
Threads(スレッズ)の炎上リスクと企業が知っておくべき注意点
SNSの普及に伴い、企業のデジタルリスクはますます多様化しています。Meta社が提供する新しいSNS「Threads(スレッズ)」も例外ではありません。
この記事では、Threadsが持つ可能性だけでなく、運用時に企業が注意すべきリスクや課題についても詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.Threads(スレッズ)とは?
- 2.他のSNSとの違い
- 2.1.Instagramとの違い
- 2.2.X(旧Twitter)との違い
- 3.企業はThreadsをどう活用できるか
- 4.実際の企業活用事例
- 4.1.事例① 大手コーヒーチェーン
- 4.2.事例② 人気お菓子メーカー
- 5.企業がThreadsで注意すべきリスク
- 6. Threadsを運用するためのポイント
- 6.1.運用目的を明確にする
- 6.2.ペルソナ像を設計する
- 6.3.運用体制やルールを整備する
- 7.エルテスの提供するSNS監視サービス
- 8.まとめ
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Threads(スレッズ)とは?
Threads(スレッズ)は、Meta社が2023年7月6日にリリースしたテキストベースのSNSです。サービス開始からわずか5日で利用者が1億人を突破するなど、大きな話題を呼びました。
App StoreではThreadsについて、以下のように説明されています。
Threadsは、コミュニティが集い、関心のあるトピックから次に来るトレンドまで何でも話し合える場です。興味・関心のジャンルが何であれ、お気に入りのクリエイターや自分と同じ興味・関心を持つ人をフォローし直接つながることができます。あるいは、自分の熱心なファンを増やし、世界に向けて自分のアイデアや意見、クリエイティビティを発信することができます。
他のSNSとの違い
Threadsはテキストベースのコミュニケーションを重視しており、X(旧Twitter)に似た印象を持つ方も多いでしょう。しかし、他のSNSと比較すると、Threadsには独自の特徴があります。
ここでは、InstagramやXとの主な違いを解説します。
Instagramとの違い
Instagramは写真や動画を中心に楽しむSNSですが、Threadsは文字を中心にした投稿が特徴です。Threadsでは、リプライを使って「会話」を深めることもできます。
また、Instagramは人気投稿が優先的に表示されますが、Threadsではタイムラインに投稿順で並ぶので、リアルタイムで会話がしやすい仕様です。
これらの特徴から、Instagramは投稿を通じて視覚的に人々を惹きつけやすいのに対して、Threadsは投稿を通じて意見交換や議論が行いやすいです。Instagramはフォロワーとの関係が比較的強調される一方、Threadsは会話の即時性や幅広い参加者とのコミュニケーションが重視されているため、ビジネスパーソンやインフルエンサーが、専門的な意見や知識をテキストで共有するのに向いていると言われています。
X(旧Twitter)との違い
ThreadsとXの最も大きな違いは、投稿文字数にあります。Threadsは無料で500文字まで投稿できる一方、Xは課金しなければ140文字に制限されています。
匿名性の違いも特徴的です。Xは匿名で利用されることが多く、自由で率直な意見や時には過激な表現が目立つ場面もあります。一方、ThreadsはMeta社のサービスであるため、FacebookやInstagramとのアカウント連携が強く、実名での利用が中心です。
これらの特徴から、Threadsは長文投稿や信頼性を重視したコミュニケーションに向いているといえます。
企業はThreadsをどう活用できるか
Threadsは、広告配信機能が本格的に実装されていないため※、企業が活用する場合にはSNSキャンペーンやオーガニック投稿を中心とした戦略が必要です。
※2025年1月27日にはMeta社から米国と日本で広告テストを実施すると発表されています
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Threadsをソーシャルリスニングツールとして活用する
Threadsは、ユーザーが日常の出来事や考えを気軽に投稿するため、企業はユーザーのリアルな声を効率よく収集できます。これらの声は、マーケティング戦略や商品開発の重要な材料になります。
たとえば、Threads上の投稿を分析することで、市場のトレンドや消費者のニーズを把握し、新製品の開発や既存サービスの改善に役立てることが可能です。また、競合他社の動向や自社ブランドに対する評価もリアルタイムで確認できるため、より精度の高い施策を計画することができます。
公式アカウントとして活用する方法
公式アカウントを運用する場合、以下の2つの方法が挙げられます。
- プレスリリースや製品情報のタイムリーな発信
Threadsの長文投稿を活用して、新製品やイベント情報を素早く届けることができます。また定期的に投稿することで、フォロワーに最新情報を提供し続け、企業の存在感を高めることができます。 - ユーザーとのコミュニケーションを重視した投稿
投稿に寄せられたコメントへの返信や、ユーザーの関連投稿をシェアすることで、フォロワーとのつながりを強化できます。
実際の企業活用事例
Threadsに公式アカウントを開設し、効果的な運用を行っている企業の事例を2つ紹介します。
事例① 大手コーヒーチェーン
