
企業のInstagramの炎上事例10選 原因と対策、炎上した時の対処方法を紹介
近年、企業のInstagramが炎上するケースが増えています。広告表現の問題や不適切な投稿、ステルスマーケティングなど、さまざまな要因が炎上を引き起こしています。
この記事では、業界別のInstagram炎上事例10選を紹介し、炎上の原因や対策から、万が一炎上した際の適切な対応方法まで詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.企業のInstagramの炎上事例10選
- 1.1.ファッション業界
- 1.2.美容業界
- 1.3.情報通信業界
- 1.4.スポーツ業界
- 1.5.飲料業界
- 1.6.航空業界
- 1.7.小売業界
- 1.8.健康食品業界
- 1.9.メディア業界
- 1.10.観光業界
- 2.企業のInstagramの投稿が炎上する3つの原因
- 2.1.不適切な表現や言動
- 2.2.ステルスマーケティング(ステマ)疑惑
- 2.3.薬機法・景表法違反
- 3.他のSNSよりInstagramが炎上しにくい理由
- 3.1.拡散しにくい仕組み
- 3.2.画像中心の投稿
- 3.3.フォロワー向けの発信が中心
- 3.4.自浄作用アルゴリズム
- 4.Instagramを炎上させないための対策
- 4.1.情報の管理方法を統一する
- 4.2.投稿内容の事実関係を確認する
- 4.3.無許可で他企業や個人を巻き込まない
- 4.4.否定的な発言や自己中心的な投稿を避ける
- 5.Instagramが炎上した際の対処方法
- 5.1.炎上の原因を特定する
- 5.2.社内へ情報を共有する
- 5.3.今後の対応を決める
- 6.まとめ
企業のInstagramの炎上事例10選
企業のInstagramの炎上は、広告表現の問題やステルスマーケティング、不適切な投稿など、さまざまな要因が炎上の引き金となっています。
ここでは、業界ごとに実際に発生した炎上事例を取り上げ、どのような投稿が批判を招いたのかを具体的に見ていきます。
ファッション業界
あるファッションブランドの広告が、過去の戦争を連想させるとして炎上しました。
広告には壊れた壁や手足のない彫刻が映されていました。実際にあった爆撃後の光景を思わせるとして批判が殺到し、「大量虐殺キャンペーン」との非難も広がりました。他にも消費者にボイコットを求める声も相次ぎました。
ブランド側はこのような反応を受けて広告を削除しました。親会社は「通常の更新作業」と説明し、紛争との関連を否定しつつも、一部の人々に不快感を与えたことを認め、謝罪しました。
美容業界
あるモデルの「出直しヘア」と呼ばれる投稿が話題になったのに対して、あるヘアブランドがそれを嘲笑する投稿を行い、炎上しました。
「出直しヘア」というのはスキャンダルを乗り越えたモデルが髪を短くし、騒動後初めて投稿したもので注目を集めていました。ヘアブランドも有名だったため元々多くの支持を得ていましたが、本事象では批判が殺到し、投稿の削除と最終的には謝罪する事態に至りました。
情報通信業界
ある通信会社の公式アカウントが、コラボ投稿を巡り炎上しました。
普段は犬が出てくる親しみやすい投稿が中心でしたが、ある芸人とのコラボで雰囲気が大きく変わった悪ふざけが過ぎる内容に「ほのぼのした投稿が見たい」「企業アカウントとして不適切」との声が相次ぎました。
批判が広がったため、投稿を削除し、コラボ相手とともに謝罪しました。
スポーツ業界
あるスポーツチームが、公式アカウントに投稿した動画を巡り炎上しました。
チームの公式アカウントが、特定の選手に対して悪ふざけをする様子を投稿しました。この動画に対し、「ハラスメントではないか」との批判が殺到しました。
炎上を受け、投稿を削除しましたが、批判は収まらず、最終的に公式サイトで謝罪する結果になりました。
飲料業界
ある女優のInstagramアカウントが、ステルスマーケティングではないかとの批判を受け、炎上しました。
元々SNS運用を行っていなかった女優のInstagramアカウントが新たに立ち上げられ、プライベートショットのような写真を投稿されたことで、短期間で多くのフォロワーを獲得しました。
しかし、実際には飲料メーカーのプロモーションの一環で作成されたアカウントで、投稿も全てプロモーション用の写真であることが判明し、「広告であることを明示すべきだったのではないか」との声が相次ぎました。
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航空業界
ある大手航空会社が公式アカウントに投稿した動画を巡り炎上しました。
