
企業がソーシャルメディアを利用する上でのリスクや注意点とは?メリット・デメリットも含めて解説
誰でも容易に情報発信や受信できるソーシャルメディアは、様々な企業のメディア活動としても使われています。
今回は、ソーシャルメディアの特徴をはじめ、企業がソーシャルメディアを使う上でのリスクや注意点、メリット・デメリットについて解説します。
目次[非表示]
- 1.ソーシャルメディアとは?
- 1.1.ソーシャルメディアの特徴
- 2.企業がソーシャルメディアを利用するメリット
- 2.1.情報発信を手軽にできる
- 2.2.費用をかけずに情報収集・ブランディングができる
- 2.3.消費者との関係性が築きやすい
- 3.企業がソーシャルメディアを利用するデメリット
- 3.1.公式アカウント投稿の炎上
- 3.2.デマや風評被害の拡散
- 3.3.従業員の不適切な投稿によるレピュテーション低下
- 3.4.ユーザーによる迷惑行為の拡散
- 3.5.個人情報や機密情報の漏洩
- 3.6.公式アカウントの乗っ取り
- 4.企業が講じるべきソーシャルメディアのリスク対策
- 4.1.情報が正しいか精査する
- 4.2.パスワードや権限管理を強化する
- 4.3.他者の権利を尊重する
- 4.4.情報流出に注意する
- 4.5.社内でソーシャルメディア規定を定める
- 4.6.違反に対する懲戒処分や損害賠償請求の対応を定める
- 4.7.外部のSNSリスク対策サービスを活用する
- 5.エルテスのWebリスクモニタリングサービスとは
- 6.Webリスクモニタリングサービスの様々な取り組み
- 6.1.①有害事象モニタリング
- 6.2.②アフィリエイト広告監視
- 6.3.③フリマサイト監視
- 6.4.④プラットフォーム監視
- 6.5.⑤タレントリスク調査
- 7.まとめ
ソーシャルメディアとは?
ソーシャルメディアについて、「総務省 平成30年版 情報通信白書」では以下のように定義しています。
ブログ、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)、動画共有サイトなど、利用者が情報を発信し、形成していくメディア
代表的なものとして、「ブログ」をはじめ、FacebookやX(旧Twitter)などの「SNS」、YouTubeなどの「動画共有サイト」、WikipediaやYahoo!知恵袋などの「ナレッジコミュニティ」、LINEなどの「メッセージアプリ」があります。
ソーシャルメディアの特徴
ソーシャルメディアは、実にたくさんの人が情報の発信・受信をしています。従来の情報発信の主体であった新聞・TVなどのマスメディアは、情報発信者がはっきりしており、かつ情報が一方向に流れていました。
一方、ソーシャルメディアは誰でも情報発信者になれるうえ 、情報が他方面に拡散されるのが特徴です。
企業がソーシャルメディアを利用するメリット

ソーシャルメディアを利用するメリットとして、誰でも容易に情報発信が可能、費用を抑えながらブランディング・情報収集ができる、消費者との関係が築きやすいなどが挙げられます。
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情報発信を手軽にできる
ソーシャルメディアは、誰でも簡単に情報を発信できます。複雑な手続きや資格も不要なため、思い立った時にすぐ活用できることがメリットの1つです。しかし、企業として情報を発信する場合は、信頼性の高い発信を行わなくてはなりません。
