
ネット炎上が起きる仕組みとは?対処法や対策について解説
SNSの普及以降、ネット炎上は頻繁に発生しており、企業の事業に影響を及ぼす可能性もあります。
本記事では、そもそもネット炎上とは何なのか、ネット炎上が起きる仕組みについて、対処法や対策なども合わせてご紹介します。
目次[非表示]
- 1.ネット炎上とは?
- 1.1.「ネット炎上」と「バズる」の違い
- 1.2.ネット炎上の定義について
- 2.ネット炎上の種類とは?
- 2.1.公式アカウントの不適切投稿、誤爆
- 2.2.インフルエンサーの不適切投稿やステマ
- 2.3.クレームやユーザーからの投稿
- 2.4.バイトテロ
- 2.5.有名人のSNSやブログ
- 2.6.学生の投稿
- 2.7.議論型炎上
- 2.8.YouTuberの炎上
- 3.なぜネット炎上が起きるのか
- 3.1.SNSでの投稿
- 3.2.消費者の”正義感”や”社会不安”
- 3.3.メディアによる拡散
- 3.4.インターネットを利用する人の多さ
- 3.5.匿名性の高さ
- 3.6.サイバーカスケード現象
- 4.ネット炎上が起きた時の対応
- 4.1.問題があれば速やかに訂正・謝罪をする
- 4.2.炎上が収まるまで静観する
- 5.ネット炎上を防ぐには
- 5.1.不快に感じられる表現を控える
- 5.2.法的手段の準備をしておく
- 6.デジタルリスクに備えるならエルテス
- 7.まとめ
- 8.関連情報
ネット炎上とは?
ネット炎上とは、インターネット上で批判や誹謗中傷が集中してしまうことを言います。ネット炎上が起きると、企業にとってはブランド毀損や信用低下につながることがあるので注意する必要があります。
「ネット炎上」と「バズる」の違い
英語の「buzz」に由来した「バズ(る)」という言葉がありますが、これは主にSNSなどで多くの人が特定の話題に注目している状況を指します。
たくさんの人から注目を集める「バズ」と「ネット炎上」は混同されることもありますが、「ネット炎上」は批判が殺到し、対象への批判の投稿量が通常時に比べて有意に多い状態を指します。そのため、好意的な反応が多い「バズ」とは相違があると言えます。
ネット炎上の定義について
ネット炎上に具体的な定義はありません。総務省では「炎上」について、「Web上の特定の対象に批判が殺到し、収まりがつかなそうな状態」、「特定の話題に関する議論の盛り上がり方が尋常ではなく、多くのブログや掲示板などでバッシングが行われる状態」と説明しています。
国内での炎上件数はスマートフォンやSNSが普及し始めた2011年から増加しており、炎上の対象は個人・企業を問いません。
引用:総務省「ネット上での炎上を巡る議論」
ネット炎上の種類とは?
世の中で起こり得るネット炎上の種類にはどんなものがあるのでしょうか。
公式アカウントの不適切投稿、誤爆
企業の公式アカウントでの不適切な発言や誤爆(誤った内容を投稿してしまうこと)などが、ネット炎上の原因になることもあります。
公式アカウントの運用スタッフが誤解を生むような表現を使用したり、軽率な発言をすることで炎上が起こる可能性もあります。炎上の原因は、差別的な内容の投稿、社会的弱者に対する配慮を欠いた投稿など様々です。
炎上が起こった場合、企業が批判の的になることや、公式SNSを使ったプロモーションを一時的に止めなければならない状況にもなるため、経済的な損害を受けるケースもあります。
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インフルエンサーの不適切投稿やステマ
ネット炎上の中には、企業と著名人が消費者を欺くように商品・サービスを宣伝する「ステルスマーケティング」が原因になることもあります。
これまで著名人がステルスマーケティングに加担したことが発覚して、謝罪や自粛に追い込まれた事例が多数あります。 また、その著名人にステルスマーケティングを依頼した、あるいは依頼した可能性があるということで、企業側が批判されることもあります。消費者からすると悪質なマーケティング手法として映るため、ネット炎上につながりやすいと言えます。
▼関連コラム:インフルエンサーマーケティングで注意したい「ステマ規制」のポイントと対策方針
クレームやユーザーからの投稿
企業へのクレームやユーザーからの投稿がネット炎上のきっかけになることもあります。
企業が発信した商品やサービスに対する批判や、広告デザインへの不満など、理由は様々です。 実際には少数の人が投稿している場合も多く、内容に無関係だった人たちが便乗しているというケースもあります。そのため、間違った見解であっても、「みんなが言っている」という理由で少数派の意見が過大評価されることもあり得ます。
