
インフルエンサーへの依頼方法はどのようなものがある?費用相場や依頼時の注意点について解説
インフルエンサーマーケティングの市場は年々拡大しており、需要・供給ともに増加傾向にありますが、具体的にどのようなものか明確なイメージがわかない方も少なくないでしょう。
本記事では、インフルエンサーマーケティングの概要、インフルエンサーへの依頼方法、費用相場や依頼時の注意点などについて詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.インフルエンサーマーケティングとは?
- 2.インフルエンサーに依頼する方法
- 2.1.マッチングプラットフォームを利用する
- 2.2.所属事務所に連絡する
- 2.3.広告代理店を利用する
- 2.4.企業がインフルエンサーに直接依頼する
- 3.インフルエンサーマーケティングにかかる費用相場
- 3.1.インフルエンサーへの報酬
- 3.2.自社製品のサンプル代金や配送料
- 3.3.交通費・宿泊費
- 4.インフルエンサーの依頼にかかる費用相場(依頼方法別)
- 4.1.マッチングプラットフォームを利用する際の費用相場
- 4.2.代理店へ依頼する際の費用相場
- 4.3.直接依頼する際の費用相場
- 5.インフルエンサーの依頼にかかる費用相場・計算方法
- 5.1.商品ギフティングの場合
- 5.2.インシデントの緊急性・優先度を分類する
- 5.3.現地訪問の場合
- 6.インフルエンサーの依頼前に確認しておきたいこと
- 6.1.依頼する目的に適しているか
- 6.2.自社ブランドや製品との相性
- 6.3.フォロワー買いをしていないか
- 6.4.投稿頻度やエンゲージメント
- 7.インフルエンサーの依頼後の進め方・確認しておきたいこと
- 7.1.起用したいインフルエンサーの条件を伝える
- 7.2.代理店が条件に合ったインフルエンサーを決定する
- 7.3.代理店の制作物を確認する
- 8.インフルエンサーマーケティングの成功事例(業界別)
- 9.デジタルリスクに備えるならエルテス
- 10.まとめ
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インフルエンサーマーケティングとは?
インフルエンサーマーケティングとは、InstagramやYouTubeなどのSNSを活用し、特定の分野で活躍するインフルエンサーに、商品・サービスをPRしてもらう手法です。企業はインフルエンサーの影響力を活かし、認知拡大や販売促進に繋げられます。
インフルエンサーマーケティングの市場規模は、年々拡大しています。特に、コロナ禍の影響により、オフラインでの活動が制約される環境下で一気に広まりました。
サイバー・バズとデジタルインファクトの調査によると、今後も市場規模は拡大する見込みです。2029年には2024年の約1.9倍の1,645億円に達すると予測されています。
企業はインフルエンサーを起用すべきか?
インフルエンサーマーケティングは企業との親和性が高く、大きな効果をもたらすポテンシャルを秘めています。なぜなら、大衆に広く届けるテレビCMとは異なり、SNSで発信することで狙ったターゲット層に直接アプローチできるためです。SNSは拡散力が高く、フォロワーの再共有などを通じて情報が連鎖的に拡散され、認知拡大に繋がる可能性も大いにあります。
加えて、インフルエンサーに対して憧れ・共感を抱いているフォロワーも多く、インフルエンサーが商品やサービスをPRすることで、販売促進も期待できます。
インフルエンサーに依頼する方法
インフルエンサーへの依頼は、インフルエンサーマーケティングを成功させるための大事なファーストステップです。現在は、次の4つの依頼方法が主流です。
- マッチングプラットフォームを利用する
- 所属事務所に連絡する
- 広告代理店を利用する
- 企業がインフルエンサーに直接依頼する
マッチングプラットフォームを利用する
様々なジャンルで活躍するインフルエンサーが登録されているマッチングプラットフォームを利用する依頼方法です。マッチングプラットフォームでは、インフルエンサーの実績をはじめ、信頼性やエンゲージメント情報を基に適切な人選ができます。
この方法のメリットは、マーケティングの目的やターゲット層に合ったインフルエンサーを選びやすく、自由度の高いプロモーションができる点です。一方で、マッチング成立後のやり取りなどは全て自社で行う必要があるため、企業側の負担が重くなる傾向があります。
所属事務所に連絡する
