企業の情報漏洩とは?特徴や影響、企業が行うべき対策を簡単に解説
データで個人情報や機密情報を管理する現代では、ネットによる情報漏洩が懸念されます。特に、膨大な個人情報を保有する企業では、情報漏洩がいつ発生してもおかしくはありません。
それに加え近年は、クラウドサービスやSNSの普及により、情報漏洩のリスクは一層高まっています。しかし、多くの企業は依然として従来の手法に頼っており、新たなリスクに対する十分な対策を講じていないのが現状です。
本記事では、情報漏洩とは何か、どのように防ぐか、そして企業が取るべき具体的な対策について詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.情報漏洩とは
- 2.情報漏洩と情報流出について
- 3.どこから情報が漏洩するのか
- 3.1.クラウドによる情報漏洩
- 3.2.不注意による情報漏洩
- 3.3.内部不正による情報漏洩
- 3.4.SNSによる情報漏洩
- 3.5.退職者による情報漏洩
- 4.情報漏洩するとどうなるか
- 5.損害賠償はどれぐらい請求されるのか
- 6.従業員へ求める2つの具体的対策
- 7.セキュリティ教育だけでは防ぎきれない情報漏洩への2つの対策
- 8.まとめ
- 9.関連情報
情報漏洩とは
情報漏洩とは、企業が大切に保管している情報が、意図せず外部に流出することを指します。
これには、個人情報や営業秘密が含まれ、漏洩した場合には企業の信頼が揺らぎます。さらに、賠償金請求などの経済的負担や、取引停止による売上減少、セキュリティ強化による従業員の業務負担増加などの問題が発生します。
詳しくは、「情報漏洩の原因とその対策とは?」で解説しています。
情報漏洩と情報流出について
情報漏洩の類義語に「情報流出」があります。どちらも「外部に出てはいけない情報が漏れてしまう」という意味合いで使われます。
場合によって、「情報漏洩」は企業の機密情報や個人情報など、特に外部に知られてはいけない情報を指し、「情報流出」は機密情報に限らない、モノや人材、技術など様々な情報を対象として、使い分けられることもあります。
しかし、実際には明確な使い分けはされておらず、同じ意味合いで使っているケースがほとんどです。
どこから情報が漏洩するのか
情報漏洩の原因は、人為的なミスや悪意のある第三者による攻撃などさまざまです。適切に対策するためには、まず情報漏洩の主な原因を把握することが大切です。
「ネットの情報漏洩を防ぐには?原因と5つの対策を紹介」でその全体像を確認できますので、ぜひお読みください。
クラウドによる情報漏洩
クラウド上でのデータ管理は非常に便利で効率的ですが、適切なセキュリティ対策がないと、大きな情報漏洩を引き起こす可能性があります。特に、アクセス権限の設定ミスだったり、サイバー攻撃が主な漏洩の原因として挙げられます。
詳しくは、「クラウドにおける情報漏洩の原因と5つの対策を紹介」で解説しています。
不注意による情報漏洩
社内でどんな対策を行っていても完全にリスクをなくすことができないものとして、ヒューマンエラーが挙げられます。
例えば、パソコンなどのデバイスや重要情報を記載したデータの記録媒体の置き忘れや紛失が該当し、情報を外部に持ち出す際に起きる可能性が高くなります。
また、パソコンなどのデバイスの誤操作により、取引先や関係のない企業に重要データを送信してしまうことも情報漏洩の原因となります。
詳しくは、「社内に潜む情報漏洩リスクとは?主な原因と対策を解説」で紹介しています。
内部不正による情報漏洩
内部不正が発生する原因には、人的要因と技術的要因の2つがあります。
人的要因とは、従業員が不正を行うことを指し、組織体制や待遇への不満、金銭目的などが主な原因です。また、情報セキュリティのルールが周知されていないため、意図せずに不正を行ってしまうこともあります。
一方、技術的要因とは、セキュリティ対策の不足や監視体制の欠陥です。例えば、機密情報に簡単にアクセスできる環境や、操作ログが記録されていない環境は内部不正を招きやすくなります。
詳しくは、「内部不正による情報漏洩はなぜ発生する?事例と不正防止の基本原則を紹介」で解説しています。
SNSによる情報漏洩
SNSをきっかけとした情報漏洩も、近年では頻繁に発生しています。
例えば、職場で撮影した写真に機密情報が映り込みSNSにアップされたり、テレワーク中に家族のSNSアカウントから情報が漏洩したりすることなどがあります。
これらの多くは従業員の油断やミスが主な原因となります。
詳しくは、「SNSによる企業の情報漏洩を防ぐ。具体的ケースから対策を解説」で紹介しています。
退職者による情報漏洩
重要な情報の管理場所やアクセス方法を知っている社員が、退職する際に転職活動を有利に進めるため、不正に情報を持ち出す可能性があります。
通信技術の発展とデータ管理の普及により、物理的な書類を持ち出すリスクは減りましたが、代わりにUSBメモリやメールを使ってデータを持ち出すことが可能になりました。
セキュリティ体制が整っていない企業であれば、持ち出されたことに気づかない場合も想定されます。
詳しくは、「退職社員の情報漏洩に注意!事例や防止する方法を紹介」で解説しています。
<関連資料>
情報漏洩するとどうなるか
情報漏洩が発生した場合、金銭的損失や情報の悪用など、さまざまなリスクが想定されます。ここでは、情報漏洩に起因するリスクを5つ紹介します。
①損害賠償
情報漏洩が発覚した場合、被害者から損害賠償請求される可能性があります。情報漏洩の規模によって被害者の人数は膨大になるため、損害賠償額が高額になるケースも少なくありません。
②刑事罰