バイトテロ
バイトテロはネット炎上の認知度を上げた代表的な例です。アルバイトが商品や備品を粗末に扱うなど、店舗内の不適切な行動を撮影してSNSで投稿し、炎上が発生することをバイトテロといいます。
バイトテロはユーザーの生活に密接したところで起こるため特にインパクトがあり、炎上の影響力が強いことが特徴的です。バイトテロが発生した店舗や企業には苦情が殺到するほか、閉店に追い込まれるなど、大きな損害を受ける場合もあります。
有名人のSNSやブログ
有名人のSNSやブログは、注目を集めやすい分、炎上しやすい傾向にあります。批判の内容は、該当の有名人に対する誹謗中傷が主です。
特に、不倫や薬物使用など不祥事が起こった際や、当人や運営の対応の不備があったときに、炎上する場合が多くみられます。
また、当人の過去の発言や行動が掘り起こされて炎上し、番組やCMなどの降板に至るケースもあります。このような排除的な動きをキャンセルカルチャーといいます。
学生の投稿
ネットリテラシーが十分に備わっていない、高校生や大学生の投稿が炎上をしてしまうことがあります。
SNSを自由に利用していく中で、行き過ぎた内容を投稿してしまう可能性が高いと考えられます。たとえば、モラルに欠ける迷惑行為やいじめに関する画像・動画を投稿し、批判を集めてしまうケースなどがあります。
このような事象を防ぐには、ネットの特性や判断能力を養うための、学校や家庭における教育が重要です。
議論型炎上
ある話題に対し、肯定派と否定派で意見が両立して議論が過熱した結果、炎上にまで至るような議論型の炎上も目立つようになりました。
例えば、コロナウイルスの感染が強く話題になっていた時期には、「マスク不要論」や「ワクチン接種推進」を訴える立場と、そうでない立場で激しく意見しあう場面が見受けられました。
このような議論型炎上は、立場が両極化して互いへの批判が激化するため、炎上が長引く可能性が高いです。
YouTuberの炎上
昨今、YouTuberの炎上にも注目が集まりやすくなってきました。
YouTubeはテレビなどのメディアよりも規制が緩く、比較的自由なコンテンツを発信しやすい分、炎上が発生する可能性が高いです。また、知名度や人気があるYouTuberの場合は、前述した「有名人のSNS・ブログ」のパターンと似た性質を持ち、不祥事などにより炎上するケースもあります。
他にも、あえて炎上リスクに抵触するようなコンテンツを発信し、注目を集めようとする「炎上商法」が行われることもあります。
▼関連コラム:YouTubeにおける炎上事例と対応策・予防策をわかりやすく解説
なぜネット炎上が起きるのか
実際にはどのように批判が始まり、拡散されていくのでしょうか?
ネット炎上が起こる仕組みについて紹介します。
SNSでの投稿
ネット炎上における拡散の発端として、自由に誰でも投稿できるX(旧Twitter) やInstagram、ブログなどのSNSでの投稿が挙げられます。火種となる投稿がされると、そのフォロワーを中心に拡散されます。
また、情報をまとめる形で第三者から発信されるケースもあり、広く拡散されると情報にズレが生じる危険性も出てきます。事実とは大きく離れたところで炎上し、大きなリスクを抱えることもあります。
消費者の”正義感”や”社会不安”
消費者の感情や反応が過敏になってきていることも、ネット炎上が起こりやすい理由として挙げられるでしょう。
例えば、企業が出した広告やキャッチフレーズなどが、意図しない形で差別、ジェンダー、労働問題などに結び付けられ、批判・議論を呼ぶこともあります。結果的に、企業が必要以上に叩かれたり、不買運動につながることもあるため注意しなければなりません。
メディアによる拡散
SNSを中心に起こりやすいネット炎上ですが、ネットメディアやマスメディアがそれをさらに拡散する傾向も見られます。
初めは批判の小さな火種だったとしても、メディアに取り上げられると、テレビや新聞に掲載され爆発的に炎上します。社会問題化され、デモ活動が起こったり、行政指導が行われるといったことにも発展する可能性があります。
インターネットを利用する人の多さ
パソコンやスマートフォンの普及により、インターネットの利用は急増しました。また、SNSの活用の広がりにより、情報にアクセスするだけでなく、情報を発信することも容易になりました。
年齢や生活様式などが異なる多くの人々がインターネットを利用するため、価値観のすれ違いにより、意見の衝突が起こりやすくなります。その結果、ネット炎上に繋がりやすい環境が生まれると考えられます。
