レピュテーションリスクとは?積み重ねた信用とブランドを守るために


目次

レピュテーションリスクとは

レビテーションリスクとは、企業やブランドに対するネガティブな評判が広まるリスクのことを示します。

私達は、様々な意思決定を行う際に、周囲の評判を参考にします。Amazonで商品を購入する際に商品の口コミを確認したり、転職を行う際に転職口コミサイトを確認したり。ビジネスで取引先を選定する際、Web上で情報を調べることもあると思います。つまり、良い“評判”を獲得することは、企業の成長、多くのユーザーや取引先から選ばれ続けるために非常に重要だと言えます。

Webが発達する前から、評判は私達の意思決定に大きな影響を与えてきました。しかし、Webが発達することで、様々な場所に散らばった“評判”へのアクセスが用意になりました。その結果、評判の低下がビジネスに損失を与える可能性が高まっています。

エーオンが2017年に実施した調査によると、企業が直面する最大のリスクがレピュテーションリスクであると評価されており、アリアンツが公表した資料によると、グローバルなビジネスリスクの9位にランクインしています。更には、世界を代表する保険会社、AIGやミューヘン再保険などの保険会社が、レピュテーションリスク保険を販売していることも、レピュテーションリスクの重要性を示している証拠と言えます。

レピュテーションリスクの重要性について述べてきましたが、実際に自社の評判に影響を与える事象にはどのようなものがあるのでしょうか。米国のコンサルティング会社であるReputation instituteがまとめたフレームワークを元に解説します。まず、企業のレピュテーションに影響を及ぼすイベントは大きく以下の7つに分類することが出ます。

1.製品・サービス
「その企業は経済的な価値や品質の高い製品・サービスを提供している企業である」という消費者等の信頼を揺るがす

2.革新
「その企業は新しい製品・サービスを他社に先駆けて市場に投入する革新的な企業である」という消費者等の信頼を揺るがす

3.職場
「その企業には最高の従業員が働いていて、企業は従業員を適切に配置・処遇をしている」という消費者の信頼を揺るがす

4.ガバナンス
「その企業はオープン、誠実、公正な市政でビジネスを行う企業である」という消費者等の信頼を揺るがす

5.市民
「その企業は地域社会と環境にに配慮した良き企業市民である」という消費者等の信頼を揺るがす

6.リーダーシップ
「その企業は将来に対する明確なビジョンを持ち、適切に組織された企業である」という消費者等の信頼を揺るがす

7.パフォーマンス
「その企業は成長性・収益性の高い企業である」という消費者等の信頼を揺るがす

「レピュテーションリスクと保険」損保総研レポートより抜粋

レピュテーションリスクとなりうる事例

具体的には、どのようなレピュテーションリスクが考えられるでしょうか。上記の分類を活用しながら、Web上(SNS含む)で自社の評判に影響を与えうる事例を紹介していきます。

”製品・サービス”に関する事例

自社商品・サービスのユーザーや競合他者から、ネガティブなレピュテーションが書き込まれる可能性があります。具体的には、どのようなケースが有るのでしょうか。(一例を記載)

・ユーザーから“商品が壊れやすい”というクレームがSNSで投稿された
・ユーザーから発送済みの“キャンペーン商品がまだ届かない”とSNSで投稿された
・ユーザーと思われる人から、顧客対応に対してネガティブな口コミがgoogleマイビジネスに投稿された
・Amazonの商品ページに大量のネガティブコメントが寄せられた

このようなケースでは、その情報が事実なのか、事実無根なのかが非常に重要です。もし事実無根であることを立証することが出来れば、書き込まれたメディアに働きかけ削除要請を行うことも可能です。

”革新”に関する事例

革新的な企業イメージを発信する企業の場合、消費者等からの期待と企業活動にギャップが生じてしまい、ネガティブな評判が生じてしまう可能性があります。具体的にはどのようなケースがあるのでしょうか(一例を記載)

・経営陣の意思決定の遅さへの批判がYahooファイナンスで話題に上がる
・競合他社に比較して革新的なサービスの投入の遅れていることをSNS上で著名人が批判

企業が掲げるブランドイメージにそぐわない企業運営となってしまうと、失望を含めたネガティブな評判が発生してしまいます。先行する企業イメージと足元の活動の歩調を合わせることも、レピュテーション・マネジメントと言えます。

”職場”に関する事例

現職の従業員や退職者から労働環境に対して、ネットにネガティブな書き込みがされる可能性があります。具体的には、どのようなケースが有るのでしょうか。 (一例を記載)

・現職の従業員から“従業員をコマのように使う企業”とSNS上で投稿された
・退職者が“パワハラ”を原因に退職したと退職エントリーに記載した
・繁忙期の従業員が「3日連続深夜残業」とSNSに投稿し、第三者から“ブラック企業”と言われ、拡散された

