ソーシャルメディアモニタリングとは?目的やメリット、ツールの種類・選び方を解説
ソーシャルメディアでは毎秒大量の意見が発信され、それらが流れるように目に入ります。
この大量の投稿を効率的に収集・分類し、その上そのデータを業務に活用できるとなれば、どんなに便利でしょうか。今回は、それらを叶えるソーシャルメディアモニタリングやソーシャルリスニングについて紹介します。
目次[非表示]
- 1.ソーシャルメディアモニタリングとは?
- 1.1.ソーシャルリスニングとは何が違う?
- 1.2.対象メディア
- 1.3.ソーシャルリスニングツールの機能
- 2.ソーシャルリスニングの3つのメリット
- 2.1.効果測定・成果改善に繋がる
- 2.2.業務改善に繋がる
- 2.3.リスク管理に繋がる
- 3.ソーシャルリスニングツールは主に3種類
- 3.1.①収集・分析を効率化するタイプ
- 3.2.②分析方法に強いタイプ
- 3.3.③SNSアカウントに強いタイプ
- 4.ソーシャルリスニングツールを選ぶ際のポイント
- 4.1.どのメディアに対応しているか
- 4.2.リスク対応可能か
- 4.3.分析機能が充実しているか
- 4.4.SNSアカウントでの運用に強いか
- 5.ソーシャルメディアモニタリングの活用事例
- 5.1.株式会社伊藤園様
- 5.2.サッポロホールディングス株式会社様
- 6.まとめ
ソーシャルメディアモニタリングとは?
ソーシャルメディアモニタリングとは、X(旧Twitter)・Instagramを始めとしたSNSやブログ、掲示板などのソーシャルメディア上において、どのような意見が発信されているか、監視することをいいます。
たとえば、新商品を発売した際にソーシャルメディアモニタリングを実施すると、新商品に対してユーザーがどのような感想を持ったのか、商品の不備が報告されてないか等を確認することができます。ソーシャルメディアモニタリングの目的のひとつには、このようなユーザーの個々の声をいち早く把握することなどがあります。
ソーシャルリスニングとは何が違う?
ソーシャルメディアモニタリングとソーシャルリスニングの異なる点をみていきます。
定義として、ソーシャルメディアモニタリングはソーシャルリスニングの一部に当たります。前者はソーシャルメディアの投稿を収集するものですが、後者はその収集したデータをあらゆる角度から分析し、活用に繋げます。
関連コラム:ソーシャルリスニングとは?注目される背景とメリットについて解説
対象メディア
ソーシャルリスニングの主な対象メディアは以下です。
- X(旧Twitter)
- YouTube
- ブログ
- 掲示板
- Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイト
ソーシャルリスニングツールの機能
ソーシャルリスニングツールの機能としては、主に以下が挙げられます。
- データの収集
- データの分析
- レポーティング
特にデータの分析においては、レビューや口コミの件数の動きを数値にしてグラフで可視化したり、発言傾向を年代・性別などの属性から分析したりすることができます。
また近年はAIの発達により、投稿者の感情を投稿文から自動的に判断するような定性的な分析も進んできました。
関連コラム:ソーシャルリスニングツールとは?企業のSNS担当者が知っておくべき活用法
ソーシャルリスニングの3つのメリット
ソーシャルリスニングによって、ソーシャルメディア上の様々な投稿を効率的に活用できることがわかりました。これにより、どのようなメリットがもたらされるのでしょうか。
ここでは主な3つのメリットについて解説していきます。
効果測定・成果改善に繋がる
自社からプレスリリースや広告などを新たに打ち出した際、ユーザーの反応をいち早く把握することができます。ポジティブな投稿とネガティブな投稿がどのようなバランスになっているか、どの部分がユーザーに受け入れられたのか、もしくは批判されているのかなどが確認できます。
また、投稿者の属性を分けた分析によって、より詳細に反響の中身を捉えることができます。このようにソーシャルリスニングを行うことで、自社の打ち出した施策のスムーズな効果測定や結果として活用できます。
業務改善に繋がる
