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従業員によるSNSの迷惑行為の事例を紹介。企業はどう対応すべきか

近年、SNSの利用率は右肩上がりに伸びていますが、従業員による不適切な投稿により、会社が謝罪などの対応を迫られる事例も相次いでます。投稿内容によっては、企業の信頼低下・利益減少に繋がる恐れもあるため、無視できないリスクです。

今回は、従業員によるSNSの迷惑行為にはどんなものがあるのか、発生した際の対応や予防策について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.従業員の不適切投稿のケースと想定される企業の損害
    1. 1.1.ケース①:社内の機密情報をSNS上に発信
    2. 1.2.ケース②:企業イメージを損なう内容の発信
  2. 2.従業員によるSNS迷惑行為が発生した場合の対応
    1. 2.1.該当従業員への事情聴取と投稿内容の削除要請
    2. 2.2.必要に応じて公式サイト内にて公表・謝罪等、社外対応の検討
    3. 2.3.該当従業員への法的措置の検討
  3. 3.従業員によるSNSの迷惑行為を発生させないための予防策
    1. 3.1.SNSポリシーやガイドラインの策定
    2. 3.2.従業員向けのSNS研修の実施
    3. 3.3.社内体制の改善・整備
  4. 4.従業員によるSNSの迷惑行為が発生した事例
    1. 4.1.事例①:鉄道会社の車掌が無断で乗客を撮影しSNSに投稿
    2. 4.2.事例②:航空会社の副操縦士がSNSで炎上
  5. 5.まとめ
  6. 6.関連情報


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従業員の不適切投稿のケースと想定される企業の損害

従業員によって不適切なSNS投稿が行われると、その情報はたちまちインターネットで拡散されてしまいます。ここでは、不適切な投稿のケースと企業に発生し得る損害を紹介します。


ケース①:社内の機密情報をSNS上に発信

従業員が社内の機密情報をSNS上に発信してしまう迷惑行為があります。

顧客情報を漏洩した場合、関係会社から会社に対し損害賠償を請求される可能性があります。また、未公開の新製品情報や開発情報などを発信した場合は、ライバル会社がその情報を入手することで、会社に甚大な損失を与えることもあり得ます。

企業の情報管理体制や従業員のリテラシーという観点でも、企業の信用度も著しく低下することになります。


ケース②:企業イメージを損なう内容の発信

従業員が店内の食品や備品で遊んでいる写真をSNSに投稿するなど、企業イメージを損なう内容の事例もあります。

このような迷惑行為が行われた場合、商品の廃棄をはじめ、店内の清掃・消毒、最悪の場合、休業を余儀なくされ、それぞれ費用や機会損失が発生することがあります。店舗が特定されることも多く、その場合には風評被害は避けられません。顧客離れや取引先からの取引停止などにより、売り上げの低下、ひいては閉店に追い込まれる可能性もあります。

ここ数年では、Instagramのストーリーズ(24時間限定の投稿機能)を使って身内向けの悪ふざけのつもりで投稿した動画・画像が、第三者により他のSNSへ転載され炎上するといった事例も散見されており、従業員のSNS利用にも注意が必要です。


従業員によるSNS迷惑行為が発生した場合の対応

従業員のSNS迷惑行為によって情報漏洩や名誉棄損などが発生した場合、どのような対応を取るべきか事例により異なりますが、一般的には次のような方法が考えられます。


該当従業員への事情聴取と投稿内容の削除要請

SNSの投稿内容を確認した後、迷惑行為を行った人物を特定し、事実関係を確認するため事情聴取を行います。被害を最小限に抑えるため、従業員に対して速やかに問題となる投稿の削除を要請します。

もし従業員が問題の投稿を削除しない場合には、サイト管理者や投稿先のプラットフォームなどに対する削除要請を検討しましょう。


必要に応じて公式サイト内にて公表・謝罪等、社外対応の検討

従業員によるSNSの迷惑行為の内容が、企業の信用に関わる重大なもので、既に一定程度拡散されている場合もあります。会社の信用回復のため、必要に応じて会社から事実関係の公表を行うことや、公的な謝罪など、社外の対応を検討しましょう。