費用をかけずに情報収集・ブランディングができる
一般的にプロモーションを行う場合、TVや雑誌、街頭広告などを出したり、イベントを行ったりする必要がありますが、これらの活動には莫大なコストがかかります。しかし、無料のソーシャルメディアを使ってブランディングをすれば、費用をかけずに認知度の向上や他社との差別化を図ることが期待できます。
また、不特定多数の人が様々な情報を発信しているソーシャルメディアは、情報収集にも適しています。コストをかけずに商品・サービスの感想や口コミを見つけることにも効果的です。
消費者との関係性が築きやすい
ソーシャルメディアは、消費者との関係性を構築しやすいというメリットもあります。特にSNSは交流を目的としているため、認知度を高めたい時に適しています。近年では、大企業のSNS参入も珍しくなく、一般消費者との交流を図っています。
企業がソーシャルメディアを利用するデメリット

拡散力が高いソーシャルメディアもあり、適切に扱わないと炎上してしまうリスクがあります。ほかにも、誹謗中傷や情報漏洩のリスクなどもあります。特に、企業がメディア運営をする際はソーシャルメディアに精通した専門家の意見を取り入れるなどして、これらのリスクを回避しましょう。
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公式アカウント投稿の炎上
企業が運営するSNS公式アカウントからの投稿は、企業の「顔」として認識されます。不適切な内容や配慮に欠ける表現は、企業の姿勢として捉えられ、社会的な批判の対象となり、信用を大きく損なう原因となります。例えば、特定の社会問題に関する不用意な発言や、景品表示法に抵触する恐れのある表現、ステルスマーケティングと疑われる行為などが挙げられます。
デマや風評被害の拡散
企業側に不備がなくても、第三者の悪意ある行為や誤解によって、製品の欠陥や製造環境に関する虚偽の情報がSNS上で瞬く間に広がり、企業のブランドイメージや売上に甚大な影響を及ぼします。一度拡散されたデマは真偽を問わず、完全な鎮静化や訂正が極めて困難です。
従業員の不適切な投稿によるレピュテーション低下
従業員個人のSNS利用であっても、勤務先が特定されれば企業のリスクとなります。飲食店などでの不衛生な行為や、店の商品で悪ふざけをする様子を撮影し投稿する「バイトテロ」と呼ばれる事象は、瞬く間に拡散され、企業全体の信用失墜やブランドイメージの毀損を招きます。
ユーザーによる迷惑行為の拡散
店舗や商品を利用する一般ユーザーによる迷惑行為が撮影され、SNSで拡散されるケースです。例として、回転寿司店などでの「顧客テロ」があります。企業側に直接的な過失がなくても、不衛生なイメージが広がり、顧客や売上の減少といった多大な損害を招く可能性があります。
個人情報や機密情報の漏洩
人的ミスを原因とした情報漏洩は後を絶ちません。例えば、DMのスクリーンショットを誤って公開し、顧客の個人情報が流出するケース、従業員がカフェなどで作業中に、画面に映った機密情報が背景に写り込んだ写真を自身のSNSに投稿することで情報が漏洩するケースなどが挙げられます。
公式アカウントの乗っ取り
推測されやすい単純なパスワードを利用していたり、複数のサービスでパスワードを使い回していたり、フィッシング詐欺などによりアカウントが不正アクセスを受けると、企業の公式な発信を装って不適切な投稿や偽情報が拡散され、ブランドの信頼性が大きく損なわれます。
関連記事:ソーシャルメディアのデメリットを回避して企業が効果的に活用するには?
