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企業で起こる炎上の要因と広報担当に求められる対応・対策とは

SNS炎上と聞いて、皆さんはどのような炎上を連想しますか? バイトテロ、食品への異物混入、経営者による不適切発言など様々な炎上を想起されるのではないでしょうか。SNS炎上の解像度を高めていくと、炎上の要因や求められる対応・対策は様々です。今回は、広報担当者に知ってもらいたい、SNS炎上の要因と対策について紹介します。


目次[非表示]

  1. 1.炎上とはなにか
  2. 2.炎上が発生する仕組み
  3. 3.SNS炎上にはどのようなものがあるのか
  4. 4.広報担当者が炎上発生時に着手すること
  5. 5.それぞれの要因に合わせたSNS炎上予防
    1. 5.1.①個人(従業員)の意見が不適切と批判される
    2. 5.2.②公式アカウントとしての企画や言動が不快に受け取られる
    3. 5.3.③匿名で不適切発言をしていた個人(従業員)の身元が露呈する
    4. 5.4.④公式アカウントで誤爆する
    5. 5.5.⑤アカウント乗っ取りによる不適切発言
  6. 6.まとめ
  7. 7.関連情報


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炎上とはなにか

炎上とはどのようなものなのでしょうか。エルテスで毎月発表しているネット炎上レポートでは、炎上を以下のように定義しています。批判の投稿量が有意に多い状態が、炎上と判断するポイントになります。


▼前提条件

以下の二つの条件を満たしている必要がある
1.批判や非難が発生している(ポジティブな共感の拡散等ではない)
2.対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較しても有意に多い状態。

▼定義

ネット炎上とは、オフライン・オンラインでの行動や発言に対して、ネット上で批判が殺到し、拡散している状態を指します。対象に対する批判の投稿量が、通常時と比較して有意に多いことが条件となります。

炎上が発生する仕組み

では、SNSを始めとしたデジタル空間において、どのように炎上が発生するのでしょうか。マスメディアで取り上げられた事象がSNS上で批判が殺到するような事象もありますが、多くの炎上は、以下のようなプロセスを辿ります。


炎上の進行過程を示すフロー図


SNSの普及で、以前はマスメディアに取り上げられない限り、世の中に広がることがなかったことも、SNSで一人のユーザーに取り上げられ、それらが拡散され、その結果インフルエンサーやネットニュースに取り上げられる。最終的には、マスメディアに取り上げられるケースが目立つようになっています

また、近年では、炎上に繋がりうるような情報をSNS上で積極的に発信するインフルエンサーの存在や、PV至上主義のネットメディアにおいてもSNS上で話題になっていることを記事化する動きもSNS炎上の脅威を増大させています。

SNSの発達によって、一人のユーザーの声が連鎖的にあらゆる人々を巻き込みながら、ムーブメントを起こしてしまう、これこそが炎上の実態と言えます。そして、数多の批判はデジタル空間に残り続け、企業、組織、個人のレピュテーションに影響を与え続けます。半永久的に影響し続けることこそが、SNS炎上の怖さでもあります。


SNS炎上にはどのようなものがあるのか

実際に、炎上にはどのような種類があるのでしょうか。炎上要因を、「組織」と「個人(従業員)」という問題の主体と、「能動的なアクションによる発生」と「受動的な被害の発生」という観点で整理しました。


企業視点でのSNS炎上リスクの分類と対策を示した図


<具体的な事例>

  • 所属企業を公開している従業員のSNSアカウント上の不適切発言、経営陣による公の場での不適切発言
  • プライベートアカウントでの炎上から企業が特定、営業車両での交通違反から炎上
  • プロモーションでの差別的な表現、インシデント後の対応が不親切として炎上
  • 公式SNSアカウントが乗っ取られ、混乱を生む
  • 公式SNSアカウントで担当者がプライベート情報を投稿


このように炎上と一括りに言っても、様々な事象が存在します。そして、炎上後の対応も、基本的には炎上発生要因によって、求められる対応が異なります。個人と組織の違いで、企業としての立ち位置は異なります。SNS炎上は、数時間で状況は刻一刻と変化するため、即座に要因の整理が求められます。