インフルエンサーの所属事務所に直接連絡を取る依頼方法は、実績豊富なインフルエンサーを起用したい場合や、大規模なプロジェクトを展開する際に適しています。
各種SNSで人気のあるインフルエンサーを起用できたり、単発企画やイベント企画などでも高い効果が期待できます。また、スケジュールや費用に合ったインフルエンサーを紹介してもらえるのもメリットといえます。
ただし、知名度が高いインフルエンサーほど費用が高くなるほか、内容次第では事務所の了承が得られないケースもあるため、注意しましょう。
広告代理店を利用する
インフルエンサーマーケティングに特化した広告代理店の利用は、最も効果を得られる可能性が高い手法ともいえます。インフルエンサーマーケティングを初めて取り組む会社や、社内のリソースが不足している会社におすすめです。
自社の知識や経験が乏しくても、広告代理店が培ってきたノウハウに基づくレベルの高いマーケティングが行うことができます。インフルエンサー個人とのトラブルの心配も少ないでしょう。さらに、徹底したデータ分析をしてくれる代理店であれば、次のマーケティングに活かしやすいというメリットもあります。
ただし、自社完結するインフルエンサーマーケティングより費用がかさみ、広告代理店をしっかり見定める必要がある点に注意しましょう。
企業がインフルエンサーに直接依頼する
インフルエンサーに直接依頼する方法もあります。その場合、SNSのダイレクトメッセージ機能を使用する手法が主流です。しかし、この方法は最も難易度が高く、多くの時間と適切なディレクションスキルが求められます。
コストが抑えられる、ディレクションの自由度が高いなどメリットがある一方、企業側にはリソースやノウハウが必要であり、人材選定が難しいなどのデメリットがあります。
直接依頼する場合、適切な宛名・挨拶文・おおまかな依頼内容・企業情報などを明確に伝えるようにしましょう。
直接依頼する際の例文は以下の通りです。
◯◯様
はじめまして。
平素より弊社製品をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
この度、◯◯様に弊社の新製品のプロモーションにご協力いただきたく、ご連絡させていただきました。
つきましては、下記2点についてご検討いただけますと幸いです。
1.新製品の先行体験
2.製品コンセプトに沿ったSNS投稿
弊社ウェブサイト: https://△△
商品詳細ページ: https://□□
ご関心をお持ちいただけましたら、ぜひともご連絡いただきたく思います。
具体的な依頼内容や報酬などの詳細につきましては、◯◯様と弊社広報部門で打ち合わせの機会を設けさせていただければと存じます。
◯◯様からのご連絡を心よりお待ち申し上げております。
株式会社◯◯
広報担当◯◯
Email:◯◯
TEL:◯◯
インフルエンサーマーケティングにかかる費用相場
インフルエンサーマーケティングにかかる費用相場は、施策1回につき約70~100万円です。費用の主な内訳は、次の通りです。
インフルエンサーへの報酬
インフルエンサーへの報酬が、インフルエンサーマーケティングにかかる費用の大部分を占めます。一般的にフォロワー単価によって報酬が決定されるため、フォロワー数が多いほど、費用も比例して高くなります。
自社製品のサンプル代金や配送料
インフルエンサーに自社製品を紹介してもらう場合、無料で製品を提供することが一般的です。また、インフルエンサーへ送る際の配送料もかかります。
交通費・宿泊費
インフルエンサーをイベントや自社オフィスに招く場合、交通費や宿泊費の負担も考慮する必要があります。 これらの費用は企業側が負担するのが一般的であり、さらに拘束時間に応じて追加費用が発生することもあります。
インフルエンサーの依頼にかかる費用相場(依頼方法別)
インフルエンサーマーケティングにかかる費用相場は、依頼方法によって異なります。
マッチングプラットフォームを利用する際の費用相場
マッチングプラットフォームを利用する際の費用は、主に次の形式で決められています。
①マッチング成果報酬型
事前に決めた項目に応じて費用を支払う形式です。例えば、フォロワー数を項目とする場合、フォロワー数×2~4円が一般的な相場となっています。
②システム利用料+インフルエンサーへの報酬型
マッチングプラットフォームの利用に、固定の月額費用が必要となる形式です。相場は月額2~5万円ほどで、この定額費用+成果の10%前後などをインフルエンサーへ報酬として支払うとされています。
代理店へ依頼する際の費用相場
代理店にインフルエンサーのキャスティングを依頼する際も、フォロワー数などを基準に費用が決まるパターンが多いです。相場はフォロワー数×2~4円ですが、動画再生数を基準とする場合は再生数×3~20円が目安となります。