情報漏洩で法律違反が認められた場合、国から刑事罰や罰金が課せられる可能性があります。 企業だけではなく、従業員個人に課せられるケースもあります。
③社会的信用の損失
情報漏洩は、会社の社会的信用の損失につながります。近年ではSNSで悪い評判が広がりやすくなっていることもあり、結果として株価の下落につながることも予想されます。また、情報漏洩は顧客離れや、取引先との関係が解消される可能性があり、企業にとって悪影響を及ぼします。
④データの悪用
個人情報や機密情報が流出した場合、悪意のある第三者によって情報が悪用される可能性があります。 個人情報は迷惑メールや詐欺、機密情報は競合他社に利用されるケースが想定されます。
⑤なりすまし
IDやパスワード、クレジットカード情報などが流出した場合、第三者のなりすましに使用される可能性があります。企業になりすまして迷惑メールの拡散やアカウントの乗っ取り、クレジットカードの不正利用などの被害が想定されます。
「情報漏洩に起因するリスクの種類と原因を一覧で紹介」も併せて確認すると、全体像がより明確になります。
損害賠償はどれぐらい請求されるのか
損害賠償請求とは、債務不履行や不法行為によって損害を受けた際、相手に対して損害の補填を求めることをいいます。契約通りの義務を果たせなかったり違法行為が行われたりした場合に、被害を受けた人物・団体から請求されます。
個人情報や機密情報が流出した場合、顧客だけではなく、自社の従業員から損害賠償請求される可能性があるため注意が必要です。内容次第ですが、その賠償額は数十万円から数千万円の命じられることもあります。
「情報漏洩による損害賠償請求の事例や会社に与える影響を紹介」では、事例を交えて解説していますので、ぜひお読みください。
従業員へ求める2つの具体的対策
情報漏洩のリスクはどの企業にも存在し、発生前後の対策は極めて重要です。
「情報漏洩は発覚後の対応も重要!対処法と防止策を紹介」では、情報漏洩による損害賠償の事例と企業に与える影響について解説しています。どの企業にも情報漏洩のリスクは存在し、発生前後の対策が極めて重要です。ここでは、従業員に求められる対策を2点紹介します。
①自社の情報セキュリティ対策の現状を知る
自社の情報管理を理解し、現状を正確に把握することが重要です。これにより、適切な対策を講じる第一歩を踏み出せます。チェックリストの活用などで、セキュリティ対策の改善箇所を明確にすることがおすすめします。
エルテスでは、簡単な質問に答えるだけでSNSのリスク対策の見直しができる「SNSリスクマネジメント診断」を無料で提供しています。Webからたった3分で、自社のリスク対策状況をセルフチェックできます。
②情報漏洩リスクに関する教育を受け、理解を深める
情報漏洩を防ぐためには、情報セキュリティ教育の重要性を理解し、従業員の意識を高める必要があります。そのため、企業は定期的には従業員への教育とトレーニングの実施が求められます。
<関連資料>
セキュリティ教育だけでは防ぎきれない情報漏洩への2つの対策
セキュリティ教育や内部監査は必要不可欠ですが、それだけでは情報漏洩リスクを完全に排除することは難しいのが現実です。
ここでは、より高度なリスク管理ができるようになる、エルテスのサービスを紹介します。
①Webモニタリングで企業リスクを未然に回避
エルテスでは24時間365日、AIと人の目を介した「Webリスクモニタリング」サービスを提供しています。
自社の機密情報など緊急性の高い投稿がSNSやWebサイトに出回った場合には、緊急通知でお知らせし、沈静化までの初期対応を支援しています。ネット上の膨大な情報から、お客様の漏洩した情報を見つけるための最適なメディアやキーワードのご提案、システムの反映などを実施します。負担の少ない形でWebサイトやSNSへのリスク検知体制を提供します。
②ログデータ分析による情報漏洩の予兆検知
エルテスでは、企業のPCアクセスログや印刷ログ、サイトの閲覧ログなど様々なログデータを横断的に分析し、内部不正や情報持ち出しに至る行動の予兆を検知するサービス「内部脅威検知サービス(Internal Risk Intelligence)」を提供しています。
複数のデータログを活用することで、企業内部から情報が持ち出される予兆や可能性を検知し、リスクを未然防止します。
まとめ
情報漏洩には、内部関係者の意図的な漏洩、不注意による漏洩、サイバー攻撃といった外部からの漏洩など、様々な原因があります。
企業は従業員へのセキュリティ教育を徹底し、セキュリティ対策を導入することで、情報漏洩のリスクを最小限に抑えられます。また、情報漏洩が発覚した場合には、迅速に対応し、被害を最小限に抑えることが重要です。
エルテスは、企業を守るためのデジタルリスクマネジメントを専門とするサービスを提供しており、内部からの脅威対策、SNS監視、リスク対応まで一貫して支援を行います。
デジタルリスクにお困りの際は、ぜひお気軽にエルテスまでご相談ください。
またエルテスでは、毎月さまざまな無料オンラインセミナーを開催しています。ぜひ、ご興味のあるセミナーにご参加ください。
情報漏洩対策の相談は、エルテスへ
関連情報
〇関連資料
・情報漏えいの実態~セキュリティ・コンプライアンス担当者必見~
・新社会人のテレワークにおけるセキュリティ意識調査
・内部脅威検知事例集 ~IRIサービス~
〇エルテスのサービス
・内部リスク診断
・Internal Risk Intelligence(内部脅威検知)
〇関連コラム
・情報漏洩の原因とその対策とは?
・情報漏洩に起因するリスクの種類と原因を一覧で紹介
・SNSによる企業の情報漏洩を防ぐ。具体的ケースから対策を解説