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「知らなかった」では済まない!飲食店のSNSトラブル事例3選

近年、飲食店とSNSの距離は非常に近いものになっている一方で、顧客対応の様子がSNS上で批判を受けたり、提供商品に対するクレームがSNSで拡散されたりするなど、トラブルは絶えず発生しています。

今回は飲食店に関連したSNSトラブルに対して、どのようなケースがあり、どういった対処が有効か紹介していきます。(本記事で取り上げるケースは全て架空の事例になります)

※本記事は2021年11月に制作・公開された記事を再編集したものです。


目次[非表示]

  1. 1.飲食店で注意すべきSNSリスク
  2. 2.ケーススタディで学ぶSNSトラブル
    1. 2.1.ケース1:従業員によって引き起こされるSNSトラブル
    2. 2.2.ケース2:来店したお客とのSNSトラブル
    3. 2.3.ケース3:関係ない第三者とのSNSトラブル
  3. 3.今からできる!SNSトラブルを回避するための3つのポイント
    1. 3.1.①定期的にSNSをチェックする(エゴサーチ)
    2. 3.2.②炎上のトレンドや対応の好事例などの最新情報に目を通す
    3. 3.3.③運用しているSNSの投稿内容に注意する
  4. 4.まとめ


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飲食店で注意すべきSNSリスク

昨今、SNSにおけるトラブルは媒体の種類に限らず多様化しています。例えばInstagramに投稿された不適切な動画や写真であれば、スクリーンショットで保存され、TwitterやYouTubeに投稿されることもあります。元々投稿されたSNSでは注目度が高くなかったものや、クローズドな環境にあったものが他のSNSに転載され一気に拡散・批判されるといった、複数のSNSをまたいで飛び火していくパターンも増えています。

SNSで起こったトラブルが一度拡散されてしまうと消すことは簡単ではありません。限定公開などにしていても、その投稿を閲覧可能なユーザーからスクリーショットや動画が漏洩し、拡散してしまった事例も多数あります。SNSを運用していなくても、SNSでトラブルに巻き込まれる可能性が十分考えられます。そのため、様々なSNSトラブルについて理解しておくことが大切です。


ケーススタディで学ぶSNSトラブル

ケース1:従業員によって引き起こされるSNSトラブル

とある飲食店で働くアルバイトのAさんは仲間内で盛り上がると思い、食材をなめる動画を撮影、Instagramのストーリー機能を使って投稿しました。しかし、それを偶然見た別のユーザーがTwitter上に転載し、急速に拡散・批判され、ブランド名や店舗名が特定され、炎上に至りました。さらに、ネットニュースやテレビニュースなどのマスメディアに取り上げられ、社会的に注目を集める事態にまで発展しました。

このトラブルによって飲食店には、管理責任を問う声や失望の声などがSNSを通して寄せられました、さらに、問い合わせや苦情の電話も増え、それらの対応に追われました。飲食店側は営業休止に追い込まれる結果になりました。
問題を起こした従業員も退職を余儀なくされた他、飲食店から賠償請求も求められることになりました。


ケース1ではアルバイトの従業員が不適切な行動を行ったトラブル事例を紹介しました。いわゆる「バイトテロ」と呼ばれるケースです。

バイトテロを行った従業員個人はSNS上で批判されるだけではなく、従業員の名前・住所・学歴・家族構成などが特定され、そういった情報がSNSなどを通してネット上に晒されます。さらに、問題を起こされた飲食店や従業員の自宅、(学生の場合)所属している学校など、多方面に対しても特定と批判が殺到するといった事態にもなるため、被害の規模は非常に大きくなります。


また、アルバイトだけでなく、正社員であってもこういったSNSトラブルを引き起こす危険性は十分にあり得ます。雇用形態に関わらず、食品という衛生面で強い信頼の上で成り立つ飲食店では、それらの信頼を低下させるような振る舞いが起きないように注意や対策をしておきましょう。


ケース2:来店したお客とのSNSトラブル

とある飲食店では、行政からの時短営業の要請を受けて、急遽通常の営業をやめ、テイクアウトや配達サービスに切り替えました。当初は注文も多く、繁盛していたものの、ある日を境にSNSで批判的な投稿が増えました。その内容は「商品の中身がぐちゃぐちゃになっている」「商品のイメージ画像と大きく違った商品が届いた」といったものでした。急遽テイクアウトを始めたことも影響し、商品に不備が出てしまい、クレームの声がいくつもSNSで上がりました。

批判的なSNS投稿をきっかけにネット上や電話でも苦情が飲食店に寄せられるようになり、テイクアウトを始める前より売上が下がるなど、経営に大きな影響が出てしまいました。


昨今の新型コロナウイルス感染拡大とそれに伴う緊急事態宣言などを受けて、営業規模・時間の縮小や営業形態の変更を余儀なくされた飲食店も少なくありません。その一方で、テイクアウトやデリバリーに対して不慣れなまま提供を始めてしまうと、品質面でクレームが発生してしまうリスクもあります。


クレームは店舗に直接伝えられた場合、当事者間で解決されることが多いですが、SNSでクレームを発信するケースもあります。このようなケースだと飲食店は実態を把握することが難しく、知らぬ間に悪評が広がり、気づいたときにはもう手遅れという事態になってしまいます。テイクアウトやデリバリーの場合、お客様と対面で接する機会は制限されるため、より一層SNS上でクレームが発信される可能性があり、リスクは高まると考えられます。


