インフルエンサー起用による炎上を防ぐ。リスクのポイントと対策とは?
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企業で活用広がるインフルエンサーの存在
SNSで大きな影響力を持つインフルエンサーを活用した広告・マーケティング活動は年々広がっています。株式会社サイバー・バズと株式会社デジタルインファクトの共同調査によると、インフルエンサーマーケティングの市場規模は2020年で317億円と推計されており、5年後の2025年には723億まで成長することが予想されています。SNSごとの市場規模では、YouTubeが高く、次いでInstagram、X(旧Twitter)という順に規模の大きさを占めています。
商品やサービスのPRをインフルエンサーに依頼するマーケティング手法は、「インフルエンサーマーケティング」と呼ばれ、企業がYouTuberとコラボするなどインフルエンサーを起用するケースが増えています。インフルエンサーを起用するマーケティングのメリットとしては、ターゲティングと効果測定が比較的容易なことが挙げられ、インフルエンサーが持つ影響力・拡散力でPRができるため、狙ったターゲットに情報が届きやすくなります。 一方で、インフルエンサーマーケティングのリスクとは、何が考えられるでしょうか。
インフルエンサーマーケティングの失敗には、施策に投下した費用に対して認知が拡大しない、購買に寄与しないなど、想定していた効果が得られないこともあります。一方で、リスク視点で考えたときに気を付けなければならないのが、インフルエンサーマーケティングによって、批判やファン離れ、最悪の場合はネット炎上に至り、企業にとって、マイナスな印象を生んでしまうことです。今回は、インフルエンサーマーケティングのリスクのポイントと対策について解説します。
インフルエンサー起用における4つのリスク
ブランドイメージと合っていない
起用したインフルエンサーが企業の元々築き上げていたブランドイメージと大きく乖離してしまうと、批判を招く場合があります。ブランドイメージをわざと外したPRは、意外性という面で話題やSNSでバズることがあり、期待以上の効果を発揮するケースもあります。しかし、企業やブランドのリピーターやファンは、これまで構築してきたブランドイメージに共感や魅力を強く感じていることもあり、その期待に反することで固定のファンが離れる可能性があります。
ステルスマーケティングを行う
ステルスマーケティング(ステマ)とは、英語の「stealth(隠密、こっそり行う)」と「marketing」を組み合わせた言葉で、商品・サービスを消費者に宣伝と気づかれないように、口コミなどを発信する行為のことを指します。主にSNSや口コミサイト、通販サイトの口コミなどがステルスマーケティングで使われますが、インフルエンサーが企業からのプロモーションやPRなどを表記せず、商品紹介や感想を発信することで、ステマが疑われるケースがあります。
ステマはインフルエンサーが批判される他、企業の評判も下がる可能性もあります。インフルエンサーが故意にステルスマーケティングを行う可能性もあるため、インフルエンサーを起用する際にはステマをさせない、起こさないようコントロールすることが大切です。
インフルエンサーが起用中に不祥事や不適切な言動を行う
起用したインフルエンサーが企業のPRとは無関係なとこで炎上した場合、批判の渦中にいるインフルエンサーがバッシングされることはもちろんのこと、不祥事を起こすインフルエンサーを起用した企業にも批判が及ぶ可能性も考えられます。また、企業のPRに影響が出る場合、リスクマネジメントの観点から商品PRの投稿やコラボ動画などを取り下げる判断も必要になります。
インフルエンサーが過去に不祥事や不適切な言動をしている
近年、広告やPR、イベントに関わった著名人やタレントが、過去の不祥事や発言、SNSの投稿から批判や炎上に発展する事例が相次いでいます。いわゆる、キャンセルカルチャーですが、インフルエンサーを起用する場合も同様のことが考えられます。特に、SNS上でフォロワーが多くなる前に差別的な発言をしていた場合は掘り起こされて批判の元となる可能性があるため、事前に調査をすることが大切です。
インフルエンサー起用に向けて企業ができるリスク対策
■ポイント
- 炎上トレンドへの理解
- 起用するインフルエンサーの事前調査
- 管理体制の強化(インフルエンサーの管理、ユーザーの反響、炎上時の対応など)
前述したように、インフルエンサーを起用するにあたり直面しやすいリスクといえばネット炎上が挙げられます。近年、ネット上での批判のされ方は多様化しており、「絶対に炎上しない」とは言い切れません。一方で、過去の炎上事例や同業界の批判のケース、いわゆる「炎上トレンド」を把握しているか否かで、対策の取り方は大きく差が出ます。「過去に~したことで炎上した事例がある」という知識を有するだけで同じ轍を踏むことが避けられるため、リスク対策として大きな力になります。
事前にリスクを回避するという点では、インフルエンサーの選定が非常に重要です。自社のイメージと大きく離れ批判されるリスクがないか、過激な発言をして批判されやすくないか、過去に不適切な言動を行っていないかなど、前述のリスクのポイントを中心に炎上しにくいインフルエンサーを起用することが大切です。
また、起用したインフルエンサーとの契約やコミュニケーション、投稿内容など確認体制を整えておくことと、投稿に対するユーザーの反応や万が一批判的な投稿が見られた場合に取る対応などの管理体制を整備しておくことで、炎上の火種にもすぐに対応ができ、大きな炎上まで広がることを防ぐことが期待できます。
エルテスが支援するリスク対策サービスの紹介
SNSリスク研修
SNSによる炎上のメカニズムや過去の事例などからSNSのリスクについて理解していただく研修です。マーケティングや広報担当など企画部門の担当者向けに研修内容をカスタマイズし、提供することができます。また、事前に方針やゴールもすり合わせられるため、類似業界や企業規模を勘案した研修コンテンツのカスタマイズも可能で、その企業に合った研修の実施ができます。
オンラインレピュテーション調査
企業やサービス、著名人などに関するSNSを含むWeb上の評判(レピュテーション)を調査・分析し、レポーティングして納品するサービスです。たとえば、起用候補のインフルエンサーの調査はこちらのサービスに該当します。最近の投稿傾向からの炎上分析や過去のリスクのある言動の調査、インフルエンサーに対するSNS上の評判など、目的に応じた調査を実施いたします。また、企業とのブランドイメージに相違がないかなども調査可能です。
▶【リスク調査】オンラインレピュテーション調査サービスの詳細はこちら
ルール策定支援
SNS起因のインシデントを未然に防ぐためには、研修や調査だけではなく、SNS運用などに関する指針を定めておくことが重要です。ソーシャルメディアポリシーや公式アカウント運用ガイドラインなど、社外・社内向けにSNSルール策定を支援いたします。
Webリスクモニタリング
インフルエンサーの起用後にユーザーの反応の収集やネガティブな投稿の検知をする体制を構築することも炎上を防ぐリスクマネジメントとして有効です。24時間365日体制によるAIと専門家による監視で、機械だけでは見分けができないレベルのニュアンスのリスク投稿の検知・判別も可能です。また、万が一、炎上の火種となり得るリスク投稿を検知した場合は、緊急通知と初動のコンサルティングも実施することが可能です。
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インフルエンサーのデジタルリスク対策は、エルテスへ
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