また、代理店に支払う費用もかかります。依頼内容によってはインフルエンサーへの報酬の10~30%がかかる場合があります。
直接依頼する際の費用相場
インフルエンサーへ直接依頼する際の相場は、以下の通りです。
SNSプラットフォーム |
フォロワー単価(円) |
---|---|
2~3円 |
|
X(旧Twitter) |
2~3円 |
TikTok |
3~4円 |
YouTube |
4~5円 |
また、フォロワー数が多く認知度が高いインフルエンサーや、動画の撮影・編集まで行うインフルエンサーの場合、相場よりも費用が高くなる傾向が見られます。
インフルエンサーの依頼にかかる費用相場・計算方法
インフルエンサーに商品宣伝などを依頼する際の料金は、一般的に「フォロワー数×フォロワー単価(円)」で決まります。
フォロワー単価の相場は2~4円ですが、依頼内容によって変動します。
以下に、依頼ごとの費用の見積もりを紹介します。
商品ギフティングの場合
自社の商品をインフルエンサーの元に送り、SNSで体験した感想や使用感などを発信してもらう方法です。この場合の費用例は以下の通りです。
インシデントの緊急性・優先度を分類する
インシデントの報告を受けたら、これまでの事例を参考に緊急性・優先度の分類をしましょう。いくつかのインシデントが同時に起こってしまうこともあります。どのインシデントを優先すべきなのか、対応者全員で共通認識を持てるようにしておき、優先度の高いものから順に解決していきましょう。
- インフルエンサーのフォロワー数:5万人
- 起用人数:5人
- フォロワー単価:2円
- Instagramフィード投稿:1回
-
計算式:5万人×5人×2円=50万円
さらに、サンプル代金や送料などもかかるため、60万円前後の金額が見積もりになります。
現地訪問の場合
インフルエンサーに自社やイベント会場、観光地などに来てもらい、現地での生の体験や感想をSNSで発信してもらう方法です。この場合の費用例は以下の通りです。
- インフルエンサーのフォロワー数:5万人
- 起用人数:5人
- フォロワー単価:2円
- Instagramフィード投稿:1回
-
計算式:5万人×5人×2円=50万円
さらに、交通費、宿泊費、時間拘束費用、アクティビティ費などが必要に応じて加えると、60~70万円前後の金額イメージになるでしょう。
インフルエンサーの依頼前に確認しておきたいこと
インフルエンサーマーケティングを成功させるためには、事前の確認要点を整理し、適切なインフルエンサーを選定することが大切です。
ここでは、インフルエンサーに依頼する前に確認しておきたいことを紹介します。
依頼する目的に適しているか
インフルエンサーマーケティングの目的は、明瞭なブランディング、製品の購買促進、企業の認知度アップなどさまざまです。
影響力のある人物であることに加え、企業の目的に合致した人選であるかどうかも重要な選考基準となります。
例えば、販促活動が目的の場合はフォロワーとの距離が近いインフルエンサー、認知度アップが目的なら多くのフォロワーがいるインフルエンサーを起用するのがおすすめです。
自社ブランドや製品との相性
インフルエンサーとの相性が合わない場合、商品イメージの低下、投稿の炎上、顧客離れなどの原因となってしまうことがあります。そのため、自社ブランドや製品と相性の良いインフルエンサーを慎重に選ぶことが重要です。
相性を見極めるには、インフルエンサーの自己紹介・アイコン・投稿内容などから人物像を把握し、さらに投稿へのコメント返信やフォロワーとのやり取りも確認しましょう。これらの目に見える情報を活用し、影響力や情報拡散力を分析することで、相性の良いインフルエンサーを選びやすくなります。
フォロワー買いをしていないか
インフルエンサーの影響力を正しく評価するためには、フォロワーの質を見極めることが重要です。
特に注意したいのが、実態のないフォロワーを故意に水増しする「フォロワー買い」です。SNSによってフォロワー買いは違反行為にあたり、エンゲージメント率を大幅に下げる原因となります。
インフルエンサーの投稿への「いいね」の割合が1~2%に満たない、フォロー数に対してコメントが少なすぎるなどを判断材料に見極めましょう。
投稿頻度やエンゲージメント
インフルエンサーが継続して投稿をしていない場合、フォロワーの関心が薄れ、フォロワー離れが起きている可能性があります。そのため、投稿頻度や投稿の質も確認しましょう。