公式アカウントで新たに起用した人気YouTuberグループの動画を投稿したところ、そのグループが別の場所で契約トラブルなどを起こしていたこともあり、起用に対して「過去のトラブルを考慮すべきではなかったか」との批判が相次ぎSNSでは賛否が分かれました。
小売業界
ある大手ディスカウントストアが、公式アカウントに投稿した内容を巡り炎上しました。
公式アカウントが、「#みんなは○○で何盗んだことある」というハッシュタグを付けた投稿を行ったところ、このハッシュタグに対し「企業アカウントとして不適切ではないか」との批判が殺到しました。
炎上を受け、運営会社は「社会性に反する表現だった」と判断し、投稿を削除しました。さらに、公式アカウント上で謝罪コメントを発表し、再発防止に努めると説明しました。
健康食品業界
あるサプリメントを販売する企業が、公式アカウントでの表現で炎上しました。
公式アカウントが、「乾燥知らずのうるおい肌へ」という表現を使用したところ、サプリという製品特性上、薬事法違反にあたるのではないかとの指摘が相次ぎました。
この炎上を受け、公式アカウントでは謝罪文と今後の対策を発表する事態になりました。
メディア業界
あるメディア運営会社が、公式アカウントの運用で炎上しました。
公式アカウントでは、一般の利用者を装いダイエット成功談を投稿し、自社運営サイトの商品を紹介していました。しかし、アカウントの運営者が鍵付きアカウントで、「ダイエット成功に見せかけるために暴飲暴食を繰り返していた」と投稿したことで発覚し、「ステルスマーケティングではないか」との批判が殺到しました。
炎上を受け、企業は謝罪し、運営サイトまで閉鎖する事態になりました。
観光業界
ある観光施設が、公式アカウントでのプロモーションを巡り炎上しました。
施設内に登場した巨大なピンクのアヒルが「インスタ映え」を狙い、大きな話題を呼びました。しかし、「海外の芸術家の作品の模倣ではないか」との指摘が相次ぎ、多くの批判を呼びました。
企業のInstagramの投稿が炎上する3つの原因
このように企業のInstagram投稿が炎上し、謝罪に追い込まれるケースが相次いでいます。では、問題はなぜ起こるのでしょうか。
企業のInstagram投稿が炎上する主な原因を3つ解説します。
不適切な表現や言動
企業の公式アカウントで配慮に欠けた発言や行動を投稿すると、ユーザーから批判を受け、炎上につながる可能性があります。特に、政治・宗教・ジェンダー・人種に関する偏見を含む内容や、過去の事件・災害に関連する投稿は、社会的な反感を招きやすいため注意が必要です。
また、個人アカウントと企業アカウントの混同による誤投稿(誤爆)も炎上の原因となります。企業は投稿前に内容を精査し、適切な表現を心がけることが重要です。
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ステルスマーケティング(ステマ)疑惑
企業が広告であることを明示せず、個人の意見のように見せる投稿は、ユーザーの信頼を損なう原因になります。ステルスマーケティング(ステマ)は、企業の透明性を疑われるだけでなく、法的な問題につながることもあります。
特に、インフルエンサーを起用する場合は、広告主との関係性や報酬の有無を正しく伝えることが重要です。「プロモーション」「PR」「広告」「宣伝」などの文言を明確に記載し、誤解を招かないようにしましょう。
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薬機法・景表法違反
化粧品や健康食品の広告には「薬機法」と「景品表示法」が適用され、誤った表現を使うと法律違反となる可能性があります。
薬機法は、医薬品や化粧品、サプリメントの広告表現を規制し、安全性を確保することを目的としています。
景表法は、消費者が誤解しないよう、不当な広告表現を禁止しています。
違反すると行政処分を受けたり、炎上につながったりするため、企業は慎重に表現を選ぶ必要があります。
他のSNSよりInstagramが炎上しにくい理由
Instagramは、他のSNSと比べて炎上しにくいと言われています。その背景には、拡散のされにくさや投稿の特性が関係しています。
拡散しにくい仕組み
Instagramは、SNSの中でも拡散機能が弱いSNSといえます。
リポスト機能を持つX(旧Twitter)や、再生回数が伸びるとランキングに乗ってしまうYouTubeと比べると、Instagramには投稿を不特定多数のユーザーにボタン一つで簡単にシェアできる機能がありません。
そのため、投稿が広範囲へ拡散しにくく、炎上のリスクが相対的に低くなります。
画像中心の投稿