匿名性の高さ
X(旧Twitter)などのSNSや掲示板は、匿名での利用が可能なことが大きな特徴の一つです。誰が投稿したのかわからないということにより、過激な内容も発信しやすくなっているという背景があります。
ユーザーの一定数において、「どのような発言をしても、投稿者本人を特定されることはないだろう」といった考えが生じる結果、過度な批判が増加し、ネット炎上に繋がることが考えられます。
サイバーカスケード現象
サイバーカスケードは、インターネット上で同じ主張を持つ集団が結びついて先鋭化し、異なる主張を排除して、閉鎖的かつ過激なコミュニティを形成する動きのことです。個人よりも集団の意思決定の方が極端な意見になりやすいという心理現象の「集団極性化」の一種とされています。
インターネットのメリットとして、同じ思想を持つ人々と簡単に繋がることができる点が挙げられますが、その一方で異なる意見に対し反発心の強い集団が生まれやすい状況にあるといえます。
ネット炎上が起きた時の対応
ネット炎上が起きた際に、企業がとるべき対応を紹介します。
問題があれば速やかに訂正・謝罪をする
ネット炎上が起きた際、実際に企業側に問題があった場合は、速やかに訂正・謝罪を行うことが大切です。自社の商品・サービスの不備や顧客の情報漏洩など、被害者が想定される問題が起こった場合は、発覚した時点で真摯かつ適切に対応しましょう。
問題が起こっている中で、ごまかす、もしくは話題をすり替えようとすれば、より炎上することになります。誤った対応はさらなる炎上(二次炎上)を招く恐れがあり、批判の論点やネット上の論調などを見極めることも大切です。
▼関連コラム:二次炎上を起こさないための謝罪文のポイントを解説
炎上が収まるまで静観する
ネット炎上が起こった際に、必要以上に対処せずに静観することも大事です。
炎上に加わっている人の中には、ストレス発散のために批判をしている人もいます。炎上に対して反論するようなコメントをしたことで、炎上に加担した人をさらに刺激するだけでなく、これまで関心のなかった人からも批判を受ける可能性もあります。状況を見極めて、反応は控えたほうがいい場合もあります。
ネット炎上を防ぐには
ネット炎上を防ぐためには、どのような対策をとるべきなのでしょうか。
不快に感じられる表現を控える
多くの人が気にならなくても、一部の人は不快に感じるような表現もあります。実際にどのような内容が不快に感じるのか、批判されるのかを予測するため、過去のネット炎上が起きた事例を参考にすることをおすすめします。
また、従業員が個人で発信した情報が不測の炎上を招くケースもあります。従業員一人のために会社全体の評判を落とす事態を防ぐためにも、従業員へネットリテラシーについて教育することも大事です。
法的手段の準備をしておく
ネット炎上は、状況次第では会社のイメージダウンにつながったり、株価に影響を及ぼす可能性もあります。
その原因が悪質な投稿である場合は、法的手段を考えることも必要です。あらかじめ法的手段の準備をしておくことで、炎上が起きた際も慌てずに対処することができます。
SNSでの投稿だけでなく、誤解を招くような記事や炎上をより大きくさせるような報道に対しても法的に対処することは、企業を守るためにも大切なことです。
デジタルリスクに備えるならエルテス
ネット炎上はいつどこで発生するか、予測が難しいものです。しかし、素早く状況にあった判断をしながら対応する必要があります。
エルテスの「Webリスクモニタリングサービス」は、AIと人の目によって24時間365日、X(旧Twitter)を始めとしたSNSや掲示板、ブログなどのメディアの情報を監視します。緊急性の高い投稿を検知した場合は即時に通知を行い、火種の早期発見に貢献します。
また、専門性のあるコンサルタントがお客様の課題に沿って運用体制を構築し、定期報告や炎上対応などの一貫したサポートをいたします。
デジタルリスクに備えるならエルテス
まとめ
ネット炎上は思いもよらぬ場面で起こったり、一見関係のない話題でも巻き込まれたりすることがあります。また一度ネット炎上が発生すると、沈静化に時間がかかる場合もあります。
このようなリスクを低減するために、危機管理体制の構築やモニタリングの強化などの事前の対応が重要です。
万が一ネット炎上が発生してしまった際でも、落ち着いて迅速に対応できるよう日頃から備えておきましょう。
関連情報
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