ある大手コーヒーチェーンでは、新商品や季節限定メニューを紹介するためにThreadsを活用しています。地域ごとの店舗やサービスに関する情報を投稿することで、地元のユーザーが親しみやすい内容を提供しています。
特に注目されているのは、人気投票やクイズといった参加型の投稿です。こうしたコンテンツは、フォロワーが気軽に参加できるため、楽しみながらブランドへの関心を高める仕組みになっています。画像や動画も多く使われており、視覚的にもわかりやすく、商品の魅力を引き立てる運用が行われています。
事例② 人気お菓子メーカー
ある人気お菓子メーカーでは、公式アカウントを通じて商品に関連するクイズや「いいね」を促す投稿を展開しています。
投稿内容をXとほぼ同じにすることで、大きな手間をかけることなくThreadsを活用できていると考えられます。
企業がThreadsで注意すべきリスク
Threadsは、新しいSNSとして注目されていますが、活用する上でさまざまなリスクが潜んでいます。企業がThreadsを使用する際に注意すべきリスクを解説します。
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なりすまし被害
Threadsでは、公式アカウントを装った「なりすまし」行為が発生するリスクがあります。
実際に、他人の写真を勝手に使用するなりすまし行為が発生したとして、裁判所がMeta社に発信者情報の開示を命じた事例も起きています。
対策としては、公式アカウントとして認証バッジを取得し、正規のアカウントであることをユーザーに示すことが重要です。また、なりすまし行為を早期に発見するために、定期的になりすましアカウントの有無をモニタリングすることも必要です。
セキュリティ被害
Threadsは新しいSNSであるため、セキュリティに関する懸念も想定されます。主なリスクは、アカウントが乗っ取られることや、それによりフォロワーがフィッシングサイトへのリンクに誘導される危険性が挙げられます。これにより、顧客情報の漏洩やブランド毀損など、重大な被害につながる恐れがあります。
新しいプラットフォームの場合は、セキュリティ意識が低いユーザーが多く、攻撃者がそれを悪用する傾向があることが指摘されています。
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炎上・風評被害
ThreadsをはじめとするSNSは、情報がすぐに広まる便利な特徴があります。その一方で、間違った情報や不適切な発言が広がると、短時間で大きな影響を与えてしまうことがあります。特に、企業が情報発信者の場合、その影響は会社の信用や評判に大きく関わるため、慎重な対応が必要です。
Threadsを運用するためのポイント
Threadsを効果的に運用するには、目的やターゲットを明確にし、運用体制やルールを整えることが重要です。
運用目的を明確にする
企業がSNSを運用する際には、「何を目指すのか」をはっきりさせることが欠かせません。例えば、次のような目的が考えられます。
- ブランドや商品の認知を広げる
- 顧客とのつながりを深めてファンを育てる
- キャンペーンや特典を活用し、購入を促す
- 問い合わせ対応を通じて顧客満足度を高める
自社の状況に応じて、どの目的が最優先か考えることが大切です。新しいブランドでは知名度を上げることが主な課題となりますが、すでに知られているブランドであれば、顧客との関係を深める方向性が適しています。
ペルソナ像を設計する
「誰に伝えたいのか」を具体化することで、投稿の方向性が定まります。ターゲット設定を行う際には、年齢、性別、趣味、居住地域などを軸にして、自社にとって重要な層を絞り込みましょう。
ターゲットを明確にすると、投稿内容やアカウントの雰囲気を統一しやすくなります。若年層をターゲットにする場合と、ビジネス層に向けた投稿では、使う言葉やビジュアルのデザインが大きく異なります。最適なターゲット設定を行うことで、Threads運用の効果を高めることが期待できます。
運用体制やルールを整備する
Threadsの運用を成功させるには、役割分担やルール作りを行い、効率的に進める仕組みを作ることが重要です。そのため、投稿作成やコメント対応、効果測定など、誰が担当するのかをあらかじめ決めておきましょう。
また、複数人でアカウントを運用する場合は、投稿頻度やキャンペーンの方針、投稿内容などを事前に共有し、属人化を防ぐ仕組みを作りましょう。
もし社内だけで対応が難しい場合は、専門家への依頼もおすすめします。外部の力を借りれば、運用の負担が減るだけでなく、より効果的で安心できる運用方法を見つけることができます。
エルテスの提供するSNS監視サービス
エルテスの「Webリスクモニタリング」は、AIと専門家による24時間365日の投稿監視体制で、休日や深夜帯も炎上被害を最小限に抑える対策支援を行っています。
上場企業としての信頼と実績に基づき、お客様の課題に沿った最適なメディアやキーワードのご提案からシステム反映まで、お客様の負担の少ない形でリスク検知体制を提供します。緊急性の高い投稿を検知した場合には、緊急通知や沈静化までの初期対応を支援しています。
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SNS運用のリスク対策は、エルテスへ
まとめ
Threadsは手軽な投稿やリアルタイムでのやり取りが可能なSNSとして注目されていますが、投稿内容の誤解や拡散速度による炎上リスクが高いことも忘れてはなりません。特に企業の公式アカウントは、投稿内容がブランドイメージに直結するため、慎重な内容確認と万全なリスク管理体制が大切です。
適切な準備と運用によって、Threadsの可能性を最大限に引き出していきましょう。