社内コンプライアンス意識を向上させるための効果的な取り組みを解説
パワハラやセクハラはもちろん、最近ではSNSでの不適切な発言など、企業のコンプライアンス違反は後を絶ちません。不祥事などを起こさせないよう、日頃から社内のコンプライアンス意識を高める取り組みが大切です。
今回は、コンプライアンス意識を向上させるための効率的な取り組みを解説します。
目次[非表示]
- 1.コンプライアンスとは
- 2.コンプライアンス違反の具体例
- 2.1.①SNSによるステルスマーケティング
- 2.2.②新入社員へのパワハラ
- 3.コンプライアンス意識を向上させる取り組み
- 3.1.基準となるポリシー・ガイドラインを定める
- 3.2.社員研修を実施する
- 3.3.e-ラーニングの活用
- 4.コンプライアンス意識をより一層向上させるには?
- 4.1.コンプライアンスに対する社員の意識を正しく把握する
- 4.2.明確にゴールを定めて共有する
- 4.3.継続的に教育を実施する
- 5.まとめ
- 6.【関連情報】
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コンプライアンスとは
コンプライアンス(compliance)は、 直訳して「法令遵守」と言われることが多くありますが、企業が法令・規則・社会的倫理などに従い業務を行うという意味も含まれています。
昨今、職場におけるコンプライアンスは多様性を増しており、コンプライアンスの意識向上が求められています。
コンプライアンスを守ることは、企業の評価やブランディングを守ること、法的トラブルに発展するリスクを抑えることに繋がります。ほかにも、ステークホルダーとの信頼関係を築いたり、健全な経営を続けていくためにも非常に重要です。
コンプライアンスが重視される背景
コンプライアンスが重視される背景のひとつとして、パソコンやスマートフォンの普及率の上昇があります。
2010年以降、スマホが普及した影響からSNSやネットニュースなどを用いた、インターネット上でのやり取りや情報収集が一般的になりました。それに伴い、企業や個人の不祥事が不特定多数の人の目に触れる機会が増加。そのため、コンプライアンス違反の情報が拡散されやすく、企業経営に大きな影響を及ぼしてしまいます。
さらに、インターネットの普及によるサイバーテロ被害も年々増えています。企業は、情報漏洩をIT面でも防止しなければなりません。
コンプライアンス違反がなぜ起こってしまうのか
コンプライアンス違反が起こってしまう要因は、3つに分類できます。
①社員一人ひとりのコンプライアンスの意識が低い
コンプライアンスに対する社員一人ひとりの意識が低いと、企業経営に悪影響を与えることがあります。コンプライアンス違反は、会社の法令違反のみならず、個人の不祥事なども対象です。したがって、個人レベルで意識を高めていく必要があります。
②コンプライアンス違反が発生しやすい環境になっている
各社員がコンプライアンスへの意識が高かったとしても、労働環境が整っていないとリスクは高いままです。
「社内規範や行動指針などのルールが曖昧」「社員の管理体制がずさん」「コンプライアンス教育ができていない」など、どれか1つでも当てはまるようなら、いつコンプライアンス違反が発生してもおかしくありません。
③コンプライアンス違反を報告する仕組みがない
職場でハラスメントが起こっていても、相談や報告ができるところがないとコンプライアンス違反まで繋がる可能性があります。特に地位が低い社員ほど相談できず抱え込んでしまい、気づいた時には手遅れということもあり得ます。社内に相談窓口を設置し、悩みを相談しやすい環境を整えることで、未然にコンプライアンス違反を防ぎましょう。
コンプライアンス違反の具体例
コンプライアンス違反と一口に言っても、様々な事例があります。過去の具体例を参考に、社内コンプライアンス意識の向上に役立ててみてください。
①SNSによるステルスマーケティング
美容系のランキングサイトを運営していたA社は、同社スタッフにインスタグラムで宣伝させていた事実を隠しながらステルスマーケティングをしていました。スタッフが女性ユーザーになりすまし、痩せる様子を公開しつつ商品紹介もしていたという事例です。