ソーシャルリスニングの結果のデータは、業務改善の大きな材料にもなります。
たとえばPR方法を見直す場合は、キャンペーンや新商品を打ち出したときのユーザーの反応を分析し、どの点が反響の要因になっているのか・どの層に特に響いているのか等のデータを踏まえて、改善活動に繋げていきます。
また、商品に対するレビュー投稿から、潜在的なニーズや不満を見出すこともできるため、商品の改良ポイントが見えてくる場合もあります。
リスク管理に繋がる
ソーシャルリスニングをすることで、炎上の火種をいち早く検知できるようになります。検知後の早期な対応が可能になることで、被害を最小限に抑えることにも効果があります。
たとえば、自社の店舗に対するクレームや、関係者による情報漏洩に繋がりかねない情報など、リスクとなる投稿をいち早く検知し、担当者にアラートを出すといったサービスもあります。このように、批判が拡散され手遅れになる前に、対策を講じることができるのです。
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ソーシャルリスニングツールは主に3種類
ソーシャルリスニングツールには、主に3種類のタイプが存在します。
ソーシャルリスニング初心者にとってシンプルでわかりやすい機能や、業務をより効率化してくれる機能など、それぞれ特徴が異なります。
①収集・分析を効率化するタイプ
X(旧Twitter)やInstagramなどあらゆるSNSの膨大な情報から、効率的にデータを収集・分析するタイプです。ソーシャルリスニングの基礎的な機能でもあり、初心者にもおすすめです。
収集面では、リアルタイムの投稿も過去の投稿も網羅して収集しているツールもあります。さかのぼって収集すると、現在の投稿と1年前の投稿の比較などができます。
分析面では、キーワードを入力すると簡単に分析できるツールが多く、投稿件数の推移やポジティブ投稿・ネガティブ投稿の分類など、業務に活用しやすい分析が可能です。
②分析方法に強いタイプ
自然言語処理を使って、抽出した情報をあらゆる角度から分析できるタイプもあります。
近年、定量的な分析だけでなく、心理や感情などに焦点を充て、より高い精度で定性的な分析ができるようになってきています。これにより得られたデータは、自社のプロモーションの改善にも活用することができます。
また、海外のソーシャルメディアに対応したツールもあり、中には日本語だけでなく他の言語のキーワード分析も可能なものもあります。インバウンドや海外向けのマーケティングに力を入れる際におすすめです。
③SNSアカウントに強いタイプ
前述した収集・分析する機能に加え、SNSアカウントの運用に役立つあらゆる機能を備えたタイプもあります。
たとえば、SNS上でキャンペーンを実施する場合は、キャンペーン告知の投稿から抽選までを自動で行えるものがあります。他にも、投稿の承認フローが管理されていたり、中傷するようなコメントを受け取ったら自動で非表示・削除措置をとったりできるものもあります。
基本的なソーシャルリスニングに加え、SNS運用担当者を全面的にサポートするようなツールも登場しています。
ソーシャルリスニングツールを選ぶ際のポイント
ソーシャルリスニングツールの機能や特徴を紹介しましたが、どのツールにするか選ぶ際に比較すべきポイントがあります。ソーシャルリスニングで目的に応じた成果が得られるように、以下のポイントを踏まえておきましょう。
どのメディアに対応しているか
ツールごとに、対応しているメディア・データの取得量は、異なる場合があります。
多くのツールはX(旧Twitter)に対応しています。拡散力があり、他のメディアの情報が集約されやすいX(旧Twitter)のみを監視するというのも一つの手です。
しかし、より幅広く収集・分析したい場合は、InstagramやFacebook、ブログ、匿名掲示板やQ&Aサイトなど他のメディアにも対応しているツールを選ぶ必要があります。
また、ツールによってはデータの取得量が限定される場合もあるので、実施する分析に対して十分なデータ量なのか確認しておく必要があります。
リスク対応可能か
自社がソーシャルメディア上で炎上する可能性がないかなど、リスク監視に使うことが目的である場合は、予兆を検知し知らせてくれる機能が搭載されたツールが活用できます。
