変わるバイトテロ。企業に求められる対策とアルバイトに伝えること
目次[非表示]
- 1.バイトテロとは
- 1.1.バイトテロの歴史
- 1.2.変化する不適切投稿の拡散経路
- 2.バイトテロの影響
- 2.1.バイトテロを行った本人への影響
- 2.2.バイトテロを受けた企業への影響
- 3.バイトテロを防ぐためにアルバイトに伝えることとは?
- 4.バイトテロの対策
- 4.1.バイトテロの怖さを知るためのSNSリスク研修
- 4.2.社内のSNSルールを策定する
- 4.3.SNS上の不適切投稿を早期に検知
- 4.4.適切なクライシス対応
- 4.5.残り続けるデジタルタトゥー対策
- 5.バイトテロだけではない。注意したい従業員のリスク行為
- 5.1.従業員の危険運転
- 5.2.経営者の不適切発言
- 5.3.元従業員による告発投稿
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バイトテロとは
2019年3月にSNSを舞台とし、連日報道番組でも取り上げられたバイトテロは、大手飲食店、コンビニチェーンのアルバイト従業員によって引き起こされたデジタルリスクの一つです。その後も定期的に発生しており、2021年には焼肉店での発生事例もありました。
店舗での設備や食品を不適切に扱う様子が動画や画像に収められ、SNS上で拡散され、世間から批判・非難を浴びることとなります。一度SNS上で掲載されたコンテンツは、スクリーンショットなどを通じて他のメディアにも転載され、X(旧Twitter)、Instagram、YouTubeなど様々なSNSに拡散され続けました。
また、このような動画は、不適切な行為を行った本人による投稿だけでなく、LINEのような仲間内のクローズドなSNSで共有されたものが、第三者によってオープンなSNSに投稿されるケースも存在しています。
バイトテロの歴史
アルバイト従業員の不適切行為がSNS上に拡散され、企業経営に影響を与えた事例は、2019年だけではありません。2011年に東日本大震災の影響も受け、X(旧Twitter)が重要な連絡手段、情報収集ツールとして私達の生活に普及しました。それから2年後の2013年、バカッターという名称がマスメディアにも取り上げられ、小売店の冷蔵庫の中に入った画像を掲載するケースや、外食店の食材を不適切に扱う画像を掲載するケースが注目を集めました。
それらは匿名の投稿でしたが、SNSアカウントの過去投稿や画像に写り込んだ情報をもとに、店舗の特定、アルバイトスタッフの特定まで行われてしまいました。
その後、スマートフォンなどのデジタルデバイスや4G・5Gなどの通信技術の発達を受け、動画での不適切投稿が続きました。また、X(旧Twitter)というメディアに限らず、Instagramでの動画の掲載も行われ、バカスタグラムという取り上げ方も広がりました。
変化する不適切投稿の拡散経路
アルバイトによる不適切行為は同じような行為が繰り返されている一方、投稿されるSNSや拡散のされ方には変化が起きています。SNSは、前述したX(旧Twitter)からInstagramへ、さらに近年ではTikTokも加わり、動画の不適切投稿が主流になっています。さらに、暴露系YouTuberや炎上投稿を拡散するインフルエンサーの台頭、さらに不適切投稿を見た第三者が正義感や話題性から、そのようなインフルエンサーに情報をリークするようになり、鍵アカウントでの投稿も転載され炎上するケースが見受けられています。
世間のSNS慣れもあり、仲間内で盛り上がるための投稿は非公開アカウント(鍵アカウント)や一定時間で消去される「ストーリー」などに投稿するという考え方は広く浸透してきました。しかし、その慣れが「これくらいの投稿なら大丈夫だろう」という油断に繋がり、バイトテロ投稿を拡散したいインフルエンサーを呼び寄せ、炎上の引き金となっています。
バイトテロの影響
アルバイトによる不適切行為であるバイトテロは、どのような影響を生み出すのでしょうか。実際に不適切行為を行った個人と、その所属する企業の観点に分けて整理しました。
バイトテロを行った本人への影響
SNSへの投稿では、個人情報を掲載していなくとも、本人を特定されてしまう可能性があります。バイトテロで世間からの注目を浴びると、本人特定されてしまう可能性が非常に高くなります。
特定の手段としては、SNSアカウントのプロフィール情報、過去の投稿、他SNSの情報、フォロワーなどからの情報収集、掲載画像や動画からの情報と多岐にわたります。
