザーが多くいるのが現状です。また、話題となった企業はPRにクリエイターとのタイアップが多く、今回は画像生成AIと思われるクリエイティブを利用したことに対してがっかりだという声が散見されました。

先にも述べたように生成AIの利用に関しては課題が多く残っており、企業が活用するのには注意が必要となります。


まとめ

8月に発生した炎上では、企業の企画に関する批判が多くみられた事例が目立ちました。

1つ目の事例は、ユーザーの価値観がアップデートされたことによって、過去の企画であっても炎上してしまうリスクがあると分かりました。施設のターゲットと照らし合わせて、ゾーニングが求められるクリエイティブになっていないか企画時にチェックが必要となるほか、時間の経過とともにリスクとなる可能性を鑑みて批判が起きていないか平時からのモニタリングで早期検知・対応の検討ができる体制を整えることが求められます。

2つ目の事例では、企業が画像生成AIをPR活用するにはまだ課題が残っていることが論調から分かる事例となりました。教師データの著作権等の法的整備が急がれていますが、解決までは積極的な活用をする場合に炎上リスクを考慮することが求められます。活用する場合には、批判が寄せられた場合に備えたQ&Aを準備するなど事前の対策を検討し、適切な企業対応が可能な体制を整備しておくことを推奨いたします。

本レポートでは、実際の炎上事例をもとになぜ炎上が起きたのか、自身が当事者だった場合にどのような対応を取ったのかを想像しながら、ご自身の所属する企業のリスク対策にお役立ていただければと思います。


​​​​​​​


コラム一覧へ戻る

著者・監修|株式会社エルテス編集部
著者・監修|株式会社エルテス編集部
株式会社エルテスは、これまで多種多様な企業のデジタルリスク対策に尽力してきたノウハウを生かし、企業のリスク課題・デジタル課題に役立つコンテンツを提供しています。 編集部ではネット炎上やSNS運用トラブル、ネット上の風評被害・誹謗中傷、情報セキュリティ対策など様々なビジネスのリスク課題に関するコラムを発信しています。
CONTACT
見出し2装飾

上場しているからこその透明性の高いサービスを提供
1,000社以上への提供実績

お電話でのお問い合わせはこちら
(平日10:00~18:00)
ご不明な点はお気軽に
お問い合わせください
デジタルリスクに関するお役立ち資料を
ご用意しています
-SEARCH-
記事を探す

-PICKUP-

-SEMINAR-
開催予定のセミナー

-WHITEPAPER-
お役立ち資料

-COLUMN-
人気記事