該当従業員への法的措置の検討

SNSの迷惑行為など社内不正を行った従業員には、法的措置を検討することが考えられます。

<民事上の損害賠償請求>

従業員の不適切な投稿によって企業が損害を被った場合、企業から従業員に対して不法行為や債務不履行に基づく損害賠償請求をすることがあり得ます。ただし、企業から従業員に対する請求についてはある程度制限される傾向にあります。

<刑事告訴・告発>

従業員がSNSに会社を誹謗中傷するような投稿をした場合、刑法上の名誉棄損罪に該当する可能性もあり、状況次第では、刑事告訴の検討も考えられます。

<懲戒処分>

会社ごとの就業規則で定められている懲戒事由に該当した場合、不正行為の結果の重大性に応じて、懲戒解雇、降格、出勤停止、減給、戒告といった処分を下します。会社に多大なる損害を与える不正、犯罪行為を行った場合は、最も重い「解雇」になる事例が多いです。


従業員によるSNSの迷惑行為を発生させないための予防策

SNS迷惑行為によるトラブルを未然に防ぐためには、規定・ガイドラインの整備のほか、研修を行うなど複数の予防策を立てていくことが重要です。


SNSポリシーやガイドラインの策定

従業員のSNS利用に関して、事前にSNSポリシーやガイドラインを策定し、規律を明確にしましょう。就業規則の服務規律・懲戒事由にSNS利用に関するガイドラインを設けることで、SNSの迷惑行為で起きた問題に応じて、懲戒処分を検討できる状況にしておくことができます。


従業員向けのSNS研修の実施

従業員によるSNSの迷惑行為を未然に防ぐため、SNSのリスク研修を実施しましょう。SNSを使うことで企業が深刻なダメージを受ける可能性があることについて、自覚がない従業員もいます。SNSの利用によってどのような被害が生じる可能性があるのか、注意すべき点は何かなど、定期的に研修を行い理解させておくことも重要です。


社内体制の改善・整備

社内での不祥事が内部告発的に投稿された場合、会社の印象に大きな影響を与えます。SNS迷惑行為に発展する前に、内部通報制度を設けるなど、社内で問題を解決できるよう、社内体制を改善・整備しておくことも大切です。


従業員によるSNSの迷惑行為が発生した事例

従業員によるSNSの迷惑行為は、「SNSでバズりたかった」「ちょっとした冗談のつもりだった」などという言い訳は通用しません。損害賠償を請求されたり、大事件に発展したりすることもあります。実際に発生した事例について紹介します。


事例①:鉄道会社の車掌が無断で乗客を撮影しSNSに投稿

ある鉄道会社の車掌が乗務中に業務用端末で車両内の写真を撮り、X(旧Twitter)に投稿していた事例です。その内容が、社内で飲酒している乗客や、一人で幅を取って座っている乗客などを撮影したもので、会社に「知人が写っている写真が投稿されている」と申し出があったことから、この迷惑行為が発覚。会社は車掌を厳正に処分すると発表しました。


事例②:航空会社の副操縦士がSNSで炎上

ある航空会社の副操縦士が乗務中に私用のスマートフォンでコックピットから景色を撮り、X(旧Twitter)に投稿していたという事例です。当該の副操縦士は乗務停止処分と降職処分を受けました。炎上した副操縦士以外にも、会社は国土交通省から厳重注意を受け、同乗していた機長も責任を問われ、乗務停止処分となりました。

SNS迷惑行為は本人や会社だけでなく、一緒に働く人にも影響を及ぼします。


まとめ

従業員によるSNSの迷惑行為は、明日にでも起こり得る身近な問題です。トラブルを未然に防ぐためには、前もって規程やガイドラインを整備し、従業員に対してSNS利用の研修を行うことが大切です。いざという時のSNSトラブル対策を、今一度見直してみてください。

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