SNS上でつぶやかれるケースや、転職会議などのメディアで投稿されるケースがあります。noteなどに退職エントリーとして投稿され、検索エンジンで上位に表示されるケース等もありますので、注意が必要です。

”ガバナンス”に関する事例

倫理的、公平性を持って、企業活動に取り組めているかが重要なポイントになります。どれだけよい商品を作っていても、法令違反を行っていては、ネガティブな評判につながります。具体的にはどのような事例があるのでしょうか。 (一例を記載)

・不正競争防止法に抵触していることについて、競合企業の従業員がSNSで告発する
・詐欺まがいの営業を実施していると、顧客からのクレームがSNS上で投稿される
・独占禁止法に抵触しているのでは?という問いかけがSNS上で投稿され、議論を呼ぶ

透明性のある経営が行われているのか、サービス自体の倫理的に問題ないかなどが問われるケースがあります。このような場合は、疑惑を掛けられただけでも大きな影響を与えうるので、注意が必要です。

”市民”に関する事例

企業は、良き企業市民であるため、環境への配慮など営利ではない企業活動が求められています。具体的には、下記のような事例があります。 (一例を記載)

・環境に配慮しない商品作りに対して、環境団体がSNSで指摘する
・児童労働に関わる疑惑がメディアによって特集され、SNS上で拡散される
・命に関わる環境問題の起因となったと根も葉もない噂がSNSで拡散される

四日市ぜんそくなど、企業活動が環境に影響を与えて、結果として人命に悪影響を及ぼすケースも有りました。このような市民として責任ある行動から逸脱する行為が発覚した場合には、企業の評判に大きな影響を与えます。

”リーダーシップ”に関する事例

経営陣や経営陣のマネジメント能力に関しても重要です。経営陣は企業の顔でもあり、その言動によってネガティブな評判を生む可能性があります。具体的には下記のような事例があります。(一例を記載)

・経営者のマネジメント能力欠如による従業員の大量退職がSNSでリークされる
・経営者への偏ったインセンティブ支給への批判を、元従業員がSNSで発信する
・経営者のスキャンダルの噂がSNSで話題になる

企業の顔でもある経営陣へのネガティブな評判は大きな影響を与えます。その矛先は、株式市場などにも及ぶ可能性が考えられます。

”パフォーマンス”に関するレピュテーションリスク

企業は、現在の売上だけでなく、未来に渡って成長が見込めるのか、高い収益性が実現されているかを株式市場から見られています。そのため、パフォーマンスに対する評判は株価に大きな影響を与え、資金繰りなどにも影響を与える可能性があります。具体的な事例は下記になります。(一例を記載)

・成長性に陰りが見えているという事実無根の情報がネット掲示板に投稿される
・収益性が低下していると元従業員がSNS上で投稿する

非常にセンシティブな情報であり、企業の資金調達などを含めた長期戦略にも影響を与える可能性があります。

レピュテーションリスクの対策

ここまでレピュテーションリスクが生じる事例を見てきました。実際にレピュテーションリスクから企業や従業員を守るためにはどのような方法があるのでしょうか。エルテスが実施している対策方法をご紹介します。

現状を把握する

採用活動を行っていても母集団形成が上手く行かない、内定辞退者が多い、新規問合せが獲得できない、転職者が増えているという問題の背景にあるのは、自社を取り巻く評判に課題があるかも知れません。まずは、現状を把握するためにオンラインレピュテーション調査を実施することで、自社の過去、競合企業との比較などを通じて、Web上での評判がどのようになっているのかを把握することが出来ます。
▶オンラインレピュテーション調査の詳細はこちら

レピュテーションリスクをいち早く知る

ネガティブな評判が、ネットのどこに投稿されているか探すことは非常に困難です。Web上を365日24時間監視することで、そうした投稿をいち早く発見し、対応のアドバイスまで行います。迅速な対応をとることで、ネガティブな評判をポジティブへ転換できるケースも有り、早期検知は非常に有効な手段です。
▶Webリスクモニタリングサービスの詳細はこちら

既にあるネガティブな評判を回復する

事実無根の情報がWeb上に残されており、検索結果で上位表示されている場合もあります。デジタルタトゥーなどとも呼ばれ、早期の復旧が求められます。そこで、企業の情報発信能力の強化、WebサイトのSEO強化などを支援し、ネガティブな情報の濃度を下げる対策を行うことが可能です。
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レピュテーションリスクは、情報で溢れる現代社会において、誰もが気をつけねばならないリスクとなってきています。自社の評判を把握し、ビジネスにどのような影響を与えているのかまで知ることをおすすめします。

【参考】
「レピュテーションリスクと保険」(損保総研レポート)

【解説者】
株式会社エルテス マーケティング部
マーケティングGr マネジャー 
奥村高大

プロフィール:
大学卒業後、金融機関、コンサルティングベンチャーを経て、2018年に株式会社エルテスに入社。マーケティングGrにて、デジタルリスクラボの立ち上げ、運営、執筆を行う。