企業が講じるべきソーシャルメディアのリスク対策
企業がソーシャルメディアを利用する場合は、ネットリテラシーを持つことが重要です。ここでは、ソーシャルメディアを利用する上で注意すべき4つの事項について紹介します。
情報が正しいか精査する
ソーシャルメディアには、信憑性が不確かな情報も数多く発信されています。誤った情報に惑わされてそれを拡散してしまうと、炎上や訴訟にまで発展する恐れがあるため、細心の注意を払うべきです。ソーシャルメディアで情報を収集する場合も、情報の真実性を必ず確認しましょう。
パスワードや権限管理を強化する
ソーシャルメディアのアカウントの乗っ取りは、現代のデジタル社会において深刻な問題の1つです。不正アクセスされたアカウントは、不適切なメッセージの発信源や情報漏洩の原因となり得ます。
アカウントを乗っ取られないためにも、「強固なパスワードを使う」「二要素認証を利用する」「パスワードの使い回しをしない」といった対策が大切です。
他者の権利を尊重する
ソーシャルメディアにおいて、年齢、性別、セクシャリティによるバイアスを助長するような発信は炎上の火種となりかねません。画像や動画を投稿する時は、肖像権についても注意しましょう。
情報流出に注意する
ソーシャルメディアで業務上の秘匿事項を誤って公開してしまったり、発表前の社内情報が流出してしまったりすると、大きな損害になります。会社の評判を損ない、炎上・訴訟にまで発展する可能性もあります。
社内でソーシャルメディア規定を定める
安全にソーシャルメディアを使っていくためには、社内でソーシャルメディア規定を定めましょう。まずは禁止事項をきちんと規定します。禁止事項は企業によって異なりますが、次のようなものが挙げられます。
・会社の機密情報を開示すること
・個人情報や顧客情報を開示すること
・差別的な表現を用いること
・猥褻な内容を発信すること
・第三者を誹謗中傷すること
・違法行為またはこれを助長する内容を発信すること
・公序良俗に反する内容を発信すること など
他にも企業ごとで禁止すべき事項が変わることも多いため、複数人で検討しながら策定を進めましょう。
違反に対する懲戒処分や損害賠償請求の対応を定める
ソーシャルメディア規定による禁止事項の設定は注意を促す効果がありますが、実効性を確保するには、禁止事項に違反した場合の懲戒処分や損害賠償請求の対応まで定めておくことが大切です。懲戒処分に関しては根拠となる規定が必要になるため、この禁止事項に違反した場合はどういった懲戒処分の可能性があるのかまで事前に決めておきましょう。
外部のSNSリスク対策サービスを活用する
自社内ですべてのSNSリスク対策を完結させるには、専門的な知識やモニタリングにかかる人的リソース、そして迅速な判断が求められ、多くの場合は企業にとって大きな負担となります。特に、広報やリスク管理の担当者にとっては、限られた人員と時間の中で最大の効果を出すことが常に求められているため、外部のSNSリスク対策サービスを活用することは非常に有効な選択肢です。
関連記事:SNS監視はツール?専門会社に依頼?企業に合ったモニタリング方法とは
エルテスのWebリスクモニタリングサービスとは

企業に悪影響を及ぼしかねないネット上のリスク投稿を監視し検知するのが、エルテスのWebリスクモニタリングサービスです。24時間365日稼働するAIと専門スタッフによる監視体制によって、膨大なネット上のリスク投稿の見逃しを防ぎます
また、炎上に繋がる可能性のある投稿を見つけた場合は、緊急通知とその後の初動対応や沈静化に向けたコンサルティングまでワンストップで提供します。
Webリスクモニタリングサービスの様々な取り組み
Webリスクモニタリングサービスは、企業のブランドイメージ保護や事業継続のために、様々なシチュエーションで活用できます。例えば、以下のような5つのケースが挙げられます。
①有害事象モニタリング
製薬企業には、医薬品の副作用などの有害事象を発見した場合、報告義務があります。企業の公式SNSに寄せられたユーザーコメントに有害事象が含まれた場合も報告対象となるため、365日確認し続けることや、膨大な情報から探す作業は手間がかかり、慣れていないと検知漏れが発生する可能性もあります。
エルテスでは、Webリスクモニタリングサービスの24時間365日対応のモニタリングノウハウに、有害事象等に関する研修を受講した専任スタッフを配置しています。有害事象が疑われる投稿を検知した場合のエスカレーションフローも定め、クライアントと一体となったモニタリング体制を構築することが可能です。