本人の特定が行われてしまった場合、まとめサイトなどで個人情報が晒されてしまい、デジタル空間にバイトテロの犯人として掲載され続けてしまいます。これからのキャリアに一生つきまとってしまう可能性もあります。もちろん、ネット上で誹謗中傷を受ける可能性もあり、精神的に大きなダメージを受ける可能性もあります。
また、アルバイト先からは解雇の通知や損害賠償の請求を受ける場合もあり、経済的にも大きなダメージを受ける可能性があります。実際にも、バイトテロ被害に遭った飲食店が関わったアルバイト4名に対して約1300万円もの損賠賠償を請求した事例もあります。最終的には飲食店店舗側とアルバイト側で和解し200万円が支払われたそうですが、それでも大きなダメージといえます。
バイトテロを受けた企業への影響
SNS上での不適切行為が企業に与える影響は様々です。
食材を扱うような外食店の場合は、ユーザーからは不衛生な企業と思われてしまい、ブランドイメージの低下、顧客低下、売上への影響が必至です。個人経営のお店であっても、SNS上で特定されてしまい、経営基盤が脆弱な場合は倒産という最悪のシナリオも考えられます。更に未来に渡って、誹謗中傷を受け、売上にも影響を与え続ける可能性もあります。
また、謝罪会見や謝罪文の公表などのクライシス対応も行わねばならず、従業員への負担も増えます。更にコンプライアンス研修の実施など再発防止策の対応にも追われてしまいます。
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バイトテロを防ぐためにアルバイトに伝えることとは?
バイトテロを予防するためには、アルバイト自身にバイトテロ行為というものを適切に理解してもらう必要があります。「バイトテロをしないように」「不適切投稿はリスクがあります」というメッセージより、「どういった投稿・行為が危険なのか」「どのように拡散・炎上してしまうのか」「ネット炎上が自身にどのような影響を与えるのか」など具体的に自分事化してもらうことが大切です。
また、SNS慣れしているアルバイトであれば、自己判断で「鍵アカウントなら拡散されない」「ストーリー投稿なら消えるから大丈夫」と思い込み、危険な投稿を行ってしまう可能性もあります。近年は鍵アカウントやストーリー投稿でも炎上する事例があることまで、アルバイトに理解してもらうことが必要です。
バイトテロの対策
バイトテロの対策を行う際に最も重要なことは、SNSへの投稿を防ぐのではなく、不適切な行為自体を防ぐことです。バイトテロ対策で職場へのスマホの持ち込みを禁止しているケースも見られますが、本質的な解決にはなりません。ここでは、バイトテロのリスクやダメージを本質的に低減できる対策をご紹介します。
バイトテロの怖さを知るためのSNSリスク研修
バイトテロが行われてしまう課題のひとつとして、バイトテロへの理解や自身に与える影響を理解していないことがあります。そのため、仲間内で盛り上がる、SNSで注目されたいなど面白半分で不適切な行為の撮影・SNSへの投稿を行ってしまいます。
対策としては、アルバイト社員が当事者意識を持てるように、バイトテロを始めとしたSNSリスクを伝える研修を実施することが大切です。自身の不適切行為が誰に対してどのような影響を与えるのか理解してもらうことで、不適切な行為を抑止することができます。
エルテスでは、最新の事例や同一業界の事例を交えるなどカスタマイズしたSNSリスク研修を提供しており、バイトテロ対策にフォーカスした研修も対応可能です。さらに、アルバイト社員だけに限らずアルバイトを管理する管理職に向けた研修など、対象に合わせたカスタマイズも可能で、企業の目的や課題に沿った研修を提供します。
また、アルバイトの入れ替わりが多い企業や、集合研修・オンライン研修(e-learning)では従業員の理解度が低いという課題をお持ちの企業には、マンガ教材による研修も検討しましょう。バイトテロをストーリーに沿って学ぶことができるため、年齢問わず従業員への浸透を促します。
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社内のSNSルールを策定する
リスクを理解するだけでなく、企業とそこに属する従業員が守るべきSNSでの振る舞いをルールとして策定することも重要な対策です。行ってはいけないリスク投稿について必ずしも全従業員が共通認識を持っているとは限らないため、明文化されていないことでリスク投稿を行ってしまうアルバイト社員がいるかもしれません。SNSの運用ルールは、多くの企業でソーシャルメディアポリシーやSNSガイドラインといった形で運用されています。