ケース3:関係ない第三者とのSNSトラブル

とある飲食店では緊急事態宣言による営業の自粛要請を受けて、夜8時までは通常営業とし、深夜11時まではテイクアウトのみの営業に切り替えました。すると、8時以降も店舗が開いてることに気が付いた人が「自粛をしない飲食店」としてSNSに店名や住所を投稿しました。その投稿を見た人が、事実確認をしないまま、店舗への抗議の電話や、飲食店のSNSアカウントに抗議のコメントやメッセージを行う事象が発生しました。

さらには店舗の周りをうろつく、果ては店舗の扉に「自粛しなければ通報する」などという張り紙をするといった物理的な被害にまで発展していきました。その飲食店は最終的に営業を続けることが難しくなり、休業に追い込まれるといった事態になりました。


緊急事態宣言下の中には、営業している店舗やマスクをしないで外出する人に対して私的な取り締まりをする人々が現れ、そのような人々を指す「自粛警察」という言葉が誕生していました。

今回紹介した事例では、「通常通り営業している」という思い込みと、「自粛すべきなのに営業をしているから取り締まろう」という正義感によって、トラブルに発展したケースになります。実際にも自粛要請に従いつつ工夫をしている店舗が、風評被害を被ってしまう例が多発しました。

また、自粛警察に限らず、大規模な災害や事件・事故が起きた際に、いつもと同じような活動を行っている人や組織に対して社会に対する善意や正義感から「不謹慎だ」「こうあるべきだ」と過度な批判を行うケースが近年目立っています。このようなSNSトラブルに対しては、実際に起きた事例などをリサーチし、注意を払うべきシチュエーションを想定しておくことが大切です。


今からできる!SNSトラブルを回避するための3つのポイント

これまで飲食店が巻き込まれやすいSNS上のトラブルについて、誰がどのように起こすのかという観点から3つのケースを紹介してきました。SNSにおけるトラブルへの対処は、「早く見つけて正しい情報を発信し、上書きする」ことが肝要です。

SNS上でトラブルが発生し、それが拡散されてしまうと、基本的にネット上から消すことは難しくなります。情報の真偽に関わらず、そういったトラブルがあったという投稿や、それに対するユーザーからのコメントが残り続け、店舗の評判を落とす要因になり得ます。さらにそういった投稿を見た無関係のユーザーから新たな批判や誹謗中傷に晒される危険があります。


ここでは今から始められる有効な対策方法を3つ紹介します。


  1. 定期的にSNSをチェックする(エゴサーチ)
  2. 炎上のトレンドや対応の好事例などの最新情報に日頃から目を通す
  3. SNSを運用している場合、投稿内容に注意する


①定期的にSNSをチェックする(エゴサーチ)

SNS上での拡散は時と場所を選ぶことなく、素早く一気に拡散していきます。たとえばTwitter上でクレームが拡散され、炎上に至った投稿は24時間以内に数百~数万もの拡散がされ、拡散された数の何倍ものユーザーがその投稿を目にすることになります。 気づいた時には何万人もの人に見られ、後から慌てて事情説明をしようにも、一度クレーム投稿を目にしたユーザー全員に正しい情報は届きにくいものです。

炎上の火種となる投稿を素早く見つけることができれば、適切な対処するための時間を稼ぐことができます。ネガティブ投稿の拡散が小さい段階で適切に自店舗の声明を出すことで、その投稿に紐づけられる形で正しい情報も目に触れられる機会が多くなります。


リスクのある投稿を素早く見つけるためにも定期的にSNSをチェックすることは効果的な対策となります。具体的には、自店舗名や商品名、商品の種類+地名(“ケーキ 大門”)などで検索する方法があります。また、SNSではタグと呼ばれる「#〇〇」を付けて投稿する文化があるため、自分たちの店舗や商品に関連するタグを把握しておき、定期的にチェックすることも出来ます。


②炎上のトレンドや対応の好事例などの最新情報に目を通す

「歴史は繰り返す。」ということわざがありますが、SNSのトラブルに関しても同様のことが言えます。

過去のSNSにおける炎上事例を見比べると、同じような原因で炎上に至っている例がよく見られます。例えば、批判や対立が起きやすい政治や宗教、ジェンダーなどセンシティブな事柄に関する投稿をして炎上する事例は世界的に見ても多数あります。


ケース1でも取り上げたバイトテロなども、従業員の”その場のノリ”による想像力の欠如した行動から起こることが多いです。過去に批判・炎上の的になった話題や、リスクのある行為に対して適切な対応を行い企業の評価が上がった例などもネットでは日々情報が更新されています。そういった情報に日頃からアンテナを張り、目を通しておくことで、SNSのトラブルのリスクを低くすることができます。


③運用しているSNSの投稿内容に注意する

投稿内容に注意する方法としては、投稿内容の二重チェックや公式アカウント運用ガイドライン/ソーシャルメディアガイドラインの策定が有効です。

不適切な投稿やリスクのある投稿を防ぐために、「政治や宗教に関する話題は投稿しない。」「従業員は自店舗のことを発信しない。」というように明文化し、従業員やSNS担当者の間で投稿してはいけない事を確認することで自身やその周囲が発端となるバイトテロのような炎上は防ぐことが可能です。


また、投稿を作成する人は発信したい内容や投稿後の反響を意識して客観的に見ることが難しくなります。不安のある投稿などは複数の目を利かせることで、第三者から見て危険のある投稿か判断することができます。


まとめ

SNSの利用者が増えるにつれ、SNSに関連したトラブルも多様化しています。SNS運用の有無に関係なく、思わぬトラブルと遭遇する可能性もあります。もしもの場合に備えて、日ごろからリスク対策や事例収集などを行ってみてはいかがでしょうか。


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