また、一般的に良質なエンゲージメントを確立しているインフルエンサーは、影響力や高い情報拡散力があります。肯定的なコメントが多く寄せられ、フォロワーの親密さを感じさせるやり取りが多く見られる場合、コンバージョン数やクリック数が多くなる傾向にあります。
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インフルエンサーの依頼後の進め方・確認しておきたいこと
ここでは、広告代理店など外部機関を通して依頼した際のおおまかな流れや、確認しておきたいことを紹介します。
起用したいインフルエンサーの条件を伝える
起用したいインフルエンサーの性別・年齢・人物イメージ・投稿イメージなどとともに、企画内容を提示します。自社がPRを行う目的やインフルエンサーに求めるクオリティなどを精査した上で、代理店とすり合わせを行いましょう。
代理店が条件に合ったインフルエンサーを決定する
代理店が条件に合ったインフルエンサーを選定し、見積もりやマーケティング施策などを提示します。
企業・インフルエンサー両者の了承を得てから契約へ進むため、インフルエンサーマーケティングに関する予算案やスケジュール案などを前もって把握しておきましょう。
代理店の制作物を確認する
代理店が持つ独自のノウハウやマネジメント力を主軸に、費用対効果の高い広告の作成や投稿などを行います。広告や投稿の質はもちろん、誇大広告や誤情報が書かれていないかも慎重に確認しましょう。法的な制約やユーザーの厳しい目があるため、適切な表現を徹底することが重要です。
▶【コラム】インフルエンサー起用による炎上を防ぐポイントはこちら
インフルエンサーマーケティングの成功事例(業界別)
インフルエンサーマーケティングの成功事例として、Instagramでも人気の高い美容関係と飲食業界の事例を紹介します。
美容業界の成功事例
YouTubeで活発に化粧品の情報発信を行っているインフルエンサーと化粧品メーカーがタイアップしたところ、動画作成が非常に上手かったため、Instagramのリール動画の投稿が大きな反響を呼びました。
コスメ・美容関連の投稿は、製品の効果や使用方法などをユーザーにわかりやすく伝えることが大切なため、動画コンテンツと相性が良いと言えるでしょう。
また、あるグラビアアイドルと化粧品メーカーとのタイアップ投稿では、期間限定ショップに訪れたことを記載し、ショップの雰囲気が伝わる動画も投稿されています。
化粧品メーカーは、商品の効果を宣伝するだけでなく、ブランドイメージアップをPRするコラボレーションを行うことも効果的です。
飲食業界の成功事例
ある料理研究家のアカウントと食品メーカーがタイアップした投稿では、メーカーの商品を使用したレシピを紹介しています。日ごろからレシピ投稿を行っているアカウントであったことから、スポンサード記事であっても広告らしさを感じさせることなく、ユーザーに自然に受け入れられる効果がありました。
また、グルメ情報を発信しているインフルエンサーと飲食店とのタイアップ投稿では、リール動画を作成し、店内でメニューを味わう様子を伝えています。特徴的だったのは、動画内に店舗スタッフが登場した点です。スタッフの人柄を伝えることで、ユーザーに安心感や親近感を与えられたと考えられます。
飲食店で行われた施策としては、他にも「投稿を見た」と伝えるとお会計が1,000円引きになるサービスを実施し、来店促進につなげる施策も取り入れて効果が出た企業もあります。
▶【ネット炎上レポート】2024年にプロモーション活動で発生した炎上事例はこちら
デジタルリスクに備えるならエルテス
エルテスでは、炎上しにくいインフルエンサーの選定や管理体制の整備をサポートし、リスクを最小限に抑えたインフルエンサーマーケティングを支援します。
▶【事前調査】タレントリスク事前調査はこちら
起用予定のインフルエンサーに炎上リスクがないか事前に調査するサービスです。
▶【研修支援】SNSリスク研修サービスの詳細はこちら
対象者に合わせた形でSNS炎上の仕組みや事例、対策を学べる研修サービスです。
▶【リスク検知】Webリスクモニタリングサービスの詳細はこちら
SNS上の炎上リスクの検知や対応を24時間体制でサポートします。
ぜひお気軽にご相談ください。
インフルエンサーのデジタルリスク対策はエルテスへ
まとめ
今回はインフルエンサーマーケティングの依頼方法や費用相場について解説しました。
SNSなどで影響力のあるインフルエンサーを起用し、製品・サービス情報を発信してもらうことで、ブランドの認知度向上や収益アップが期待でき、現在は多くの企業が取り入れています。
本記事を参考に、自社に適したインフルエンサーを起用し、宣伝活動の成果を最大限に高めていきましょう。