エルテスでは一般的に必要な項目とその企業に必要な規模や特徴に応じた項目でルールの策定などを行っていきます。ドキュメントでの納品から作成のコンサルティングまで支援方法はご相談ください。
SNS上の不適切投稿を早期に検知
ルールを定めて、研修を行ったとしても、不適切行為の投稿を完璧に防ぐことをできません。アルバイト社員が隙を見て不適切行為などを行ってしまう可能性はゼロには出来ません。そのような中で、不適切な投稿を早期に検知することも重要なリスク対策です。早期に検知し、発信者を特定出来るとアルバイト自身に投稿の削除を促すこともでき、SNS炎上や他メディアへの拡散を避けることが出来るかもしれません。
SNS投稿の早期検知は、日頃から人の目でチェックする、投稿監視ツールを利用する、専門会社に外注する、などの方法があります。自社の状況や予算に合わせた方法を選ぶことが大切です。
エルテスでは24時間365日、人の目とAIによってWeb上の投稿を監視することでバイトテロをはじめとした炎上リスクのある投稿を早期に発見、通知するサービスを提供しています。専属のコンサルタントが検知体制の構築から支援いたします。
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適切なクライシス対応
SNS炎上してしまった場合、企業のレピュテーションを守るという観点では、早期の適切な対応が非常に重要です。どのような謝罪文を出すのか、その謝罪文はどのような形で公開するのか、今後の再発防止策をどのように行うのか等で、ユーザーの評価は異なります。
また、炎上することで会社へ問い合わせが殺到することも想定されます。外部へのリリースだけではなく、発生事象や対応方法の検討、社内共有も必要です。被害規模に応じてコールセンターを設置するケースもあります。
エルテスは多くのSNS炎上のクライシス対応をサポートしてきたからこそのアドバイスを行うことが可能です。適切な対応の検討からリリース文の添削、記者会見トレーニングなど、沈静化に向けた様々な対応をサポートします。
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残り続けるデジタルタトゥー対策
一度広がってしまった不適切行為の証拠をデジタル空間から完璧に排除することはできません。もちろん、事実無根の情報であれば、弁護士を通じて削除対応を行うことも可能です。しかし、そうでない場合は、どれだけレピュテーションを回復するかが重要です。バイトテロが起きたときの初動も大切ですが、その後の情報発信を高め、再発させないために行った活動や企業としての透明性を高める活動が大切です。ネガティブな情報を放置するのではなく、プラスにするための情報発信を考えましょう。
エルテスでは、そのようなデジタルタトゥーからのレピュテーションの回復まで支援することが可能です。
バイトテロだけではない。注意したい従業員のリスク行為
最後に、バイトテロはアルバイトの不適切投稿や危険行為などを指しますが、従業員の炎上はアルバイト以外もあり得ます。従業員による炎上ケースの一例を紹介します。
従業員の危険運転
企業名やロゴが入った社用車や営業車の危険運転が昨今SNSで投稿され、その企業が批判されるケースが散見されています。近年、ドライブレコーダーを搭載した自動車が増えていることが、偶然に危険運転を撮影することに繋がり、投稿されることがあります。
経営者の不適切発言
従業員だけでなく、企業の経営者・役員などの上層部が講演会やプライベートで不適切な言動を行い、SNSで指摘・批判されるケースがあります。特にSNSに慣れていない、SNSの文化・リスクに明るくない方が起こしてしまう可能性が高いため、リスク対策は従業員だけではなく企業全体で取り組むことが重要です。
元従業員による告発投稿
企業が批判される炎上の中には、元従業員が過去に所属していたときの企業の問題点をSNSでリークし、第三者からその企業へ批判が集中するケースがあります。このような場合は、退職時に抱えていた企業への不満などがきっかけとしてあり得ます。
エルテスが提供できることも含め、バイトテロ対策を紹介してきましたが、最も重要なことはSNSに投稿されて炎上しなかったから良かったではなく、不適切な行為自体を行わせないことです。そのうえでエルテスがお力になれる部分は、ご相談いただければと思います。
バイトテロ対策は、エルテスへ
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