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企業CMで炎上しないためには?事例からみる炎上と対策を解説

企業CMは、自社のブランドや製品について広く伝える効果的なプロモーション方法ですが、時に視聴者との間に生じるギャップにより炎上する場合があります。本記事では、企業CMが炎上しないための対策について、解説していきます。


目次[非表示]

  1. 1.企業CMの炎上とは
    1. 1.1.企業CMが炎上する仕組み
    2. 1.2.企業CMが炎上した場合の影響
  2. 2.CMの炎上に見られる傾向
    1. 2.1.性役割の固定化
    2. 2.2.ルッキズム・容姿の表現による性差別
  3. 3.企業CMの炎上事例
    1. 3.1.事例① 自動車メーカー
    2. 3.2.事例② 衛生用品メーカー
  4. 4.企業CMの炎上を防ぐには
    1. 4.1.ターゲット層を設定し見合ったコンテンツを制作する
    2. 4.2.多様な意見を取り入れたコンテンツ作り
    3. 4.3.社会的に敏感なトピックは避ける・外部の専門家にアドバイスを求める
    4. 4.4.SNSを活用して効果を測定・モニタリングする
  5. 5.まとめ
  6. 6.関連情報


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企業CMの炎上とは


企業CMが炎上する背景について詳しく見ていきましょう。


企業CMが炎上する仕組み

SNSの普及と同時に、企業や個人による発信内容が他者から批判・拡散される事例を多く見かけるようになりました。このような現象は「ネット炎上」などと呼ばれていますが、主にインターネット上で、1つのトピックに対して大量の批判が集まることを指します。

炎上が起きてしまう原因はさまざまですが、企業CMの場合、批判的な感想や不満・不快感などがSNS上で発信され、それらが共感や賛同を集め瞬く間にネガティブな論調として広がっていきます。さらに、影響力の強いインフルエンサーやネットメディアに取り上げられると、大きな炎上に発展する恐れがあります。


企業CMが炎上した場合の影響

企業CMが炎上した場合の影響は主に二つあります。

一つは「短期的影響」。炎上した際、企業の公式アカウントや関連ハッシュタグが注目され、一時的にWebサイトへのアクセスや問い合わせが集中する可能性があります。ブランドの評価を下げることにもつながりかねません。

そして、もう一つは「長期的影響」。炎上が起きると、「CMで炎上した会社」という印象とともに長期間にわたってブランドイメージや評価を下げる恐れがあります。結果として、売上や利益にも影響を及ぼすことも考えられます。


CMの炎上に見られる傾向

CMの炎上にはいくつか傾向がありますが、特に多いのがジェンダーの観点で批判が起きた事例です。ジェンダーへの無配慮は差別にも繋がるため、企業も日々認識をアップデートし続けることが求められます。ここでは企業CMの炎上に見られる傾向の一部を紹介します。


性役割の固定化

女性または男性を応援するような内容のCMが、性役割の固定化と受け取られてしまう場合もあります。

「母親はこうあるもの」「父親はこうあるもの」というような固定観念としてユーザーがCMを見てしまい、“性役割分業”を疑問視せず助長しているとして、炎上した事例も見られています。昔は日常的に使われていた表現も差別的に受け取られる可能性があり、使用しにくくなっていると言えるでしょう。


ルッキズム・容姿の表現による性差別

容姿や外見の表現の仕方によって、ユーザーから不快に受け取られることもあります。

例えば、化粧品メーカーやファッション関連企業などの女性を訴求対象としたCMは、自社のサービス・商品の魅力や優位性を示すために、“美しさ”や“若さ”を強調する内容になりがちです。しかし、それらが女性に生きづらさを感じさせることにつながり、不快に思った層からも批判が高まる可能性があります。


企業CMの炎上事例

ここでは、企業CMの炎上事例をご紹介します。


事例① 自動車メーカー

自動車メーカーのA社が制作したCMで描かれた家族像に批判が生まれ、炎上した事例です。


■CMの内容
サーフィン初心者と思われる夫が妻と子供を連れて海へ出かける。妻と子供が車の近くから見つめるなか、夫は何度も失敗しながら最後は波に乗ることに成功。夫と子供が後部座席で眠る姿を横目に、妻が運転する車で帰路につく。


何気ない家族の日常を描いたCMに対して、視聴者から「妻が夫の趣味に付き合わされた挙句、帰りの車の運転までさせられている」という意見が挙がったことから、炎上に至りました。一方で、状況や運転の安全性の観点から肯定的にとらえる人も多くいたため、家族像への理想や環境により感じ方の違いから一部で批判も生まれてしまったことが考えられます。


事例② 衛生用品メーカー

B社が制作したおむつのCMに女性からの批判が集中した事例です。


■CMの内容

生まれたばかりの赤ちゃんの夜泣きをあやしたり、散らかった部屋で赤ちゃんの泣き声を聞きながら呆然と座り込む母親の姿が映し出される。動画の最後に「その時間が、いつか宝物になる」という文字が表示されるというもの。


約2分のCMの中で父親が登場するのは約4秒。母親が育児のほとんどを頑張っている内容に、“ワンオペ育児を賛美している”と感じる人が多く、批判の声が寄せられてしまいました。特に、子育て経験のある女性から、過去の育児のつらさを思い出したという声も多く上がりました。


企業CMの炎上を防ぐには

企業CMの炎上を防ぐには、多種多様な要素を考慮する必要があります。


ターゲット層を設定し見合ったコンテンツを制作する

ターゲット層を設定し、それに適した内容のCMを制作することが大切です。顧客の需要や意見を理解し、自社製品の魅力や優れている点を効果的に発信しましょう。
また、ターゲット層とは異なる層が見た時に、批判が起きそうな部分を想定しておくことで炎上の可能性を低減させることができます。


多様な意見を取り入れたコンテンツ作り

CM制作の際に、様々なバックグラウンドや視点を持った人材をチームに加入させることも、炎上防止の対策として有効です。早いうちから潜在的なリスクを認識でき、適切な対策を講じることができます。


社会的に敏感なトピックは避ける・外部の専門家にアドバイスを求める

社会的に敏感なトピックは、人によって意見の違いなどがあるため、炎上が起こる可能性が高くなります。CMで使用する言葉やイメージをチェックし、問題がある場合は修正しましょう。
また、専門家の意見を取り入れることも手段の一つです。「不適切な表現ではないか」「誤解を招く可能性はないか」などを事前に指摘してもらうことができます。


SNSを活用して効果を測定・モニタリングする

SNSを活用することで、公開した企業CMのネット上の論調・効果をモニタリングすることが可能になります。SNSのモニタリングを日々の業務に導入すれば、炎上が起きたときも状況や顧客の認識を把握でき、次にとるべき行動を適切に選択できます。

また、SNSのモニタリングはターゲット顧客の情報収集にも役立つため、自社製品の改善点を見つけられるほか、新たなニーズの発見にもなります。また、誤った情報が発信された際もスピーディーに対応可能です。


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まとめ

企業CMで炎上しないためには、過去の炎上事例などから学び、あらかじめ対策を練ることが大切です。企画段階から、入念なリサーチやスタッフ間での検討を実施し、内容に問題がないかチェックすることを推奨します。

また、CMの公開タイミングも重要です。社会情勢にふさわしくないタイミングで公開してしまうと、炎上してしまう可能性もあるため、時代の変化や視聴者の価値観を吸収しながら、CM制作に活かしていきましょう。



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