A社の職場で撮った写真や、スタッフと思われる女性が他のSNSで「減量の成果を強調するためにわざと太った」と公表し、問題が発覚。A社はランキングサイトやインスタグラムを閉鎖しました。
②新入社員へのパワハラ
防災機器を販売する会社の新入社員だったBさんが、入社して間もなく上司の日常的なパワハラ被害を受けた事例があります。業務上の失敗が多いことがきっかけで、Bさんは人格を否定されるような発言をぶつけられていました。パワハラもコンプライアンス違反に該当すると考えられることが多く、休職や自殺の原因ともなるため防止する取り組みが求められます。
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コンプライアンス意識を向上させる取り組み
1回でもコンプライアンス違反を起こしてしまうと、信頼を回復するために膨大な時間を要します。それゆえ、社内での教育は必要不可欠です。コンプライアンス意識を向上させる取り組みについて紹介します。
基準となるポリシー・ガイドラインを定める
まずは、基準となるポリシーやガイドラインを定め、社内全体のコンプライアンスの基準を統一しましょう。人によって考え方や境界線が異なるため、会社として求めるコンプライアンスを周知することが大切です。また、ただ守ることだけを強調するのではなく、違反した場合の処罰も一緒に共有することで、抑止に繋がります。
社員研修を実施する
具体例を取り上げながら実施する社員研修が効果的です。企業や職場の意識を統一しやすい上、実際の業務と関連付けて覚えやすいためです。「今後社内外で起こるかもしれない」「自分が起こしてしまうかもしれない」という危機感を社員一人ひとりに持たせて、コンプライアンスに対する意識を底上げできます。
研修は責任範囲ごとに実施すると効果的で、役員・管理職・一般社員、全ての人を網羅する研修計画を立てましょう。
e-ラーニングの活用
全社員を一か所に集めるのが難しい場合は、インターネットを活用したオンライン研修も1つの方法です。特にe-ラーニングの利点は、いつでもどこでも好きな時間に受講できること、繰り返し学べることです。
オンラインで研修を行う場合は、各社員のコンプライアンス意識が高くなったか判断できないため、e-ラーニングを通じた理解度チェックやテストも併せて準備しておくと良いでしょう。
コンプライアンス意識をより一層向上させるには?
社員研修やe-ラーニングを用いる時に併せて知っておきたい、コンプライアンス意識をより一層向上させるための要点を見ていきましょう。
コンプライアンスに対する社員の意識を正しく把握する
最初に、社員のコンプライアンス意識を調査しましょう。長く務めている人の中には「法律さえ守っていれば大丈夫」という意識を持っている人もいるかもしれません。
昨今、「コンプライアンス」という言葉は複雑化しているため、社内規則を遵守することも重要です。それぞれの社員の話に耳を傾け、教育を始める前にコンプライアンスに対する意識を正しく把握しましょう。
明確にゴールを定めて共有する
コンプライアンスに対する、会社全体のゴールを決めて共有します。会社には勤続年数が長い人・短い人、経験が豊富な人・浅い人など様々な人が働いています。会社全体にコンプライアンスの意識を根付かせるためにも、5W1Hでゴールをはっきりさせ、意識を高めていきましょう。
継続的に教育を実施する
コンプライアンス教育は1回限りで終わらせるのではなく、コンスタントに継続して行いましょう。法令の制定や改定が実施されることもあり、常に法律やルールは変化します。また、1度理解しただけでは定着しにくいので、何回も繰り返して教育するようにしましょう。
まとめ
近年、企業には法律や一般常識、倫理を遵守するコンプライアンス意識が強く求められています。SNSで簡単に不正や不祥事が拡散されてしまう現代、会社全体でコンプライアンス違反のリスクについて学び、社員一人ひとりのコンプライアンスに対する意識を向上させる必要があります。
健全な企業経営を続けていくためにも研修や理解度チェックを行い、コンプライアンス違反を未然に防ぎましょう。
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