②アフィリエイト広告監視
アフィリエイト広告は、広告主ではなく、自身が運営するWebサイトやブログに広告を掲載するアフィリエイターによって、広告の掲載方法が委ねられています。そのため、悪質なアフィリエイターによる過度な誇張表現や薬機法違反といった不適切な表現やコンテンツでの広告掲載ケースが後を絶ちません。
エルテスは、これらの課題に対し、Webリスクモニタリングサービスを通じて広告主をサポートします。例えば、アフィリエイト広告に景品表示法や薬機法に抵触する内容、過度に不適切な内容が含まれていないかを定期的にチェックすることが可能です。また、不適切な内容を検知した場合は広告主に緊急通知するため、広告主は掲載停止要請など必要な対応をとることができます。
③フリマサイト監視
Webリスクモニタリングサービスは、フリマサイトに出回るリコール対象商品や、企業の貸与物といった物品の監視にも応用可能です。リコール対象商品の場合、出品者が事実を理解していないまま出品し、購入者による利用がインシデントにつながるリスクがあります。顧客の健康被害に直結しかねない事案も発生し得るため、企業は流通状況をしっかりと管理し、把握する必要があります。
しかし、これらのリスクは放置できない一方で、フリマサイトという広範な媒体を24時間365日体制で監視し続けることは、多大な手間と人員を要するため、多くの企業にとって大きな課題となっています。
エルテスのWebリスクモニタリングサービスでは、監視対象媒体をフリマサイトに限定した監視も提供可能です。リコール対象商品であれば、製造番号などの情報を共有いただくことで、該当商品の有無をサイト上で監視します。企業にとって負担の大きい24時間365日の監視を可能にするだけでなく、該当商品を発見次第、速やかに企業に通知するため、他のコア業務にリソースを集中させることができます。
また、監視対象は制服などの貸与物にも及びます。フリマサイトでの不正販売を通じて、企業の従業員を装った第三者による犯罪行為などに利用されてしまうリスクへの対策ニーズにも対応しています。
④プラットフォーム監視
プラットフォームに登録した業者の利用規約違反チェックにも応用することができます。 登録のハードルが低いプラットフォームでは、事業者が登録時に十分にリスクチェックされていないケースがあります。登録者の属性が多様であるため、悪質事業者を見極めるチェック体制が求められます。
悪質な事業者を放置することは、消費者への被害につながるだけでなく、プラットフォーム自体の信頼性を揺るがす事態を招くため、厳格な管理が不可欠です。しかし、リスク情報を見つけ出す作業には人的・時間的コストがかかり、どうしても確認の抜け漏れが発生する可能性があります。
Webリスクモニタリングでは、プラットフォームに登録のあった企業に関する口コミやSNS投稿を定期的な調査ができます。誇大広告や粗悪品の提供など悪質な評判が立つ業者を検知した場合は事実確認を実施し、利用規約違反が明確だった場合には個別対応を行います。さらに属性を調査するオプションもあるため、プラットフォームの信頼性の担保やリスク回避が期待できます。
⑤タレントリスク調査
プロモーションに起用するタレントの炎上リスクを可視化したい場合にも活用することができます。
起用タレントが自社の看板になることで、どのような印象を世の中に与えるのかを把握しておかないと大きなリスクにつながってしまいます。しかし、自社や広告代理店で、ネットという膨大な情報から該当タレントの炎上要素を十分洗い出し、評価することは手間や精度に課題があります。
エルテスでは、該当タレントの公式SNSアカウントを調査し、過去にリスク投稿がないかを確認します。また、批判を浴びうる噂などないか、SNS上の世論を調査するほか、ファン層やアンチの属性まで分析します。SNS上から把握できる情報などから、批判されやすい投稿の傾向なども把握可能です。
まとめ
ソーシャルメディアは、企業に大きなマーケティング機会をもたらしますが、同時に炎上や風評被害、情報漏洩という深刻なリスクをもたらします。これらのリスクを回避するためには、単に社内規定を定めるだけでなく、24時間365日体制での監視と迅速な初動対応が不可欠です。
企業のソーシャルメディアリスク管理について、具体的な監視体制やリスク分析に関するご相談は、お気軽にエルテスへお問い合わせください。
SNSリスクの相談はエルテスへ