Instagramは画像をベースとしたSNSであり、炎上の原因となる要素が限られています。例えば、不適切な被写体の使用、企業アカウントのステマ投稿、コスメ系アカウントの薬機法違反などが挙げられます。
テキスト重視のSNSに比べ、炎上のパターンが限定されているため、事前に適切な対策を講じることでリスクを抑えやすいSNSといえます。
フォロワー向けの発信が中心
Instagramは、不特定多数ではなく、自分のアカウントに興味を持っているフォロワーへの情報発信が中心となるSNSです。比較的クローズドな環境により、批判的なコメントがつきにくく、炎上が発生しにくいといえます。
自浄作用アルゴリズム
Instagramは、差別・暴力・不適切な内容を含む投稿を禁止する「コミュニティガイドライン」を定めており、AIによる自動検出システムが違反投稿を削除する仕組みになっています。
さらに、ユーザーは不適切な投稿やアカウントを運営に報告することができ、運営側も比較的早くアカウントの凍結や投稿削除の対応を取るため、自浄作用が強く働くSNSといえます。
Instagramを炎上させないための対策
Instagramを運用する上で、炎上を防ぐにはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。
情報の管理方法を統一する
複数の担当者がInstagramを運用する場合、管理方法に一貫性がないと炎上のリスクが高まります。全員が共通の基準で情報を管理できるよう、ルールを明確にすることが重要です。
例えば、以下の対策が挙げられます。
- 投稿前に個人情報や炎上リスクを確認するチェック項目を設定する
- 必ずダブルチェックを実施する
情報管理のルールをマニュアル化することで、担当者が変わっても適切な運用を継続でき、炎上リスクを最小限に抑えられます。
投稿内容の事実関係を確認する
企業アカウントで投稿する内容は、正しい情報であることが大切です。
誤解を招く表現や虚偽の情報が含まれていないか、人によって違う受け取り方をされる言葉が入っていないか、注意しなければなりません。
そのため、前述したように確認のチェック項目を設けたり、投稿前に第三者にも内容を確認してもらい、誤解を生まない表現になっているか確認することが重要です。
無許可で他企業や個人を巻き込まない
Instagramで他企業や個人が関係する内容を含める場合は、必ず事前に許可を取るようにしましょう。関係者の同意なく名前や写真、商品などを投稿すると、トラブルの原因になりかねません。場合によっては炎上するだけでなく、法的な問題に発展することもあります。
少しでも他企業や個人と関わる内容が含まれる場合は、事前に確認し、適切な対応を行うことが重要です。
否定的な発言や自己中心的な投稿を避ける
企業アカウントの運用では、注目を集めるために工夫することが大切ですが、否定的な発言や他者への配慮を欠いた投稿は避けるべきです。他者を批判する内容や、誰かを傷つける可能性がある表現は、予期せぬ反発を招き、炎上につながる恐れがあります。
自社が発信する情報は、不特定多数の人に見られていることを常に意識し、慎重に言葉を選ぶことが重要です。
Instagramが炎上した際の対処方法
企業のInstagramが炎上した際、適切な対応を取ることで被害を最小限に抑えることができます。初動の対応を間違えると、批判がさらに広がり、企業の信頼が損なわれる可能性があります。
炎上の原因を特定する
炎上が発生した際、すぐに投稿を削除すると「責任逃れ」と受け取られ、かえって批判が強まることがあります。
まずは冷静に状況を把握し、何が炎上の原因となったのか、ユーザーがどのような意見を持っているのか、炎上の規模はどの程度かを正確に分析することが重要です。その上で、投稿の削除や訂正を行うか、あるいは慎重に状況を見守るかを判断します。
社内へ情報を共有する
炎上の原因や影響範囲によっては、企業全体に影響を及ぼす可能性があります。
アカウント運用担当者が独断で判断するのではなく、関係部署と連携し、今後の対応方針について情報を共有・検討することが大切です。
今後の対応を決める
炎上後の対応は、通常の投稿よりも注目を集めるため、慎重な対応が求められます。
対応が不適切であったり、発言が二転三転すると、さらなる批判を招く恐れがあります。企業の対応には一貫性を持たせ、誠実な姿勢を示すことが重要です。必要に応じて謝罪や説明、再発防止策などを示し、今後の運用改善にも活かしましょう。
SNSリスクの相談はエルテスへ
まとめ
企業のInstagramは、投稿ひとつで炎上し、信頼を損なうリスクがあります。不適切な表現や誤解を招く広告、ルール違反が原因になりやすいため、事前のチェックや管理体制の整備が欠かせません。
炎上を防ぐ工夫をしながら、企業の魅力が伝わる安全な運用を心がけましょう。