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広報担当者が炎上発生時に着手すること

SNS上での批判をキャッチした場合、広報担当者が初動で行うべきことがあります。それは、「誰」が「どのような観点」で批判を行っているのか、そして、それは批判的な声が有意に多い状態で、本当に炎上が発生しているのか、確認することです。

批判的な声が出ている一方で、賛同する声もある場合は、炎上ではありません。SNS上で議論が沸き起こっている状態です。その場合は、即座に危機管理広報のアクションを取るべきではないこともあります。

もちろん、議論の中で企業への批判的な意見が強くなり、炎上状態に陥る可能性もあります。もしくは、議論の中で不正確な情報が拡散している場合や情報が錯乱している場合には、企業として対応することが適切なケースもあります。そのため、広報担当として注視が求められます。

また、このような炎上は、ビジネスタイム外の深夜や土日に活発化するケースもあり、広報担当者は注意が必要です。批判的な投稿が見られた緊張状態のときは、業務時間外であっても、定期的な確認をおすすめします。


それぞれの要因に合わせたSNS炎上予防

ここまで炎上の要因と発生時の対応について、紹介してきました。企業の広報担当者としては、SNS炎上が発生しないことが、一番良いことです。では、どのように炎上の発生率を低減することが出来るのでしょうか。炎上要因別の取組を紹介します。


企業視点でSNS炎上リスクの分類と炎上要因別の取り組みを示した図


①個人(従業員)の意見が不適切と批判される

SNS上で企業の所属を明かしている従業員による炎上には、SNS利用時のルール策定と従業員への研修が具体的な取り組みとなります。広報担当者として、日々から炎上に触れている人々にとっては、炎上の危険を感じる言動であっても、そのようなアンテナを持ち合わせていない従業員にとっては、それらが炎上に繋がることを予見できません。ルールの策定に加えて、そのようなリスクへの感覚を養うため、具体的な炎上事例などを理解する従業員研修の受講をおすすめします。


②公式アカウントとしての企画や言動が不快に受け取られる

SNSアカウントの運用やプロモーションを企画する部署の方による炎上には、炎上事例の研究や運用ルールの整備、パーセプションの理解が効果的です。日々の業務が炎上と隣り合わせているため、実際に発生している炎上事例を収集し、同じ轍を踏まない研究と蓄積が求められます。また、自社が世間からどのように見られているのかという、パーセプションの理解も炎上予防の取り組みとして求められます。


③匿名で不適切発言をしていた個人(従業員)の身元が露呈する

匿名でのSNS上の活動による炎上が企業に飛び火するケースですが、このようなリスクに対しても、従業員向けの研修が効果的です。匿名のアカウントでもSNS上の活動次第で、個人情報が公開されてしまう、そして所属企業にも影響を与えうることを事例とともに、理解することが重要です。また、自社の写真であることが疑われるような不適切な言動を行うユーザーの調査も、効果的な取り組みです。


④公式アカウントで誤爆する

公式SNSアカウントでの誤爆は、プライベートなスマートフォンから公式SNSアカウントに入れないようにする、上司の承認なしで投稿できないなどの運用体制を整備することが重要です。この問題は、仕組みやツール導入が重要となります。

[あわせて読みたい]企業の公式X(旧Twitter)での「誤爆」を防ぐ方法4選と炎上時の対処法


⑤アカウント乗っ取りによる不適切発言

この問題は、情報セキュリティ体制の構築や各SNSプラットフォームの2段階認証などセキュリティ強化を行い、アカウント情報の漏洩や不正ログインを防ぐことが求められます。


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まとめ

このように炎上といえども、要因に合わせて、多様な対策があります。SNSをプライベートで使う社員が多い企業、公式SNSアカウントを積極的に使う企業など、企業によってどのような要因の炎上が発生しやすいかは異なります。

会社を守るためにも、現在どのような対策を取れているのかを見直し、必要な取組をご検討ください。


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著者・監修|株式会社エルテス編集部
著者・監修|株式会社エルテス編集部
株式会社エルテスは、これまで多種多様な企業のデジタルリスク対策に尽力してきたノウハウを生かし、企業のリスク課題・デジタル課題に役立つコンテンツを提供しています。 編集部ではネット炎上やSNS運用トラブル、ネット上の風評被害・誹謗中傷、情報セキュリティ対策など様々なビジネスのリスク課題に関するコラムを発信しています。
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