主には、特定のキーワードを含む投稿の数が閾値を超えると、自動的にアラートが飛ばされる仕組みです。このように、炎上の予兆をいち早く把握できると、スピーディーな初期対応をすることが可能です。
また、炎上の傾向がわかると今後の炎上対策を講じることもできます。
分析機能が充実しているか
どのような分析機能があるかという点も、ツールを選ぶ際のポイントとなります。
基本機能として、投稿内容がポジティブもしくはネガティブなのかを判定することや、使用されているキーワードの数値や比率を可視化することなどが可能なツールが多いです。
それらに加え、画像の分析ができたり、前述したような自然言語処理による心理や感情の分析ができたりする機能が搭載されているツールもあります。
分析したい項目は明確なのであれば、各ツールの分析機能を比較することも重要です。
SNSアカウントでの運用に強いか
ソーシャルリスニングツールの3タイプにて前述した通り、SNSアカウントの運用に有効かという点も選ぶ際のポイントとなります。特に自社でSNSアカウントを運用している場合は着目すべき要素です。
ソーシャルメディアのデータの収集・分析に加え、複数のアカウントの管理や予約投稿、投稿の承認フローの構築などの機能があり、SNS関連の業務効率化に役立ちます。
アカウントの運用を始めたい一方、何から着手してよいかわからない場合など向けには、マニュアル作成やKPI設計などの基礎からサポートしてくれるツールもあります。
ソーシャルメディアモニタリングの活用事例
エルテスでは、各種SNSやブログなどのソーシャルメディアの情報を、目視とAIによって24時間365日監視し、早期のリスク検知と対応をサポートする「Webリスクモニタリングサービス」などを展開しています。その導入事例の一部を紹介します。
株式会社伊藤園様
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導入サービス
Webリスクモニタリングサービス -
導入時の課題
SNSが普及したことを受けて、企業としてSNSに関するリスクに何らかの対処をしなくてはならないと感じていました。しかし、大量の投稿を監視する担当部署の設置や人員配置が困難であった上、SNSのリスクに関して知識がある社員が多くいないという背景から、エルテスのサービスを導入しました。 -
課題をどのように解決したか
日々のレポートによって、顧客の意見を幅広く把握できるようになりました。
また、顧客の不満や気づきなどの投稿があった際は、メールアラートによって速やかな通知を受け取ることができ、同時に関係者に情報共有ができるため、早期対応も可能になりました。
株式会社伊藤園様の導入事例の詳細はこちら
サッポロホールディングス株式会社様
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導入サービス
Webリスクモニタリングサービス -
導入時の課題
社内でSNS利用ガイドを作成したことをきっかけに、組織としてSNSモニタリングを実施することになりました。開始当初は、主にブログ上の従業員の不適切発言を目視で確認されていましたが、投稿量の多い夜間や週末はリソースが間に合わない状況でした。 -
課題をどのように解決したか
Webリスクモニタリングサービスにより、深夜早朝休日などの時間帯も投稿の監視ができるようになりました。自社が稼働していない時間帯も守ってくれているという安心感を得られるようにもなってます。
また、専門コンサルタントのアドバイスにより、火種の発見から初期対応までのリードタイムを短縮することが可能になりました。
サッポロホールディングス株式会社様の導入事例はこちら
ソーシャルメディアのリスク対策相談はエルテスへ
まとめ
ソーシャルメディアモニタリングとソーシャルリスニングについて幅広く概要を解説しました。ツールの機能や特徴、選ぶときのポイントなど、知っていただけましたでしょうか。
現代は、ソーシャルメディア上が意見の集まる主な場所となっており、ソーシャルリスニングを活用した、マーケティングや品質・業務改善活動が、ますます重要になることが考えられます。ソーシャルメディアは自由な投稿が大量に発信され混沌としていますが、リスニングツールなどでうまく収集・分析することで、今後の業務の大きな味方になりえます。